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ある小さな物語  作者: どこぞのゴリラ
season2
23/23

season2 11話消え去る希望

「鱒渕シン......!」

ようすけの前に現れたのはシンだった。


─────開戦─────

混沌(ザ・カオス)


(馬鹿な......!俺の結界の中なら魔力が燃える筈だぞ......!?)

ようすけは気付く。自身の結界が閉じていることを。そして、その場に伊藤の姿が見えなかったことも。

「伊藤か......!」

伊藤はシンが結界に開けた穴から脱出し、外からの【強制終了シャットダウン】を発動した。

「魔力切れだった筈......」

すると、シンがニヤつく。その瞬間ようすけが気付く。

「【譲渡ギフト】か......!」

譲渡ギフト】、「七つの大罪(ディザスター)【嫉妬】」による能力の一つ。それはスキルや魔力を具現化し他者に受け渡すことが出来るというもの。

「換装......」

シンが武器を手にする。

「【憤怒の浄剣】......!」

シンが手にする片刃の剣は禍々しい魔力が籠っていた。

(あの剣......学生時代には使用していなかったと佐藤は言うが......どこで手に入れたんだ……あんな業物......!)

シンがようすけに斬り掛かる。

平家星ペテルギウス!!」

シンは軽々しく攻撃を避けていく。

「かまいたち......!」

シンの斬撃はようすけにダメージを与える。

「ぐふっ......!!」

ようすけは後ろに下がりシンと距離を取る。

「ほぉ......治癒ヒーリングか」

ようすけが負った傷は痕は残ったものの血は止まり傷口は塞がっていた。【治癒ヒーリング】、ノーマルスキルの一つ。理論上誰でも習得可能なスキル。しかし、その道のりは非常に過酷です。ノーマルスキルは元来ユニークスキルを持たない者が対抗するため発案されたもの。その為、習得難易度はかなり低いものとされていた。だが、【治癒ヒーリング】は魔力強化と同様才能による技術が八割近く求められていた。例にあげると、最強の剣士と言われた佐藤りょうたも【治癒ヒーリング】を扱えない。それはシンも例外ではなかった。その場にいる者たちはすぐさまに気付いた。膨大な魔力に。


─────2番隊隊長 田中こうき


ビルエリア:B


現着


「こうき......!」


「悪ぃ......遅くなった......!」

その場に現れたのは田中こうきだった。

「No.2......!!!」

シンは震え上がった声で言う。その表情はまるで、玩具を買ってもらった子供のように笑っていた。即座にシンがこうきに斬り掛かる。

「白神竜の鉤爪!!」

お互いの攻撃が交じわう。ダメージを与えたのはこうきだった。

「くっ......!」

その攻撃はシンの想定以上のダメージを与える。

「これは......!」

こうきが繰り出した技は白神竜の力、白神竜とは数ある種族と一つドラゴン族である。ドラゴン族は200年以上前に絶滅したとされているが現代、こうきのユニークスキル【竜王】により再び技が再現される。そして、シンに大きくダメージを与えた理由は属性にある。中には弱点を持つ属性もあり、その属性は所持しているスキルに影響される。つまりこうきは様々な属性のスキルを使いこなすことが出来る。白神竜の属性は「光」である。シンが所持している白谷りおのユニークスキル【七つの大罪(ディザスター)】の属性は「闇」であり、その弱点は「光」であった。しかし、シンが受けた傷はたちまち治っていく。

「......!治癒ヒーリングか!?いや違う......この速さ......!」

シンのユニークスキル【七つの大罪(ディザスター)】はスキルを奪う能力だがその条件は殺すことではなく、死後間も無い者の魂に干渉することである。そして、その傷を治すのは7年前岡野たいぞうから継承したユニークスキル【超回復リバイヴ】であった。その治癒力は絶大で負った傷のダメージをほぼ完治させる程なのだが、縛りとしてスキル使用後6分3秒のクールダウンが必要とする。

(どうする......今の攻撃は休戦によって結界を濁してやっと通せたんだ......。次はこうもいかない......!)

シンの背後から龍の頭が襲いかかる。こうきは飛び跳ね攻撃を避ける。

(このままじゃジリ貧だ......!!)


「......くそっ!」


──────────


一方結界の外ではようすけが伊藤と対峙していた。

(まずはこうきをあの結界から出さなくては......)


破壊デリート!」

伊藤が攻撃を仕掛ける。ようすけは【星々の怒り(シュバルツ)】により伊藤の魔力を粉砕する。その瞬間ようすけは蹴り飛ばされる。

「ぐっ......!」

ようすけは一度怯むもすぐに立ち上がり伊藤に殴り掛かる。しかし、魔人へと変貌した伊藤にようすけは押されていた。すると、ようすけが伊藤の頭に手を添える。

「【宇宙の真理(ヴォア・ラクテ)】」

伊藤の視界には銀河が広がる。

(......!?何をされた......?)

「......こんなもの!強制終了シャットダウン!!!」

すると、シンの結界がみるみる剥がれていく。ようすけのスキル【宇宙の真理(ヴォア・ラクテ)】は、相手の五感を操り誤認させる。相手視点ではそれを銀河と捉える。伊藤が解除したのはようすけのスキルではなくシンの結界だった。状況を理解出来ていない伊藤にようすけが殴り掛かる。伊藤は吹き飛び壁に叩きつけられた。

「ぐはっ......!!!」

伊藤にダメージが加わるとようすけのスキルが解除される。

「......俺らの勝ちだ!」


「............こっからだろぉ!?」

伊藤が叫ぶ。


──────────


(閉門......!?ようすけがやってくれたか!)


「フッ......開けたな」

シンの表情にはまだ余裕があった。

(攻めるなら今しかない......!)


「仕方ないか......!龍解!!!」

こうきの体を龍の鱗が覆う。しかし、その影は龍の姿ではなく人型であった。

「【ザ・オリジン】……!」

田中こうきの奥の手【龍解:ザ・オリジン】、ドラゴン族の能力を最大限に引き出す姿である。その姿は青き鱗を全身に纏った人の姿の龍とでも呼ぶべき形態。長く伸びた髪のうねりは更に増し口からは牙が生えるなどなど怪物といった印象がより強くなっている。また尻尾が生えているのも特徴で人間時にはないその長い尻尾は単純な手数だけでなく跳躍などにも活かされてる。

「白神竜の鉄拳!!!!」

こうきの攻撃をシンが防御する。

「…………!?」

こうきの攻撃は防御を押し通しシンを吹き飛ばす。

(このパワー……!恐らくはヤマトタケルに近いモノだな……だが……)


「その出力……かなりの魔力消費だろう……長くはもたん……捨て身という訳か」


「タダで捨てる気はねぇよ……!」

こうきがそう言い構えると、シンが不敵な笑みを浮かべる。すると黒い痣が浮かび上がる。

「【七つの大罪(ディザスター)】……!!」

シンからは膨大な魔力が溢れかえる。

「ならばこちらも本気で行かんとなぁ!!無作法ってもんだろぉ!!」

圧倒的な魔力を前にこうきは足がすくむ。だがこうきは覚悟決めて立ち向かう。互いの攻防が行われる。目で負えない速さで交わる攻撃は次第に激しくなる。そして、チャンスは訪れる。こうきは見逃さなかった。シンが見せた隙を。こうきは力いっぱいの魔力を拳に込め殴り掛かる。しかし、その隙はシンによる罠だった。こうきの攻撃は虚しくも避けられる。

「くそっ……!!」

シンは勢いのまま手をこうきの胸に当てる。

「【ブロッカー】……」


「…………!」

こうきの上半身はバラバラに切り刻まれる。一瞬の出来事だった。残った下半身はその場で倒れる。シンの足元には大量の血が流れ始める。【ブロッカー】、シンが政府直属部隊に所属していた頃に討伐した魔獣のユニークスキルである。その能力は格子状の斬撃を放つという至って単純なもの。切れ味は飛距離によって変わり短ければ短いほど良くなる。膨大な魔力を持つシンによる至近距離の【ブロッカー】は人を簡単にバラバラにしてしまう程の出力だった。


──────────


(なんだ…………?今何が起こった……?)

目の前でバラバラになるこうきを見て状況を飲み込めないようすけは立ちすくんでいた。ようすけは伊藤の攻撃をもろに食らってしまう。

「よそ見とは……!舐められたもんだなぁ!!!」

ダメージ受けたようすけはようやく目が覚める。

(そうだ…………落ち着け……こうきが殺られた今……シンも相手する事を考えろ……とすると、体力は温存したい……が、相手は魔人となった伊藤……。魔人……悪魔と同等の実力を持つとされる魔獣の上位種……!それを相手に温存なんて選択肢は無い……!!……仕方ない)

伊藤はようすけから溢れ出すただならぬ気迫に気づく。

「【逆転リバース】…………!」

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