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#9 特殊試験-中編-

―――――中闘技場準備室

「これが召喚石だな。・・・あのスルトのおかげでこれからの戦争で我々の計画を一歩早めることができる。しかし、本物のスルトかどうかわからない。確認するために召喚石をアンフィスバエナの封印石に変えておけ。」


「了解」


「クックック・・・・これであれがスルトなのか確かめられる」


―――――中闘技場闘技者準備室

「いいですか?今回は向こう側から手を出したため免除しますが、次ソルジャー同士での抗争は懲戒免職です。以後気をつけるように」


「はい」

なんで俺が怒られるんだ!!・・・いまさら文句を言っても仕方がない。

「もうすぐスレイプニルとの闘技ですから準備してください」


「了解です」

それにしてもスレイプニルって・・・なんだろう


――――――中闘技場

「俺は準備ができたっていうのに・・・どうしたんだ?」

召喚石を弄る作業でもしてるのか?

「えー観客の皆さん。ただ今から南プシェムィシル村出身のソルジャー“リュート・クキ”のスレイプニル闘技が開始します。戦闘の際の攻撃が観客席まで来る可能性が十分にあるため気をつけて見てください」

長いアナウンスだな・・・人もそこまで・・・観客席まあ半分くらい埋まってるな。人数的に100人前後?大闘技場ならもっと人が入れるんだろうけど」


「珍しいな。新米ソルジャーでいきなりスレイプニルトはギルドも容赦ない。ギルドメンバーも調査しなかったのかよ。」


「ホントですよね?あの馬鹿スルトは倒せるのかしら?」

エアリィは気づいていない。今とんでもないことを観客席で言ったことを。

「・・・・?あなた・・・いま・・・スルトと言いましたよね?」

(やっば・・・ごまかすしか・・・)

「・・・い、言ってないですけど・・・」


「そうですか・・」

(やばかった・・・)

しかし、彼女の努力は見事壊される。

「はい、闘技者のリュート・クキさんです」

それと同時に龍斗は入ってくる。しかし・・・入ってきたと同時に彼はフードを外した。

「「「「「「・・・・・・!!!!!!」」」」」」

観客全員が目を丸くした。黒い髪、茶眼、黄色い肌・・・そして見慣れない格好・・・。今龍斗がしている格好は靴は支給された靴。左手には迷彩色の複合装甲の盾。左手にはH&K HK416銃剣&M320グレネードランチャー装備。下は動きやすいようにひざ下を折りたたんであるアメさんからパクったカーゴパンツ。上は防弾チョッキに鎧。肩にも支給品の鎧。まあその他に弾薬とかを入れてある腰につけている携帯ポーチ等。髪の毛は黒。肌の色は黄色。ムスペル人は髪の毛の色が黒なだけで肌の色、眼の色共にオーレリシア人とさほど変わらない。しかし、彼だけが異物だった。

「も~何やってんのよ!!あの馬鹿・・・周りが唖然としているじゃない」

エアリィは恐る恐る周りを見ると・・

「ムスペル人か・・・ムスペル人が傭兵になるとは・・・」

(よかった・・・ムスペル人と勘違いしている)


「では、スレイプニル討伐試験を開始します。(補助員、魔導機関作動、召喚石にMETを送れ)」

この声と共に複数の補助員(ギルド公社社員)が魔導機関の上に召喚石を置き、魔導機関を作動させる。しばらくすると魔導機関の中央部が緑色の光に包まれた。

「これがにゃんにゃんの言っていたある事ってやつだな。スレイプニルってマジでなんだろう・・・」



・・・・・・あれ?何も起きないぞ

(ちょっとどうなっているの?召喚されないじゃないの?出力が足りないんじゃないの?)

(いえ、普通の召喚石ならばこれぐらいで召喚されます。)

(なら魔導機関の最大出力でやりなさい)

(そんなことしたら・・・)

(はやくしなさい)

(了解)


「・・・・」

しばらくしたら、魔導機関の中央部の光が更に眩しく輝き巨大になって言った。

「これが魔導機関か・・・」

しかし、ほっとして傍観出来ているのは今のうちだけだった。召喚石がカタカタと揺れ始め、次の瞬間

“パシューーーーーン”と音を立て闘技場全体がまばゆい光に包まれた。

「・・・な、何が起こったんだ?」

ゆっくり目を開けるとそこには巨大な龍が立っていた。

「これがスレイプニル?」

ちょっと待てよ・・・確かにゃんにゃんから聞いたことだとスレイプニルは軍馬と聞いた。どう考えても馬ではないだろう・・・

「ま、まさか・・・そんな・・・ア、アンフェス・・・バエナ!!」

観客席で見ていたエアリィは絶句した。




―――――準備室

「あれはどういうことなの?すぐさまに魔導機関をMET吸収モードに切り替え。召喚石のMETを吸い取りなさい。アンフェスバエナの召喚石なんて聞いたことないわ。それに、スレイプニルのはずでしょう」


「すいません管理人さん。あれは召喚石ではなく封印石です。」


「な、なんですって!!」


「はい。どうやら準備室で何者かに意図的に交換されたと考えるのが妥当かと・・・封印石なんて普通じゃ手に入りませんから。」


「まずいことになったわ・・・封印石を元に戻すなんて強力な錬金術師でも無理だわ・・・」


「そんなことよりも、観客と闘技者の避難を!!」


「そ、そうね。・・・緊急放送緊急放送!!観客並び闘技者、ギルドメンバーは直ちに避難するように。繰り返す・・・」

この放送と闘技場内で暴れまくっているアンフェスバエナによって、観客達はパニックを引き起こしていた。

「やはりスルトの末裔ムスペル人だ。ろくなことが起きねえ」


「とにかく逃げろ!!」


「まだ死にたくねえ!!」


「軍は何をしている?ギルド側も何とかしろ!!お前らの責任だろう!!」

こんな光景を見た俺はこいつがスレイプニルではないということを悟った。また別の生物なのだろうと・・・

「・・・何が何だかおれには理解できないが、要はこいつを倒せばいいんだろう。消え去れええ!!」

俺はその何かに銃口を向けて発砲した。

「おらあああああああ!!」

“ババババババババ”と銃口から5.56mm弾が発射される。人間ならば蜂の巣状態だろう・・・しかし、アンフェスバエナにはあまり効果がなかった。

「おいおい、古代兵器は最強じゃなかったのか?ドラゴンですら立ち向かえないって・・・もろドラゴンだろこいつ」


「ちょっと、そこの馬鹿スルト!!何やってんのよ!!早く避難しなさい」


「わりい、ちょっとこいつと遊んでく」


「何バカなこと言ってんの。いくらあんたがスルトだからって殺されるわよ。・・・って前前!!」


「ん?」

・・・・俺は絶句した。

「グヲオオオオオオオォォォォォ!!」

アンフェスバエナはスルトである龍斗に向けて巨大な火の玉を放った。

「はっ、速い!!」

この前のハイレディンや過激派どもよりも何十倍も速えええええええ!!

「くっそおおおおおぉぉぉぉ!!」

“ドガアアアアアァァァァァァンンン”という鈍い音と共に闘技場の半分が消し飛んだ。

闘技者でありスルトである龍斗を中心にして・・・


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