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ある小さな物語  作者: どこぞのゴリラ
season2
20/23

season2 8話人とヒト

「よしっ…こっちも始めるとするか…ゆうと」

と伊藤がゆうとに言うと動き出す。

「動くなっ!」

そこに現れたのはようすけだった

「勝田ようすけか……ツいてないな」

伊藤は焦ることなく落ち着いた様子だった。

「伊藤、ここは俺にやらせろよ」

ゆうとが前に出る。

「……ここは任せる」

少し悩むが伊藤はゆうとに任せる。

「一つ聞かせろ、小山田ゆうと。お前は何故そっちについた?」

「強さを求めるのに理由って大事か?」

ゆうとは疑問に思うことなく自分の考えを話す。

「そうか……」

ようすけはそう言うと手をかざす。

平家星ベテルギウス!」

レーザー光線のようなものが幾つもに分裂しゆうとを攻撃する。ゆうとは足元から根を次々と生やし攻撃を防ぐ。根はどんどん粉々になっていく。

(押されてる……そりゃそうか、相手はあの勝田ようすけなんだ……)

魔獣使い(ビーストテイマー)!」

ゆうとの影が広がる。

「なんだ?」

ようすけは影から何かが近付いくるのを察知する。

大蛇オロチ!」

影から巨大な蛇が現れる。

「……!?魔獣……!?」

蛇はようすけに勢いよく突っ込む。

星々の矢(サギッタ・ステッラエ)

光り輝く矢は蛇の体を塵にする。

「魔獣を従えるスキルか……」

(スキルを2つ所持している…七つの大罪(ディザスター)の影響か……)

「……が問題無し(No problem)だ」

ようすけは再びスキル『平家星ベテルギウス』を使用し、攻撃を仕掛ける。ゆうとは影から魔獣を何体も出現させ、攻撃を防ぐ。魔獣は次々と粉々になっていく。

(裁き切れない……!)

ゆうとはようすけとの圧倒的実力差に勝機を失う。


──────────


「……やっぱ駄目か」

ゆうとを横目に伊藤は建物の屋上にいた。

「それじゃあ始めるか」

伊藤が魔力を解放する。

「মুক্তি দিয়া」

伊藤が唱えると、そこかしこに光の十字の柱が立つ。それを見て伊藤は不敵な笑みを浮かべていた。


──────────


「……!?」

ようすけがいち早く異変に気付く。

「よそ見してんじゃねぇよぉ!」

ゆうとの根の攻撃がようすけを襲う。攻撃は直撃し、ようすけにダメージを与える。

「……チッ!」

体勢を崩すようすけに魔獣が襲いかかる。

「洒落臭い……!」

ようすけの攻撃が魔獣を粉砕しそのままゆうとに向かって一直線に進む。

「……っ!」

ゆうとは反射的に手を前に出す。

強制終了シャットダウン

当たる寸前、ようすけの攻撃は無効化される。ゆうとの後ろから伊藤が歩いてくる。

強制終了シャットダウン……話には聞いてはいたが想像以上に厄介だな……)

「それなら直接叩く……!」

ようすけは伊藤に接近する。

星々の怒り(シュヴァルツ)!」

ようすけの腕の表面には銀河が写りこんでおり、魔力が集中していた。ようすけの速さに追いつけなかった伊藤は咄嗟に魔獣を頬と拳の間に割り込ませる。

(魔獣……!やはり人間を魔獣にさせる能力か……!)

ようすけは一瞬で気付き、そのまま魔獣を粉砕し伊藤を殴り飛ばす。

「グフッ……!」

ゆうとが咄嗟に根でようすけを攻撃するが、その攻撃は全て避けられ目の前までの進行を許す。

「これで終わりだ……!」

ゆうとは最大本数の根でようすけに攻撃をする。

「ぐっ……!」

ようすけの拳はゆうとの腹を貫いていた。その背後には伊藤が立っていた。その手には試験管を持てるだけ持っていた。その試験管の中のものが膨れ上がり剣のような形に変形する。その剣は一斉に放たれる。ようすけはすんなりと避ける。

「魔獣化させた人間は変形させることが可能なのか………」

伊藤は核心を突かれた気分にニヤリとする。しかし、そんな伊藤にようすけは攻撃を繰り返す。伊藤とようすけの攻防は続くが攻撃を受けていたのは伊藤だった。伊藤は意識が飛びそうになっていた。そして、伊藤は倒れる。

「………」

「この魔力の数……発生した魔獣の数は4000余りか……俺も早く応戦しなければ─────」

その場を離れようとするようすけに拳が飛んできていた。咄嗟にようすけは防御をしたがその攻撃の重さに怯む。

「……っ!?何者だ……!」

目の前には自身にスキル『百鬼夜行』を発動した伊藤だった。その姿は剥き出しの筋繊維の人体に筋肉を模した甲殻を縫い付け鎧のように纏った怪人のような風体であり、尻からは長い尾が、背中からは上半身と同様の大きさを持つ翼があった。顔自体も目鼻の代わりに皮膚のような仮面を縫い付けられており、口以外の顔のパーツがない不気味な風貌と化した。その正体は魔獣の上位種、『魔人』だった。

「……人であることを辞めたか」

伊藤からは先程の比べ物にならないほどの魔力が溢れ出していた。

破壊デリート

破壊デリート』、3000年前の魔王『憤怒の罪 サタン』が生み出した攻撃スキル。その破壊力は凄まじい物で他の魔王がこぞって使い出した。そのスキルは魔人にも伝わり瞬く間に広がる。人間にも伝わったが、使うと短い間に死んでしまう呪いがあった為使用を禁止した。しかし、スキル『七つの大罪(ディザスター)』を所持する者は例外に呪いを受けない。

流れ星(シューティングスター)!」

2人の技が相殺する。再び2人は拳での攻防が繰り返される。

(強い……!さっきまでとは桁違いだ……!)

「ユニークスキル……『俺の為の隙(ヘスペルス)』」

魔人となった者はユニークスキルを新たに得る。伊藤は今全部で3つのユニークスキルを有した。一瞬にしてようすけはみぞうちを殴り飛ばされる。

(何をされ……!)

ようすけは一瞬の出来事に戸惑いを隠しきれなかった。

(ヤツは確かに俺の視界に居た……なのに一瞬で……まさか……!)

「瞬間移動か……!」

ようすけがそう言うとようすけの目の前に居た筈の伊藤は背後に居た。

「不正解」

ようすけは再び殴り飛ばされる。

(俺のスキル『俺の為の隙(ヘスペルス)』の能力は……『時間停止』!僅か……1秒だが……今の俺ならそれで十分……!)

平家星ベテルギウス!」

ようすけが光の弾で飽和攻撃をする。

「無駄無駄ァ!!強制終了シャットダウン!」

ようすけの技はかき消される。

「あんたのスキル……『森羅万象コスモス』は……この俺が完封した!」

伊藤は自分の勝利を確信していた。

「そいつはどうかな……?」


─────開戦─────

焼鈍烈日しょうどんれつじつ

伊藤とようすけが結界に囲まれる。

「暑っ……」

その中は灼熱のような暑さであった。

「俺相手に開戦を使うとは……馬鹿か?」

伊藤はスキル『強制終了シャットダウン』を使用しようと魔力を発する。

「……!?魔力が燃えている……?」

結界内の中心には太陽の様なものがあらゆる魔力を燃やしていた。それは魔力で形成された伊藤の装甲も例外では無かった。

「……くそっ!」

焦る伊藤を横目にようすけは素早く接近する。

星々の怒り(シュバルツ)!!!」

ようすけは伊藤の脇腹を勢いのまま殴る。

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」

伊藤は空高く吹き飛ばされる。

「くそがっ!」

伊藤は反撃に出ようとスキルを発動しようとする。

「…………!?」

(魔力切れ……!?開戦の影響か……!)

そこにようすけが現れる。伊藤を見る目は『人を殺す目』だった。

「……あっ、……うっ……」

伊藤は目の前の死という恐怖に声が出なくなる。トドメを刺そうとした時だった。ようすけは突然の攻撃を受ける。

「……!?」

ようすけは咄嗟に攻撃を受け流す。

「鱒渕シン…………!」


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