怖がりと弱虫の違い
暗闇の深さを知る者だけが辿り着く、ささやかな勇気の物語です。
誰よりも繊細だからこそ傷つき、恐怖に足をすくませながらも、それでも灯火を頼りに風の中へと踏み出そうとする人へ——「怖がり」と「弱虫」を分かつ一筋の光を描きました
影の濃さと、膝のふるえ
暗闇に足を止めるのは
そこに潜む影の形を
誰よりも鮮やかに知っているから。
怖がりは、世界を深く恐れるあまり
心の中にいくつもの灯籠をともす。
手渡された鍵を握りしめながら
開けることのない扉の前で立ち尽くすのは
傷つく痛みをあらかじめ知っているから。
弱虫は、破れることを恐れるあまり
最初から拳を握ることをあきらめる。
怖がりは
震える足のまま、一歩をふみだす者。
見えない闇を睨みつけながら
それでも風のなかへ立ち向かう者。
弱虫は
ふみだす前にはじまりを捨てる者。
風が吹く前に背を向け
ただ安全な部屋で息をひそめる者。
ふたりは同じ膝のふるえを持ち
同じ真夜中の冷たさを知っている。
けれど、月明かりのもとで
怯えながらも手を伸ばす影と
影になることすら恐れて逃げ出す影。
夜が明けるとき
光を最初に浴びるのは
泣き顔のまま立っていた
あの怖がりの背中だ。
「怖がり」と「弱虫」の違いについて、自分なりの言葉で綴ってみました。
怖くても一歩を踏み出そうとするあなたの背中に、少しでも優しい光が届きますように。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。




