表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/70

#7 獣人族

―――――南プシェムィシル村の少し外れのイリーナの家

左手の時計が6時を表示していた。時間は、手製日時計で時間を合わせた。あっているかどうかは解らないが・・・

「イリーナ・・・起きろ・・・」

俺は目の前で布団を抱きしめて寝ているイリーナを起こしている。

「おいっ・・・朝飯だぞ」


「もう何も食べられないよ・・・リュート・・・」


「こいつ・・・・」

・・・こいつめ。俺はいつからお前専属のコックになったんだ?・・・

「イリーナ・・・起きろゴラァ!!」


「・・はにゃ?・・・おはようリュート・・・何してるの?」


「みりゃわかるだろう、飯作ってんだよ。」


「そっか、ご飯係リュートだっけね」


「お前じゃ何も出してくれないからな。ほら、外の小川で顔を洗って来い」


「は~い」



俺は現在年齢ぱっと見15か16歳。しかし実際は27歳。周りには16歳ということにしてある。住んでいるところはシャンバラという所で俺は地球からの訪問者。シャンバラでは俺みたいに異世界から来た人のことをスルトという。職業は傭兵。2日前にギルド公社南プシェムィシル村支部に加入したばかりである。そして、イリーナ・ソフィアと呼ばれる同じギルドで働いている年齢14歳の同僚と同居中である。俺から見たら実際イリーナはガキなのだが(だって本当は27歳だから!!)周りからの目はそうでないらしい。困ったことだ。


「今日のご飯何?」

顔を洗って着替えたイリーナは俺に聞いてきた。なんだか学校の制服みたいな服を着ているイリーナを見て疑問に思ったがあえて質問しなかった。年齢=彼女いない歴だった俺は自衛隊に入っても寮。家に帰ってきても帰って来る目的は仏壇の整理とお墓参り位で一人暮らし。飯ぐらいは一人で作れる。正直女性、いや女の子が最適だ。と食べるのは学生以来である

「ご飯にクラムチャウダーだ」


「くらむちゃうだあ?なにそれ」


「バターで野菜と貝を炒めた後・・・」


「ごめん。わからないからいい」


「食べてみればわかる。」


「うん。いただきます」

正直なところ俺が作ったクラムチャウダーの感想を聞きたいところだった。だって人に食べさせたことなんてなかったから。

「ど、どうだ?」


「うん。こんなおいしいスープ初めて。ありがとうリュート」


「そうか。作った甲斐があった」


「そうそう、今日覚えてる?」


「何をだ?」

いきなり覚えてると言われても解らない。主語がない主語が!!

「模擬試験。ギルドに入る時の階級を決める模擬試験」

そう言ってくれればいいものを。まあ俺は何が言いたいのか分かっていたけどね。とことん俺って意地悪だなと自分でも思う。

「ああ、覚えてる。模擬試験ってどんなのやるんだ?」


「主に闘技試験。私はギルドが捕獲したモンスターの討伐訓練をやらされた。リュートは一昨日の件があるから別のかもしれないけど・・・そうそう、言い忘れてたけどリュートは飛び級で大尉待遇での特殊試験だとかで・・・それと私は用事でウィーンペストに行かないといけなの。ごめんね。」


「なんで謝っているんだ?」


「だって・・・一人で行かせちゃうから・・」


「別に俺のことなんだからさ。お前に心配されるほど俺は頼りないか?」


「それ私を馬鹿にしてない?」


「全然してない」


「・・・そう。・・・・じゃあごちそうさま。食器はここに置いておくから洗っておいて」


「とことん図々しいな・・・・」


「だって食事係リュートじゃん。それに私はウィーンペストに行かないといけないの」


「ルーシア征教どもに襲われるなよ」


「御心配無用です。そこまで私弱くありません」


「そうかい。じゃあ気をつけてな」

俺はそう言ってイリーナに手を振る。実際のところ心配でしょうがないが・・・

「行ってきます」


「さてと、食器を洗って俺も装備の準備しに行きますか・・・」



―――――イリーナの家格納庫

俺は現在村で怪しまれないようにイリーナに買ってもらった服と、ギルドから正式に配備された胴体と肩を守る鎧をしている。まあ、村人のほとんどが俺のこと知っているから、別に怪しまれないと思うが念のため・・・

「さすがに耐Gスーツじゃあ役に立たないよな。どうせならアメさんからパクらせていただこう。・・・・ボディアーマーとPASGTヘルメット、防弾ゴーグルはもらっておかないと。それと、小銃・・H&K HK416にM320 グレネードランチャー、盾としてストライカー用の複合装甲をいただこう。ベレッタに・・・!!」


カサっ・・・・今音がした。誰だろう。・・・イリーナか?・・・いや、彼女ならこんな遠回しなことはしないはずだ。・・・誰だろう?・・後ろから足音が聞こえてくる。・・・・・

「誰だ!!」

俺はそれと同時に右手にナイフを持ち後ろに振り返り、何者かの首にあてる。

「!!・・・ばれたにゃ!!」

声的に女性のようだ。しかし、語尾のにゃ!!というのは・・・そして俺から離れた謎の女性?を見ると・・・

「へっ?・・・猫耳?・・・???人間?」

俺は目の前の光景が信じ難かった。身長はイリーナよりも少し高く、160ちょっと。ぱっと見は紺色のショートヘアーの人間の少女なのだが・・・・頭の上についている何ともかわいらしい猫さんの耳におしりの方についている何ともセクシーな尻尾・・・・

「違う。人間なんかと一緒にしないでよ。あたしは誇り高き獣人族。と言っても人間との交配も可能だけど・・・」

この娘は何を言っているんだ?

「・・・・で、その獣人族のにゃんにゃんさんが何ようですか?」

頭をかいて呆れた顔で言うと、彼女は俺を子供扱いするようにしたから俺の顔を覗き込んだ。

「にゃんにゃんさんじゃない。あたしには、エアリィって名前があるわ。・・・見慣れない顔ね。あんたこの村の住人?」


「つい最近なったばかりだ。・・・・君は俺の顔を見て変に思わないのか?」


「ん~~~」

彼女は腕を組み、俺の顔をじろじろ見ながら考えてる。おいおい、この世界の人ならたいてい気付くぞ・・・

「あっ・・・もしかして、スルト様?・・・なわけないね。だってスルト様はあたしたちに自由を与えてくれた神様だもの。」

思いっきりそのスルトなんですけど・・・・・え?

「スルト様!!ってどういうことだ?」

俺は今までに聞いたことのない言葉を聞いてびっくりした。スルト様・・・様・・・様・・・どういうことだ!!!!!!

「ちょ、ちょっと・・・顔近いってば・・・」

エアリィは顔を赤くして手を前に出した。

「おっと、悪い。興奮しちゃって」


「全くこれだから人間は・・・いくらあたしが可愛いからって、発情しないでよね」

何を勘違いしているんだ・・・まあ、実際のところ可愛いのは確かだが・・・・

「・・・・自信過剰だな、君は・・・そんなことよりもスルト様ってどういうことだ?」


「そんなことって・・・失礼しちゃう人だね。まあいいわ。えーと、なんであたしたちがスルト様って呼んでいるかってことだね。・・・人間のくせに知らないんだ。困った人。・・・ラグナロクってのは解るわよね。」


「ああ」

一通り書物を読んだからな。古代最終戦争―ラグナロク―のことだろう。

「あの前までは、あたし達獣人族は人間より知能が劣っていて、奴隷同然だったのよ。でもラグナロクの時スルト様が放ったレーバテインの炎によってこの大陸はぼろぼろになって人間もひどい目にあった。だけど、あたし達獣人族は違ったのよ。人語が喋れず、知能が足りなかったはずのあたしたちは、普通に二足歩行ができるようになって、人語もしゃべれるようになって、知識も人間と同程度にまで進化できたの。これによって、奴隷扱いされていた獣人族は人間からの奴隷をやめることを宣言して、今に至るの。まあ、奴隷についてはあたしたちは恨んでいないけど、それに普通に村で人間と獣人族は昔の名残で共同生活してるわ。ただ違うのは、スルト様は悪魔として継承されているか、救世主としてあがめられているかだけどね」

成程。スルトは悪いだけではないんだな。

「一言言っておくけど、そのスルトってのは俺なんだけど・・・」


「ウソが下手だね。バレバレよ」

こいつ・・・マジで信じてないな・・・

「君はこの村の住人だろう?」

一応聞いておこう。

「まあそうだけど・・・」


「なら知っているだろう。二日前のルーシア征教隷下のバルバロッサ海賊団の人質事件」


「勿論知っているわよ」


「その時バルバロッサ海賊団を倒したスルトってのが俺なんだけど・・・」


「・・・うっそだ~」


「・・・・まあ別に信用しなくてもいいけど・・・で、君は何しにここに来たんだ?」


「あんたこそ何でイリーナの家にいるのよ」


「・・・此処俺の家。イリーナが俺に貸一つしてるから、宿大タダってことで。おわかり?」


「ふーん、あっそ。だけどあたしの邪魔はしないでよね。」


「何しに来たんだよ。」


「あんたが今いる場所にある金属はオーレリシア大陸全土で採れるどの金属よりも硬度が固く、いくらこの金属を叩いても叩いた物が壊れちゃうの。そんな金属がどこにあるっていうの?そう、ここにしかないの。それが闇市で高く売れてって・・・それよ!!あんたが今持ってる・・・盾にしているもの!!」


「ああ?これらのことか。残念ながらこれはスルトである俺にしかまともに扱えない古代兵器なんだよ。道理でこれだけの輸送機に小銃が二丁しかないわけだ。勝手に売りさばかれていたのか」

勿論これは半分以上は嘘である。小銃とか、盾代わりにしている複合装甲等は別にスルトじゃなくても扱える。

「違うわよ。イリーナに許可取ってあるわよ」


「そうか・・・・ってよくねえええ」

もし古代兵器が流失していたら・・・・まずいぞ!!特に小銃みたいな弄っていれば使える武器は・・・戦車とかそういう系の電子機器の搭載されたのなら扱えないからまだいいが・・・

「君はなんてことをしてくれたんだ!!」


「えっなに?」


「どんなのを売ったんだ!!」


「あんたが持っている剣?じゃないけどよくわからないのと、その盾と、小刀。」

よくわからないのと言うのは小銃のことを指しているんだな・・・盾は複合装甲のことで、小刀は銃剣・・・

「これ小銃っていうんだけど、これ付いたままで売った?」

俺はH&K HK416についているマガジンに指をさして言った。

「ううん。そんなのついてなかった。」


「良かった・・・使い方知らない奴が使ったら危険でしょうがない。」


「これ、もしかして、古代兵器!?」

エアリィは目をキラキラさせて俺に近付いてきた。何を考えているのやら・・・

「あ、ああ。いかにもこれらは古代兵器だが・・・まあ俺の世界では古代ではなく現代兵器だけど・・・」


「おしいことした!!!!!」

そんなことを叫んで猫の獣人族のエアリィはorz姿勢と似た姿勢をして床に向けてぼこぼこと叩いている。

「お、おい・・・・どうした?」


「ちっくしょぉ~・・・なんであんた早くこの世界に来なかったの!!」

彼女は俺の胸倉はいきなり何の前触れもなくつかんでにらむ。俺睨まれるようなことしたか・・・・?それよりも、早くこの世界に来なかったのかってことは俺をスルトと認めたのか?

「うわわわわ、なんだよいきなり!!」


「古代兵器だったら・・・闇市でもっと馬鹿みたいに売れたのに・・・・10Auはくだらなかった・・・・」

H&K HK416が10Au・・・・地球の金額換算にして・・・100Auで25億だから・・・2億5千万!!89式小銃はアサルトライフルで高い方だから20万前後。それよりも安く見積もってH&K HK416は15万としても、1千倍以上!!

「・・・でも俺の方が高いな」


「?」


「俺なんて東オーレリシア帝国で売れば500Auだぜ!!」




・・・・沈黙。・・・あれ?

「・・・・・・あんたみたいなスルト誰も買わないわよ」

こいつ・・・まじで殴りたい。・・・全く失礼な奴だ。教育がなってない!!

「古代兵器の情報が奴らはほしいんだ。俺がほしいんじゃなくて、俺のこの脳みそにある情報源!!おわかり?」


「成程!!ならあたしに古代兵器の情報ちょうだい!!」


「あげるわけねえだろ。危なっかしいわ!!」


「そっか・・・じゃあ、あたしと一晩寝るので・・・どお?」

エアリィは色っぽい声で俺を誘ってきた。服も半分脱ぎかけて・・・

「年齢は幾つだ?」


「イリーナの1歳年上で15歳。とはいっても、私の方が生まれた月が早いだけで生まれた年は一緒よ。実際のところ失い人だからあやふやだけど・・・」


「俺は子供はお断りだ!!」


「あんたも子供でしょ。まったく、本当ならあたしと寝るなんて500Auでも足りないんだけどね!!」


「どんだけ高い売春婦だよ・・・・おっと、こんなところで暇してられない。・・・じゃあエアリィ、此処の留守番頼んだよ」


「ちょっとどこ行くの!!留守番って・・」


「俺はギルドで特別階級の特殊試験をしないといけないんだ。それと、古代兵器勝手に持ち出すなよ!!使い方次第では君自身が吹っ飛ぶぞ!!」


「・・・え?・・・そんなに恐ろしいものだったの!!」

古代兵器の事実を聞いて本気でびっくりしたエアリィ。オーレリシア神話に書いてあったろうが!!

「ああ、そうだ。おれはギルド南プシェムィシル村支部にいるから」

と言って俺は支部へと走り出した。

「・・・ちょっと待って・・・確か特別階級の特殊試験って・・・」

エアリィは何か思い出した時、あいつの姿はいなかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ