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「弾劾」

作者: sinohara779524
掲載日:2026/05/19

その日、議場の空気は最初から決まっていた。


反対票の多くは、権力で縛られているはずだった。


弾劾決議。


世界中の報道陣が見守る中、投票が始まる。


票は、静かに積み上がっていく。


数人は、驚かなかった。


逆らえば終わる。


名前が呼ばれたとき、

ほんの一拍だけ沈黙があった。



YES.


小さな声だった。


議場の空気が揺れた。


誰かが息を呑んだ。


誰かは、もう結果を知っていた顔をしていた。


三分の二。


必要とされていた線を越えた瞬間、


賛成者たちの名前が国家

反逆者リストへ自動登録された。


端末が震え、

警護権限の停止が通知される。


家族との連絡も遮断。


次の名前が呼ばれるまで、議場は凍っていた。



被告席の男だけが、ゆっくり拍手していた。

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