#11 対面
――――――――ウィーンペスト ポートランド城
俺は先程の正規軍第一師団の中でも絞られた選抜メンバー「特殊作戦情報部」とのいざこざの仲介に入ったイリーナにエアリィと共にポートランド皇国の首都ウィーンペストにある政治・経済・軍事の中心であるポートランド城に連れて行かれた。イリーナが普通の顔をしているから危険なことはないと信じているが何があるか解らない。
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“コンコン”と何かの部屋の扉をたたくのは特殊作戦情報部(以下特戦部)のトップであるエーリッヒ・フォン・ザクセン。なかなかの二枚目だがピンと伸びた背筋。敵を威嚇する鋭い目つき。これではだれも近寄らんだろう。まあ人のことは言えないが。と心の中で第一印象を語る龍斗。
「こちらエーリッヒです。例のスルトを連れてきました」
「ふむ、よかろう。入れ」
「はっ!!・・・・貴様!!とっとと入室しろ!!」
特戦部のトップは俺に命令する。俺は客人ということだろう。客人に対する態度がそれとは・・・さすがの特定アジアの連中でもそれは無いぞ。
「客人をもてなす礼儀もないとは・・・この国の軍人の態度を見ればこの国の軍隊の士気の低さがよくわかる」
俺は素直な本音を言ってやった。俺がスルトだからなめているのか?
「き、貴様!!無礼者が!!恐れ多くも皇帝陛下のいる前でのその冒涜。許さん!!その首切り落としてやる!!」
エーリッヒは腰にかけていた剣を引き抜き俺に対して剣を振り下ろす。
「はっ!!」
俺はすぐさまH&K HK416(銃剣+グレネードランチャーつき)で防ぐ。
「うをおおおおお!!」
押し返した後銃剣でエーリッヒの剣めがけて切り裂く。“パキーン”という音が鳴り響きエーリッヒの剣は真っ二つに折れる。どうだ!!古代兵器の強さは。俺は心の中で勝ったと叫んでいた。しかし、俺はその後ある人物に負ける。そう・・・彼女に
「こらああああ!!」
「ぐをおおおお」
俺の背中をもうダッシュでのダイレクトなとび蹴りを決めたのは俺が命の恩人であるイリーナだ。俺のじゃないぞ。俺が命の恩人なんだぞ。その命の恩人に対してこれは・・・
「リュート何やってんのよ!!あれだけあんたは戸籍がないから暴れるなって杭を打っといたのに・・・あなたの権限で何とかならないの。私の権限でも無理だよ」
「まあまあイリーナもそんなに怒らず・・・可愛い顔が台無しだよ」
エアリィが俺達の仲介に入る。ナイスだぜエアリィ!!
「エアリィにかわいいって言われても皮肉にしか聞こえないわよ」
「はっはっはっはっは!!これは面白い連中だと。」
変なやり取りをしていると突然部屋の奥の方の大きな椅子に座っている髭の生えた見た感じ私は皇帝ですオーラを放っている大男が笑いながらたちあがった。そして、俺に近付いてくる。
「君が例のスルトのリュート・クキ君だね?うむ、話は伺っている。南プシェムィシルでのバルバロッサ海賊団人質事件でも先程のアンフェスバエナ暴走事件でもすべて助かっている。前回の事件も本当は君ではなく海軍が早期発見すべきだった。今回も本当は特戦部が鎮圧するべきだった。」
「それで、そのスルトである俺に何の用ですか?」
「うむ、二回の事件において解決してくれたのは君だ。それのお礼ということなんだがどうかね?」
(ちょっとあんた、皇帝からの直接のお礼なんてまずないわよ。ついでだからなんかたかりなさいよ)
エアリィは俺に皇帝からたかれと小声で言ってくる。
「残念ですが、お断りさせていただきます」
「はあ?あんた何言ってんの?皇帝陛下直々のお礼断るってどういう神経してるの?」
「こういう神経しているんだよ。・・・・皇帝陛下・・・俺はお礼を求めたくて事件を解決したわけではありません。目の前のことからつらいことから逃げるのが嫌でやったこと。いわば自己満足です。それでもお礼をというならば俺は気持ちだけ受け取ります。」
「・・・・ふ、ふふふ、ふふふふふふふ、ふははははははははは!!これは一本取られた!!このわしからのお礼を撥ね退けたとは。やはり見込んだ通り君は面白い男だ。出世するぞ。・・・では、お礼ではないが一つティータイムでもしないか?君にかかわる重要な話がある。」
「重要な話?」
「ああ。下手したら君の人生を左右させる・・・・ちょっと盛り過ぎたか?まあ、それぐらいは付き会ってもらいたいものだ。どうかな?そこのお嬢さん二人も?」
「「私達も?」」
(お嬢さん二人・・・私を気遣ったのかな?・・・)
「ああ」
「俺はその話に興味があります。」
「では、ついてきてくれ」
♦
――――――ポートランド城 空中庭園
ポートランド城最上階にある空中庭園。ポートランド家の憩いの場とでも言うべき場所である。高さは、かなり高くスカイツリーよりある気がする。だって雲が下にあるし・・・この世界の現存技術でできるのか?と疑いたくなる。もはや、オーバーテクノロジーである。
「たっか~」
「すっごーい」
二人ともはしゃいでいる。しかし俺は皇帝陛下と他の二人。たぶん息子と娘だろう。三人がいる席の前に座った。
「で、お話とは?」
「その前に僕達の自己紹介からしようかな。僕はポートランド皇国第一皇位継承者兼第一皇子アルバート・ポートランド。よろしく。リュート・クキ君」
向こうから握手を求めたため、こちらも礼儀として握手をする。
「そして、こちらは妹だ」
「ポートランド皇国第二皇位継承者兼第一皇女ローラ・ポートランドです。よろしくリュートさん」
「よろしくお願いします」
二人とも美男美女だ・・・・まるで絵で描いた感じの・・・・・・・このような機会がなかったらお目にかからなかっただろう。なんか特殊で近寄りがたいまぶしいオーラを放っている。
「それで、お話とは・・・?」
「そうでしたな。外を見てる二人も聞いてほしい。特にイリーナ君には関係があるから」
「・・はい」
(何でイリーナの名前を知っているんだ?)
「では、リュート君。君にかかわる質問だ。なぜ、いや、我が国もそうであるが、オーレリシア大陸諸国とプトレマイオス共和国が君たちスルトを必死に探しまわり、高額な懸賞金を懸けているかわかるかい?」
俺はアーノルド大佐直々の言葉を使う。
「古代兵器です」
「古代兵器と・・・?古代兵器がどうしたのかね?」
「古代兵器・・・一万年前のオーディンとオーディン率いるアインヘルヤル達、そしてオーレリシア人対スルトの全面戦争において侵略を開始したスルトは古代兵器を駆使し、オーレリシア大陸をわずか半年で全面占領した。2年後反抗を起こしたオーディンたちは見事スルトを海へと追い出した。その要因はオーディンたちも古代兵器を使ったから。古代兵器は当時ドラゴンを使えども勝てなかった。そして、現在古代兵器の扱い方を知る人などスルト以外誰一人としていない。つまりスルトを保護し、古代兵器の研究を進めることは周辺国との軍事力の差を圧倒的にする。こういうことですね」
「成程。勿論それが正しい。・・・・では、もし、我が国にスルトがいるとオーレリシア大陸中に広まったら?どうなるか・・・」
まさか・・・・・第二次朝鮮戦争の開戦は北朝鮮がついに水素爆弾の研究まで手を出したため痺れを切らしたアメリカによる研究所空爆により報復措置として韓国に侵攻した中朝連合によって開戦したはず。EUやASEAN諸国は侵攻という報復措置は非難するが空爆を行ったアメリカに対しても非難をするといい、事実上の黙認。AU諸国は中国が後ろにいるため中朝側につき、しまいには漁夫の利を狙うロシアが中朝側につき、アメリカと全面非核戦争。大国間同士の戦いのため安保理が発動しなかった。その前では似たような形の戦争は第一次大戦。三国協商と中央同盟国との軍事力。主にイギリスとドイツの建艦競争からのオーストリア皇太子の事件。この二つは結果的に軍事力の均衡が関係している戦争。
「スルトである俺を奪うための戦争・・・東オーレリシア帝国や西オーレリシア諸国連邦機構等による包囲網・・・」
「聡明な頭脳をしているようだな。その通りだ。そして、イリーナ君。君もだ。」
「わたしも?」
「ああ。君の過去を話すことになるがいいか?」
「はい。いずれはリュートにもエアリィにも話さないといけないと思っていましたから」
「そうか。ではこの地図を見てくれ」
そう言うと皇帝陛下はオーレリシア大陸全土の地図を見せてきた。人工衛星とかもないのにどうやってこんなにきれいに書いたんだ?
「この地図は古代最終戦争でスルトが残したものだ。ここを見てくれ。ここをロストフ半島と呼ぶ。ロストフ半島を中心として見ると西が我が国ポートランド皇国。東に東オーレリシア帝国。南がプトレマイオス共和国。この三国のほかにロストフ半島の中央部。ポートランド皇国の領有しているロストフ半島の部分の右側、プトレマイオス共和国から見れば上の部分に位置する場所だ。ここにかつてキエフ=ソフィア王国があった」
キエフ=ソフィア・・・?ソフィア?・・・イリーナは確かイリーナ・ソフィア・・・・!!
「そして、キエフ=ソフィア王国は我が国とは300年間もの間同盟国だった。しかし、4年前、突如東オーレリシア帝国がキエフ=ソフィア王国に侵攻しロストフ半島戦争が勃発した。1年間の戦争でポートランド・キエフ連合軍は大敗北を喫しキエフ王国は消滅した。その時従軍していたわしの妻も死んだ。そして、キエフ=ソフィア王国の王家の血筋をひくものはみな殺された。一人を除いて・・・」
その一人って・・・
「イリーナのことか・・」
「そうだ。その戦争でイリーナ君も戦っている。キエフ=ソフィア王国屈指の最強魔導士として。連合側に唯一と言っていいほどの大勝利をもたらしたサラ川要塞の戦いでの戦闘。結果は連合軍側死傷者ゼロ。帝国側死者二万四千名。負傷者八万名。その要因はイリーナ君だったのじゃよ。ソフィア家の第一王女のみしか使えない魔法を使って。しかし、戦後追われていて、METベルトに突入したところロストフ半島に位置するプシェムィシル地区に漂着した。」
「イリーナ・・そうだったのか・・・」
「ごめんなさい・・・だまっていて」
「いや・・・誰にでも言いたくない過去がある筈だ」
「そうそう、正直なところ信じられないんだけどね」
「そして、イリーナ君もスルトであるリュート君と同様に東オーレリシア帝国で懸賞金がかけられている」
「何故?・・・戦争犯罪者として?」
「いや、彼女のみしか使えない魔法の秘密を解明するためだ。」
「と言ってもね彼女は失い人となってから、魔法に関してはほとんど覚えていない。僕たちと遊んだこともいまだにあいまいなんだ」
そうだったのか・・・って?・・・アルバート皇子・・・僕たちと遊んだ?どういうこと?
「僕たちと遊んだって・・・」
「ああ、そのことか。ローラと彼女は幼馴染でね。僕も小さい時はよく一緒に遊んだものさ」
成程ね・・・
「それで、この話の本題は?」
「うむ、そこでだ、3年前に終結した戦争でキエフ王国は滅び東オーレリシア帝国の戦争目的は達成されたが我が国との戦争は痛み分けで終わり、停戦条約を結んでおる。しかし、数日前、帝国はアシーリス大陸の強国で唯一のムスペル人国家であるセールス・トルキスタン王朝を滅ぼし、アシーリス大陸を手中に収めんとしている。我が国をいつ侵略するか解らん。先程言った通りスルトとキエフ王国第一王女がいるということが知れ渡ったら、オーレリシア大陸全土を巻き込む大戦争になる。つまり、君達二人は表舞台に出ないでほしい。それがわしからの願いだ。」
たしかに、ごもっともな意見だ。だが、俺は隠れ忍んだ生活など望まないのだが・・・・・・いや、誰だって表舞台に立ちたいはずだ。それを好んで隠れて生活するやつなんかいるわけがない。
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―――――南プシェムィシル村 C-2輸送機
もうすでに夜になっている。暗い空にひっそりと浮かぶ月は、これからの俺達の生活を記しているようであまり見たくはなかった。輸送機内に戻ったのもついさっきで今は戦闘も何もないので防弾チョッキを脱いでシャツ一枚でいる。
「村長さんにも連絡があったみたいね」
「ああ・・・村長さんは俺が帰ってきたら村で一昨日の事件解決に貢献した俺を祝おうとしていたが、スルトがいると各国に知れ渡る可能性があるためということで中止になってしまった」
「あ~あ・・・これじゃああんたに古代兵器探し手伝ってもらえないね。残念・・・」
「どういうことだ!!」
俺はつい突っ込んでしまった・・・俺の存在価値って・・・・それだけ?
「・・・ごめんね。こんな時に言う言葉じゃなかったね。・・・・あんた・・ううん。リュート。ついさっき何でそんなにお金が欲しいのかは聞かないけどって言ったよね?」
「・・・・ああ。それがどうしたのか?」
「うん。あたし達獣人族ってさ、一万年前に人間から独立は出来たけどさ、世界どこを見ても獣人族の国どころか、自治区すらないんだよ。ムスペル人国家は在ったけど。だからね、あたし、お金をたくさん稼いで獣人族国家設立基金に寄付したいの。アーフカリア大陸の南部にラグナロクの時荒廃したオーレリシア大陸から渡ってきた獣人族が数多くいるの。獣人族国家設立基金はアーフカリア大陸南部に国家を作る予定なの。まだまだお金が足りないけど、スルトであるリュートがいれば古代兵器を見つけて政府や研究機関、闇市に高値で売って、資金集めしたかったけど・・・もう無理だね。」
「悪いな。皇帝陛下は生活保護はするって言ってたけど、俺的にはそんな薄暗い生活なんかまっぴらごめんだけどね」
「で、結果的にはリュートの望まない方向・・・私にとってもそうだけど、そっちの道に進んでいるけど、リュートはどうしたいの?」
イリーナは聞いてきた。聞かなくても解るだろうに。答えは今までどおりに生活するだ。とはいっても俺はまだ3日しかここの来てからたってないけど・・・
「あれですか?副船長」
「ああ。間違いない。あの洞窟だ。あの洞窟に船長を捕まえ、バルバロッサ海賊団を滅ぼしたあの悪魔であるスルトの家だ。そして、東オーレリシア帝国での手配書。3年前に終結したロストフ半島戦争で滅んだキエフ=ソフィア王国の第一皇女イリーナ・ソフィアだ。まさかここにいるとは・・・」
「副船長・・・どうやって襲撃しますか?あの狭い入口では一人入るのが精いっぱい」
「・・・・気付かれないように包囲していくのが妥当だろうな。メンバー10人が完全に入口に集まったら強襲するぞ。それと殴ったりはしてもいいが絶対殺すな。拿捕しろ。教祖直々の命令だ。」
「了解」
「!!」
なんだ?・・・この嫌な感じは?・・・俺の額から汗が垂れてくる。少し暑いというのもあるがそういう類の汗ではない。何かこう・・・見られているような嫌な汗。
「どうかしたのリュート。」
イリーナが俺を心配してくれる。心配してくれるのはありがたいが、もう少し別のところも心配しようぜ。
「リュートは感じているの?」
エアリィはどうやら俺が感じている何かを感じたようだ。
「ああ。・・・・・とりあえず、扉を閉めよう。」
俺はそう言って、操縦席の方に行く。洞窟の中に無理やり突っ込まれている感じなので操縦席のガラスは土で真黒である。
「操縦の仕方は解らんが、起動の仕方と扉の開閉ぐらいは見たことがある。」
俺は地球にいたときの記憶を振り返り、操作する。しばらくするとこの世界では不思議な音を立てて扉が閉まる。
「・・・こんなところに扉があったんだ・・・3年間暮らしているけどびっくり・・・」
「とりあえず、これで襲われることはないだろう。・・・・俺達を襲うなら、ルーシア征教の連中だろう」
「そうね。もし、バルバロッサ海賊団の残党でもいたら、報復対象は私たちね」
「ああ。」
そう言って、俺は開閉する扉の窓ガラスから外をちらみし、両手でベレッタを構える。
「ここを包囲するかのように10人程度・・・厳しいな・・・・一応素手でも開くようにしておこう。」
「奴ら扉を閉めました」
「ちっ、気づくのが速いな。作戦変更だ。窓を突き破っての強行突入をする」
「了解」
そう言うと9人のバルバロッサ海賊団残党がボウガンを構える。
「放て!!」
「お前ら伏せろ!!」
俺はとっさにイリーナとエアリィを庇う。
「キャアアアア!!」
「なんなのよ!!」
「静かにしろ!!」
俺は横っ腹に刺さった矢を抜いて割れた窓からベレッタを出して発砲する。
「くっ!!さすがはスルト。古代兵器を使うとは・・・」
「いてててて。まさか、この世界のボウガンがこんなに強力だとは思わなかった・・・」
こんなことなら防弾チョッキをとるんじゃなかった・・・
「ゴホッ、ゴホッ・・・カハッ!!」
「大丈夫?・・怪我してるじゃない。みして」
エアリィは俺の血まみれの横っ腹に手を当てる。
「That wound heals.」
エアリィの手は緑色にひかり、俺の傷はみるみる癒えていく。いわゆる治癒魔法とか言う奴か?
「治癒魔法?」
「良く知ってるね。使う魔法系統によりけりだけど、私は大地系魔法を使うから他の治癒魔法は知らないけどどれもたいてい効果は一緒だよ」
「そうか。でも、ありがとう。おかげで痛みがとれたよ」
「べ、別に・・・私は・・・・何も・・・あんたいなくなったら夢かなえられないし・・・ついでに治癒魔法と言ってもかなり低レベルのだから、傷を治すんじゃなくて一時的に痛みと出血を抑えるだけ。持って10分」
10分・・・・この世界でも分なのか?・・・いや、今それを心配する時じゃない。
「そうか。」
イリーナからの微妙な視線を感じ取った俺はイリーナの方を向く。
(いきなりの敵襲で怒っているのかな?)
「リュート・・・・あなたの傷はなおったけど、どうすんの?この状況。敵戦力10名。背の高い奴が多分リーダーよ。装備はボウガンに、剣。背中には盾を担いでいるわ。もしかしたら携帯型マスケット銃を持っている可能性も・・・それになかなか頭の切れるリーダーっぽいし」
「・・・そこまで判断で来ている君もなかなか聡明な頭を持っていると思うが?」
「・・・・褒めてる余裕があるってことは、何か策があるってことね」
「ああ。古代兵器をなめるな。・・・・・・でも・・・・・」
「「でも?」」
“長い10分になりそうだ”