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ある小さな物語  作者: どこぞのゴリラ
season2
22/23

season2 10話再来の魔女

(何だ…?こいつの異様なまでの魔力量は…)

小島は冷や汗を垂らす。

「【災害歩行ベートーベン】…それが私のユニークスキル」


「聞いちゃあいねぇのにご丁寧にどうも」


「わりぃ……助かった。せんきゅな」

ひできが攻撃を受ける直前、はるこが霧を発生させ光の屈折による擬似的な分身を作り出していた。

「いいよいいよ。君はここを離れて他の場所の応援を頼むよ」


「わかった!」

ひできがその場を離れようと足を運ぶ。

「行かせるかよォ!岩弾ロックガン!」

小島が圧縮された岩の塊を勢いよく放つ。

噴火イラプション!!」

地面からマグマが勢いよく噴火し岩を溶かす。

「………」

小島が驚き言葉を失う。

「私の能力は災害を自発的に起こす事ができる。例えばこんな風にね!」

そう言うとはるこは竜巻を小島に向かって放つ。その竜巻は龍の如くうねっていた。

「そして、その事象はあらゆる物理法則を無視する!」

小島は小さな岩をいくつか作り出す。

「サイズ!」

岩はみるみる大きくなる。小島は竜巻から身を守るとその岩を変形させる。

「巌龍!」

はるこは軽々と避ける。

(今のは別のスキル……これは嫉妬の能力…【譲渡ギフト】が関係してると見て間違いないようだね……)

はるこが考え込んでいると小島が口を開く。

「そんなに俺のスキルに興味があるのかぁ?」


「えぇ……ものすごく。」

はるこが余裕の笑みを浮かべる。

「なら教えてやるよ。能力は至って単純、無機質な物のサイズを変える能力さ」


「なるほど…6年前、隕石を生成したって報告があったけど…それはそのスキルが正体か」

小島が見破られ笑みを零す。小島ははるこに急接近して拳に岩をまとい殴り掛かる。はるこは素早く反応し小島の拳を受け流す。そして、はるこは小島を地面に叩きつける。

「なっ……!?」


(こいつ……体術もいけるクチか……!それにこれは……)


「魔力強化……!」

小島がはるこを強く睨みつける。

「もっとスキルを生かさなきゃ……そうしないと、私には勝てないよ」


───────開戦───────

【グロンディステーンバッド】

結界が小島とはるこを囲う。はるこは思わず笑みを浮かべる。


─────休戦─────


はるこが休戦を発動し、結界が乱れる。しかし、結界の乱れは直ぐに収まる。

(持って3秒かな……結界の完成度がすごく高いね……)

小島が攻撃に移る。次々と岩を生成していき、はるこに隙を与えない。はるこが地面を火口に変化させ、噴火を起こす。その攻撃は小島に直撃し、ドロドロに溶ける。

(開戦には2つ種類がある……1つは結界そのものに効果を付与、そして2つ目は結界内での一時的なスキル進化……!これは……)


「後者か……!」

はるこは今絶好調に達していた。その目線の先には小島がおり、溶けたのは岩で作られた小島の分身コピーだったのだ。

(本来構築スキルでは不可能な生命の付与……!それを可能にするか……!)

はるこは小島の一撃をもろに食らう。

「やるねぇ………ならこっちも本気で行こうか!換装!」

はるこが武器を顕現させる。

「【明星アルダン】」

数千のルーンが刻まれた鉄球状の神器は、はるこの周囲を衛星のように回る。はるこは竜巻を起こすと今度は噴火を発生させ、ふたつの災害が混ざり合う。すると炎の渦が生まれ、広範囲の攻撃を繰り出す。小島が生成したものは全て壊され、本体である小島が姿を現す。

「この神器はねスキルの特性を無視して融合させることが出来るの」

神器、代々継承されている武器の事。神器を継承している家系はスキルも同様に継承しており、この家系は国に重宝され貴族の部類に置かれる。しかし、遠縁で一般家庭出身の秋本はるこに継承され開花した。はるこは政府直属部隊に就くことを条件に神器、「明星アルダン」も継承した。はるこは小島との距離を縮め、攻撃に移る。

地震クエイク!!」

小島に強い揺れが襲う。

「……!?」

小島は体勢を崩す。はるこはニヤつく。

「ダウンバースト......!」

激しい攻撃を受けた小島は結界の精度を保つことは出来ず、はるこの攻撃によって結界を破壊される。

「......」

小島は体力を消耗し言葉を失う。

「さて、続きを始めようか」

はるこが再開しようとしたその時だった。

「お前は強いよ......だから、俺も全力で行かせてもらう!」

小島は構えを取る。

「......!この圧......」

はるこの目に映ったのは、7年前以降感じたことがなかった()()()を揺さぶる小島の姿だった。


─────奥義─────

乱撃衝クレイジーラッシュ


小島が宙を殴ると無数の打撃波が飛び交う。奥義、ユニークスキルに頼らずに己の磨いた技をぶつけるというもの。ほとんどの人間はノーマルスキルをベースとしている。例に挙げるとりょうたの奥義「新時代オーバーワールド」はノーマルスキル「神速」がベースである。

「......君に出会えて本当に良かった」

はるこはそう言うと神器を空に上げる。

「......極大魔法ファイナルフェイズ

極大魔法ファイナルフェイズ、奥義に対してスキルを最大限まで活かしてぶつける大技。奥義ほど取得難易度を高くないが、その威力は大きく左右する。

「【Volzeos(ヴォルゼオス)-Balamord(バラモンド)】」

はるこの上空には光をも通さない禍々しい黒い塊が渦を巻いていた。両者の技がぶつかると強い衝撃波が街を襲う。近辺の住宅は衝撃で倒壊する。その間小島は思い出していた。


──────────


「1人、警戒する必要のある者がいる」

そこは以前シン達が拠点としていた場所だった。作戦会議をしていたのはシン、小島、くるみの3人だった。

「秋本はるこね」

シンの言葉にくるみが答える。

「秋本はるこ......確か6年前に実際にったんだっけか?」


「えぇ、とても強かった.....私じゃとても相手にならなかった」

小島の問いにくるみは記憶を振り返りながら答える。

「少なくとも、当時のひびきやみさこを超えていたわ」


「いや、それだけじゃない。ヤツの実力は既に隊長クラスだ。それでも隊長にならないのはあくまで契約での所属だからだ」


「契約ぅ?」

小島が聞き慣れない言葉に反応する。

「ヤツが政府についているのはあくまで神器【明星アルダン】を継承する為だ。正式な試験も受けてない。だからどれだけ実力があろうと隊長に就かせるわけにもいかないんだろ。実力的には田中こうきと同等かそれ以上だ」

すると、小島が思いついたようにフッと笑う。

「要するに、そいつに勝てば田中こうきにも勝てるって訳だろ?」


「そうだな。だが気をつけろ?俺も対峙したことは無いが話だけでも相当の実力だからな」


「............」

くるみはシンの発言に強い違和感を覚える。

「わーってるさ♪」


──────────


小島が生み出した打撃波ははるこの魔力に飲み込まれる。その勢いのまま小島は飲み込まれていく。その表情は満面の笑みだった。そのまま魔力は地面に接触し強い爆発を起こす。爆発の後は大きな穴があき、そこは見えないほどに削られていた。

─────

〜本部〜

「えぇ、そう......わかった。こちらから手配するわ」

本部の長い廊下を報告の電話を受けながらが歩く人影があった。その正体は政府直属部隊一番隊所属の赤石あおいだった。あおいは地下に繋がる階段を降りていく時だった。

「............!?」

あおいは頭に強い痛みを覚える。すると、あおいは再び歩き始める。

(身体が勝手に......!)

気付くとあおいは大きな結晶の前にいた。

(これは......アモンの封印石......!)

その結晶は強欲の罪アモンの魂を封印しているものだった。あおいは無意識の内に結晶に手のひらを置く。その瞬間あおいは何かに襲われる感覚に陥る。その瞬間結晶が粉々に割れる。あおいは驚くも束の間意識を失う。あおいの首元には黒い紋様が浮かび上がる。あおいは再び立ち上がり本部の外へと向かう。

「赤石さん!ご報告が!」

外へ向かう途中本部の職員があおいに話しかける。すると、あおいは職員の首をはねた。辺りには血が飛び散り、真っ赤に染まる。

「この気配......憤怒サタンか」

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