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スルト  作者: オーレリア解放同盟
第二章 日常編
40/70

#37 皇室住み込み生活初日目

「くそっ!!ギルド公社にはいないぞ!!」


「他も探せ!!村の家片っ端を探し出すんだ!!」


「どこにもいません!!」


「いったいどこへ隠れたんだ?」


結局警軍南プシェムィシル支部は全軍を持って南プシェムィシル村を捜索したが誰一人見つからなかった。なぜなら・・・

――――――ポートランド皇国首都ウィーンペスト ポートランド城

「どう?ここなら安全でしょ」

えっへんと言わんばかりにウエストに両手をあてて胸を張るのはポートランド皇国第一皇女ローラ。

「それにしてもエーリッヒにも助けてもらったな。ありがとう。」


「別に貴様らのためを思ってやったわけではない。貴様らがポートランド皇国に貢献したからその礼でやったことだ。感謝などいらない」

C-2輸送機からここまでばれずに来れたのはエーリッヒや警軍南プシェムィシル地方大隊長のジン・エンフィールドのおかげでもある。ここまで案内してくれたのはエーリッヒであるわけだから、それを俺達のためにやったって言うんだよ。と言ってやりたかったが、あえて黙って笑うことにした。

「な、何がおかしい!!」


「別に」


「そんなことよりも、少しリュート君に用事が」


「はい?」

俺はアルバート皇子に連れられてある部屋にやってきた。それは初めて俺がポートランド城にやってきたときに皇帝陛下に初めて会った部屋だった。そう、アルバート皇子は俺を皇帝陛下に合わせてきたのだ。と言ってもみんなぞろぞろと付いてきたから個人的な対面ではなくなったけど。

「久しぶりだな。リュート君」


「こちらこそ久しぶりです皇帝陛下。陛下の数多き心遣い感謝します」


「いや、そんなことよりもわし自信リュート君に聞きたいことがあってな」


「???」

皇帝陛下は首をかしげるリュートを背に一人歩きだし、一枚の大きな紙を持ってきた。

「これを見たまえ」

机の上に広げた一枚の大きな紙はポートランド皇国とその周辺諸国の地図だった。そしてポートランド皇国東部のある地区に指をさす。

「ここはプシェムィシル地区の北に位置するジェシェフ地区。この地区の国境警備軍と上空軍が偵察をしていたところ東オーレリシア帝国軍の動きが活発になっているという報告があったのだ。」


「・・・しかし、彼らも解っているでしょう?我々には東西南から同時に攻めることが可能。そして古代兵器を操る大和皇国が後ろ盾にいるということを」


「そう言うと思ってなこの写真を見てくれ」

と言われ一枚の写真を目にする。とりあえず俺が思ったそっちょくな感想はこの世界に写真なんてあったんだ。

「しかもフルカラー・・・」


「何いまさらなこと言ってんのよ。」


「フルカラーってあたりまえなこと・・・えーと、ひーふーみーよー、5000年以上も前からよ」

イリーナに続きエアリィまで・・・いまさらって・・・俺この世界の住人じゃないもーん!!いや、もう既にこの世界の住人だっけ・・・っていうかしかも5000年!!

まあ、何がどうなって、そしてどうやってフルカラーになったか知らんがそこは置いておいて。

「まあいいや。・・・・・むっ!!こ、これは・・・」

と、写真を見た感想の続きを言おうとしたのだが

「やはりそうか?」


「俺まだ何も言ってませんよ?」


「古代兵器じゃろ?」

解ってるなら聞くな!!

「悪いことですが正解です。ただ・・・」


「ただ?」

そう。この写真は気になることが一つあったのだ。

「この車・・・おそらく我々の世界では戦車と呼ばれる兵器なのですが・・・こんな戦車見たことありません」


「どういうことだ?」


「言った言葉そのまんまです。俺も軍人として世界の敵国、隣国、味方国の兵器を見てきましたがこのような戦車は見たことがありません。そして・・・」


「そして?」

こんなこと言っても解らないだろう。戦車の側面の装甲に

「ナチスのマーク・・・・」


「ナチス?」


「いえ、なんでもありません」

俺達の世界でナチスなど滅んだ・・・わけではないがネオナチ以外は消えた。なのに・・・まだティガーやIV号戦車等の第二次大戦中の戦車ならわかるが、こんな第4世代戦車に匹敵する形・・・まあどんな実力を持っているか知らんが

「まあとりあえずこれが古代兵器ということが分かった。それでだ。古代兵器の特性を知るスルトであるリュート君。君に古代兵器対策を考えてほしい。」


「・・・・成程。そう言うことですか・・・」

確かに。皇帝陛下の言い分は解る。あの帝国のことだ。いつ何をしでかすかわからない。俺達が帰ってきてから何もなかったということの方がむしろ不思議なくらいだ。いや、戦争の準備でそれどころではなかったということなら・・・

「しまった!!先を越された!!」


「どういう意味よ!!」

いきなり俺の顔から前方距離12cmまで近付いてきたポートランド皇国のお姫様ことローラ・ポートランドに俺は屈する。

「え、えと、あのですね・・・俺達が帝国を包囲したという事実が俺達を安心させたのです」


「は?」

まあ、しょうがない。今の時点で俺の説明で意味がわかったら素晴らしい。

「ジークフリート・・・俺の頭の中にある古代兵器の記憶のほとんどを奴はコピーしていきました。」


「そんなことが可能なのか!!」

エーリッヒは俺に向けて怒号を放つ。まて、俺に聞くな。俺は魔術師でもないし魔導士でもない。

「ああ。可能だ。僕も一部の魔術関連の書籍で見たことがある。しかし、魔術というよりはどちらかというと錬金術に近い。人間の脳みそ内の記憶をMETで識別、粒子状にコピーし自分の頭に植え付ける。それによってその人の記憶をコピーすることが可能だと書いてあったが、相手の記憶を指定することなど・・・」

その顔と首を横に振るしぐさではそんなことは無理という表情をアルバート皇子はしている。

「それによって東オーレリシア帝国中には多分古代兵器の使い方が知れ渡っていると思います」


「それで、この戦車と呼ばれる物の使い方は?」


「残念ながら・・・大和皇国で同期の奴に使い方を完璧に見せてもらったので動かすことは普通にできます・・・・だから奴らは戦車を国境付近に集めていたのか!!」


「で、こいつの弱点は?」


「・・・・上からの攻撃は多分よけられないかと・・・」


「上からの攻撃?」


「飛行艇などで爆弾を落とすか、ヴァルキューレレベルの攻撃魔法を唱えて攻撃するとか・・・多分この世界の大砲の類は効かないでしょう。攻撃する前に攻撃されます」


「成程・・・」

アルバート皇子と皇帝陛下は机の上の書きものでメモをし始める。このような尋問に近い対古代兵器アドバイスを俺は数時間された。





「お、終わった・・・」

俺は取りあえず自室に戻った。

「お疲れさん。相当くたばってるようね」

目の前には・・・人間モドキ・・・ではなく猫モドキと神モドキがいた。

「あんた・・・変なこと考えてないでしょうね?」

フシャーと化け猫みたいな恰好をするエアリィ。俺はイリーナ、エアリィと一緒の部屋にいる。男と寝て大丈夫ですか?と、この城のお手伝いさんに彼女らは言われたが、そんなことするような立派な男に見える?だってさ。お手伝いさんも“それもそうね”だと。全く・・・人を何だと思ってるんだ?

「いえいえ、滅相もございません。俺がそんなことするような輩に見えるとでもおっしゃりたいのですか?」


「「うん」」

二人揃って・・・俺ってそんな奴だったんだな・・・先程の件も含めて。

しかもかなり身近な奴に言われてる。結構ショックだぜ。

「まあ、そんなどうでもいい話は置いておいて、私たちとりあえずどうなるの?」

どうでもいいだと?俺にとってはどうでもよくないのだが・・・まあ寝込みを襲うような奴だと思われているよりはましだが・・・

「・・・まあ、ここにいりゃあ何とかなるだろう」


「いや、まあそうだけど!!そういう答えが欲しかったんじゃない」


「じゃあどんな答えだよ!!」

わけわからん反論をするイリーナ。そんなこと俺に聞かれても・・・

「私が答えを言ってあげるわ」


「???」

おお、いきなりリーダーシップ発揮!!頼んだぞエアリィ。

「ここから出ることができない!!」

あ~あ・・・俺があえて遠回しに言ったのに

「やっぱり・・・そうだよね・・・」


「まぁ、皇帝陛下が何とか手を合わしてくれれば何とかなるけどな」


「まあね」


「何を考えようとも俺たちじゃ何もできん。今無理して考える必要もなし。今は明日に備えて寝るのみ」

俺はそう言うとささっと布団に入りまくらの上に頭を乗せる

「リュート・・・ホント気楽ね。まあいいわ。おやすみ」


「リュートもイリーナもおやすみ」

そう、俺達の長そうな?皇室住み込み生活は始まったばかりだった。


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