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1 はやと
え。
なんだ。
まさか、ここは−。
杉のようででも何だか知らない植物。ウサギに似た角のある知らない動物。
−異世界。
なんてことだ。
あんなに夢見ていた世界。まさか本当に来ることができるとは。
やったー。ついに!
不登校になって数年。
家族は不思議なことに、僕を責めなかった。
普段は厳格で怖い父親も、多感な年頃なはずの妹も。唯一、母親だけが一度「学校に行ってほしい」と言っただけだ。
でも、行けないという気持ちは僕の心に刺さった。
重苦しい気持ち。
どうしようか、学校に行くべきなのか。
散々悩んで、結局行けなかった。
僕は…記憶力だけの人間。
悩んだ先に、転生して現状を変えたいという気持ちが残った。
だから。
異世界転生できたら、必ず僕は力を発揮できると信じてきた。
これから、僕は、自分の生き方を大事にしていきたいとう。
さあ冒険を始めよう。僕のペースで。