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スルト  作者: オーレリア解放同盟
第一章 大和皇国編
22/70

#19 人質解放作戦

――――――ローレライ艦橋 戦闘指揮所付近

「おぬしらはわらわを捕らえてどうしようと?」


「あなたには交渉のための人質になってもらいたい」

ジークフリートは興味本位で乗艦した大和皇国皇太子妃皇咲耶(すめらぎさくや)を拉致監禁し、交渉道具として使うようだ。しかし、彼女は皇族の者だからなのだろうか?それにしては若すぎる・・・・まだ15にも満たない年で人質であるのにもかかわらず彼女はそのような言葉に動じることなく、むしろ胸を張り堂々とした姿勢で言い放った。

「あの男がそのような恫喝で屈するわけがなかろう・・・お主らも東オーレリシア帝国といったか?その国のものならこの前のコレリア半島での戦闘の話を聞いておらんのか?まあどちらにせよわらわを人質にしてもこの囲まれた状況から抜け出せずにお主らは飢えてくたばっていくのが落ちじゃな」


「ふっ・・・さすがは強大な軍事力を誇る大和皇国の皇太子妃・・・・一筋縄ではいかないと・・・・」

ジークフリートは笑いながら半ば感心し、隣でアニメならば頭から湯気を吹いているであろう人間はジークフリートと同じ東オーレリシア帝国の人間で東オーレリシア帝国陸軍国家戦略情報部隊の隊長ヴィクトル・チェブリコフ大尉だ。

「おいおい、何沸騰してんだ?」


「きさま、この現状を見て何も思わんのか?」


「なにが?」


「この現状。交渉がこの餓鬼の言うとおり何も進展しなく包囲されたままなら・・・・我々は飢え死にするぞ!!」


「まあいいじゃないか・・・一応最低限の行動はしたのだから・・・」


「・・・・まあ、たしかに、民間人にも兵士にもポートランド皇国が敵だということを見せつけろということはしたが・・・・気になるのがあのスルト」


「リュート・クキか・・・政府・・・もしくは軍上層部に我々のことを知らされてなければまだいいのだが・・・・」


「まあ信用できねえだろ・・・始めて会う連中の言葉など信用できるはずがない。いくら言っても奴らは代表として死刑だろうな・・・はっはっはっ!!これで特戦部とか呼ばれているポートランドの犬のエーリッヒとやらもくたばるだろう。俺はあいつらに・・・・あんな奴らに作戦を2度も失敗しているんだ。アンフェスバエナも失ったからな。ちゃんとつけを払ってもらうぜ・・・」


「で、皇太子妃はどうするんだ?」


「牢屋へぶち込んでおけ」



―――――――ローレライから半径50m付近

「いいか、もう一度確認するぞ?」

高須はポケットに入っていたローレライの図面を広げて敵の位置を確認している。

「先ほど包囲している連中からの情報だと、こことここ、ここ、ここにもいる。そして、艦橋には照明灯もついてある。だが艦尾の方・・・照明灯が照らせられる角度を超えているため、しかもその割には艦尾の偵察兵が少ない。つまり、ここの偵察兵をたたきのめせば侵入は容易だ。」


「なるほど・・・それで、この偵察兵をぶちのめす奴はだれだ?」


「俺個人の意見は特殊部隊の隊長ということもあってエーリッヒに任せたいのだが・・・」


「人の二人や三人殺すことなどお安い御用だ」


「なら頼む。艦尾はこの目の前だからな。」


「ああ」

エーリッヒはそういうとローレライの手前まで来て、ワイヤーを投げ艦尾に引っ掛け船をのぼりはじめた。




――――――ローレライ艦尾

「ふあああああああ」


「おい貴様!!あくびなどするな」


「だってよ・・・こっちには皇太子妃を人質にしているんだぜ?それを敵さんがだから何だ。とか言って攻撃をしてくると思うか?」


「まあ、そうだが」


「貴様らがそういう馬鹿で助かったよ」


「「!!」」

二人は“アー”とかいう暇もなく若い命を散らしていくのでした。

「こちらエーリッヒ。制圧完了だ。」


「OK。そっちへ向かう」





「ではチーム分けをする」


「お兄様行きましょう」


「そうだな。では僕たちはこのエリアを捜索する」


「わかった。先行っていてくれ」


「「リュート!!一緒に行こう」」

・・・またか・・・最近このくだりばっかで俺飽きてきたぞ。

「・・・・」


「・・・・」

二人は目を合わしながら火花を散らしあっている。

「いや~シャンバラの酒よりも日本酒の方がうまいな」


「なぜ酒の代金は飲み代(のみだいではなく飲み代(のみしろ)なんだろう」

高須と龍斗は全く関係のないことを言って話をそらそうとしている。しかし、そんな話など日本人である二人にしか分からず彼女らもとい、エーリッヒでもわからない。

「日本酒が一番。ということで俺はエーリッヒと組んでこのエリアを行くから後よろしく」


「ちょ、おま、日本酒一番からどういう結論でそこにいくんだ?」

高須は俺の話を聞かず、勝手に行ってしまった。

「「で、どっちなの」」


「俺とイリーナとエアリィの三人でいいんじゃない?」

ナイス俺。

「それもそうね」


「はじめからそうすればよかったんだわ」


「じゃあ、ブリーフィングするぞ。俺たちは艦橋の上、戦闘指揮所の方を探索する。インカムは俺がつけるから。」





―――――艦橋内部

ポタ・・・・ポタ・・・・

暗く静寂に包みこまれた艦橋内部はホラー映画のようなダークな雰囲気を出していた。そんな中聞こえてくる唯一の音。水滴の垂れ落ちる音は他に何も聞こえないためより一層ホラーな雰囲気を出していた。

「なんで暗いのよ。いくら猫の獣人族だからって、こんな暗い中を見えないわ」

いちいち文句をつけているのは、文句内容からしてエアリィである。

「しかし、これはチャンスだな」


「チャンス?なんで?」


「もう少し待てば降参したかもしれない」


「どういうこと?」


「艦内の電気はどうやって作ってる?」


「それは魔導機関に魔粒石を入れて、METを集めさらに放出した時のエネルギーを電気に変えているから」


「そう。しかし、なぜ電気がつかないか。それは長い航海で備蓄の魔粒石がなくなっている。とりあえず帝国の連中も本国へ帰る分の魔粒石はとっておきたいはずだ」


「なるほど。」


「!!・・・・静かに・・・」

俺は近くの部屋から聞こえてくる声に耳を向けた。

(どうしたの?)

(声が聞こえてくる)

「・・・どちらへ転んでも作戦は成功する」

(この声・・・たしか・・・ジークフリートの声だ)

「本当か?お前は相手の情報も知らずに突っ込むからよく失敗するんだ」


「安心しろ。敵が総攻撃かけてきても、ヤマト皇国国内では反ポートランド一色で染まる。向こうが交渉に応じたとしても目の前で皇太子妃を殺す。そうすれば反ポートランドで染まる。もし、リュート・クキを交換という交渉に乗ったら、それはそれでいい。」

(リュートが狙いのようね)

「とりあえず隣の部屋の人質どもをどうするかだな」

(隣の部屋?・・・・人質ども?一人じゃないのか?)

「まだ放っておけ。いまつかうところではない」


「そうか」

(つまり、人質はここか・・・・)

コンコン・・・俺はできるだけ小さな音をこぶしで扉をたたいた音を出す。

「・・・おぬしらはだれじゃ?」


「ポートランド皇国親善大使リュート・クキだ」


「リュート君か?」


「その声はラインハルト大佐」


「ああ。私だ。他にも将校24名と大和皇国皇太子妃様が捕まっている」


「おぬしが、親善大使か。白色の人間ではないな」


「はい。高須泰宜と同国から来ました」


「日本と呼ばれる国か」


「はい。大和皇国そっくりな国です。・・・・開きました。さあ、こちらへ・・・・・高須・・・聞こえるか?」

おれはイリーナとエアリィに避難させてくれと言って、インカムで高須と連絡を取る。

「こちら高須。どうした龍斗?」


「こちらエリアD-1-7の戦闘指揮所の横だ。人質の解放に成功。避難経路はルートDを使わせた。人質の保護に回ってくれ」


「了解。皇族の兄弟の連中にも言っておく」


「わかった・・・・」


「あ~あ・・・・人質逃げちゃった・・・・」

俺は背中から感じる凶悪な視線と体全体に奮い立つ鳥肌と恐怖に体が固まった。少し動いた首を回して後ろを向いて気がつく。ルーシア征教教祖直属ルーシア護衛騎士団団長

「ジ、ジークフリート・・・」

俺はかつてこいつと戦った。彼らが言う古代兵器を使ったが太刀打ちできずに武力介入しに来た俺たちの監視役者エーリッヒによって助けられた。

「久しぶりだな」


「後ろの奴は・・・・だれだ?」


「あ?・・・こいつはお前らで言う特殊作戦情報部のエーリッヒとかいう奴みたいな立場の人間だ。簡単に言うと特殊部隊の隊長。名前は」

続きを言おうとした瞬間われ先と後ろの奴の口が動いた。

「ヴィクトル・チェブリコフ大尉だ。よろしく」


「で、人質は解放されちまったが俺たちの作戦はあと一つ残っているんだよな・・・何だと思う?

 Aお前を殺すこと Bお前を殺すこと

 Cお前を殺すこと Dお前を殺すこと

ライフラインは全部残ってます。50:50 テレフォン オーディエンスの3つのうちから選べます。さあどれ?」

こいつと言いエアリィと言い、どっから日本の情報を得ているんだ?しかも、選択し全部おれを殺す以外ないし・・・

「制限時間あと10秒・・・」


「ミリ○ネアの新ルールでも制限時間こんなに短くないぞ」


「タイムアップ。正解は、Eのお前の知っている情報をはかせてから殺すでした?」

なんでクエスチョンマーク?しかも、答え選択肢以外!!

「絶対はかねえぞ」


「穏便で済ませたかったが武力で奪い取らせてもらう」

ジークフリートはこの前みたいに自分の目の前に手を出す。しばらくすると、手の中心に緑色の光が集まり、バスターソードが形成された。

「俺はお邪魔虫だから戦闘指揮所でくつろいでるぜ」

ヴィクトル・チェブリコフと呼ばれる男はそう言い残し戦闘指揮所へと戻って行った。

「じゃあ、この前の続きと行くか・・・覚悟!!」


「くっ!!」

こうして第二次龍斗VSジークフリート大戦の火ぶたが切られた。


 

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