season1 5話決別
「あぁ、残念ながら本当だ」
シンは美月に向かって返答する。
「………な、何の為に私を誘拐したの?」
美月は冷静を装う。後ろから女が歩いてきた。
「だ、誰?」
「具合はどう?美月」
暗い場所から顔が徐々に見える。美月は絶句した。
その顔は
くるみだった。
2人はまるで中身が大人のような目をしていた。
すると、くるみが口を開いた。
「ところで、美月はどうするの?」
「……殺す」
シンは少し間をおいてそう言い放つ。
「えっ……でも…」
くるみは焦りが表情に出る
「俺たちの計画においてこいつは驚異になるに違いない。だからここで死んでもらう」
「そっか……」
くるみは不意に落ちない顔で納得する。
そして、2人の会話が終わったと思った瞬間、私の体は動いていた。
「い………嫌ぁぁぁ!!!!」
美月は泣き叫びながら走り出していた。
(あぁ…死ぬ…)
絶望にくれていた時だった。美月の目の前には水が浮かんでいた。
(……水?)
「......っ!!こいつ!?」
シンは水を見て何かを察した。美月は頭よりも先に体が理解した。
─────開戦─────
【水神楽聖】
そして、水は爆発的な勢いで広がった。
「ちっ……!」「うっ……!」
シンとくるみは押し流される。
「今のうちに逃げないと……」
美月は自分のしたことを理解できなかったので逃げることに専念した。
「ハハッ……」
シンは笑みを見せた。
(発現して直ぐに開戦とは……無論侮れんな。だが、まだまだひよっこだな。)
─────開戦─────
【メタルインパクト】
次の瞬間逃げる道は塞がった。
「開戦とは、結界で囲み…必中効果を付与するものだ。お前のは結界を保てないのが理由で付与できていない」
シンが淡々と話しながら開戦の効果を発動する。四方八方から鉄が生成され、まるで龍の首のようなものになった。美月の目の前に襲いかかる龍はまるでヤマタノオロチだ。しかし、美月は――
「…行ける」
何を言ってるのか自身も分からない。だが次の瞬間右手に水のムチのようなものを手に取り、龍達をなぎ倒しいった。
(なるほど……!必中効果を無くすことでの身体能力の底上げ……!)
「チッ…!こちらもまだ完全ではないか」
─────閉門─────
逃げ場を塞いでいた結界が剥がれるように消えていく。
「くるみ!ここは部が悪い!下がるぞ!」
シンがくるみに指示する。
「……分かった……死なないでね。」
くるみは美月にそう伝え、
「造形:氷鳥」
と唱えるように言い氷のように冷たい冷気を出した巨大な鳥を繰り出し、シンとくるみはその鳥に掴まって高く舞いどこかに消えていった。
「美月!!大丈夫か!?」
奥からかこうたの声が聞こえる。
「…っ!こうた!良かった…無事で…」
美月の眼が潤う。
「俺も死んだかと思っただけど―――」
─────30分前
(あー冷めてー…死ぬと冷たくなるって本当なんだな…特に傷口。にしても冷たすぎないか?てかなんで冷たいって感じることが出来んだ?)
こうたは意識が朦朧とする中違和感を覚える。すると、目の前に人影があることに気付く。
(…ん?…くるみ?)
「ジッとしてて」
くるみが忠告する。こうたは理解が追いつかなかった。
「なんで…お前がこんな所に!?」
「今はとにかく逃げて」
こうたは真剣なくるみの眼を見て冗談ではないことを察した。
「…っ!!そうだ!ゆうりが!」
「大丈夫。ゆうりはさっき逃がした。傷口は塞がってるけど絶対無茶しないで。」
「わ、分かった」
─────現在
「俺も訳がわかんねぇ。」
「私も同じだよ……」
「さっきのってシンだよな」
「うん。実は───」
美月はこうたにさっきまでの事を話した。
「そんな事が…」
「信じてくれんの?」
「美月が言うんだし。信じるさ」
こうたは当たり前のことのような顔で言う
「ありがと……」
美月が照れくさそうにしていると
「美月!」
突然こうたが美月を呼ぶ
「な、なに?」
「無事でよかった!本当に…よかった…」
そう言ってこうたは美月に抱きついた。
美月の顔は真っ赤になっていた。
「……っ//」
その後2人はそれぞれの家に帰り何事も無かったかのような素振りをしながら眠った
〜場所「???」〜
「お前負けたのかぁ?」
煽り口調な男がソファに横たわって、はみ出た足をぶらぶらと交互に揺らす。
「殺すぞ。だが美月が想定以上よりも早く覚醒した」
シンが冷酷な発言をする。
「と言ってもそんなもの覚醒が1ヶ月早まっただけだろ?」
「あぁもうじき時代が変わる」
「スキルはどんなもんだった?」
「自分で見に行けよ。小島。」
「それもそうだな♪」