season2 5話嫉妬の罪
「影爆発!」
先手攻撃を決めたのはレヴィアタンだった
「うっ!」
無数の爆発がシンを襲う。
「破壊!」
シンが攻撃を仕掛ける。
「破壊」
(同じ技……!)
2つの技は衝突し、激しい衝撃波を出す。休む暇もなく、シンが攻撃を仕掛ける。
「闇の突風」
レヴィアタンが黒い竜巻を起こす
「くはっ!!」
(くそっ……!歯がまるで立たねぇ…)
「憤怒の器にしては………弱すぎる」
シンを見る目はひどく冷めていた。
「………嫌な記憶を思い出させる」
レヴィアタンの目線の先にはりょうたがいた
「大丈夫か!シン」
「あぁ……」
「この魔力……りおか」
「……あの頃と比べたら微弱なものだが、間違いなく勇者の末裔だな」
りょうたが剣を構えると周りが明るくなる。光が収まるとそこには白い鎧をまとったりょうたがいた。
「聖装!」
「りょうた…その姿…」
「勇者一人で何ができるというのだ」
────アディショナルスキル────
「黒鳥」
レヴィアタンは巨大な黒い渦に飲まれ、そこから巨大な黒い鳥が姿を表す。
「影檻!」
巨大な鳥はそう叫ぶと地面から檻のようなものが現れシンとりょうたを閉じ込める。その隙に飛び立ち、何処かへと向かう。
「……狙いは本部か!」
りょうたが気付くと直ぐさま檻を切り刻み後を追おうとする。
────本部────
「……なんちゅー魔力だ。こっちに来るぞ!」
こうきがその場にいる人間に呼びかける。
「おい……あれって!」
ひびきが指を指した先には巨大な鳥が飛んでいた。
「なに……あれ……魔獣……!?」
くるみが驚愕する。
「影矢!」
巨大な鳥が翼をはためかせると無数の矢がひびき達を襲う。
「……っ!付与結界!」
魔力の結界がひびき達を守る。だが、1度受けると結界はガラスのように割れていく。
「くそっ!真魔竜の咆哮!!」
攻防が繰り返される。すると鳥が解けるように消えるとそこから人の姿が見える。
「りお!?なんで!?」
こうきが驚いた顔をして叫ぶ
「どうなってやがる……?」
ひびき達は困惑する。
「時間切れか……」
レヴィアタンが余裕のある表情で言う。その瞬間横からみさこがレヴィアタンに殴り掛かる。レヴィアタンは咄嗟に腕を前に出す。
「羅先!!」
すると、みさこの魔力は紅く輝く。
「……くっ!?」
みさこの攻撃は芯まで効き、レヴィアタンが怯む。
「造形:槍!」
無数の槍がレヴィアタンに襲いかかる。
「何してんの!?このままじゃみんな死んじゃう!」
みさこが呼びかけるとこうきがハッとする。
「今は倒すことだけを考えろ!りおを助けるためにも!」
「応!!!付与:筋力上昇!」
ひびきは鉈を振り下ろす。それをレヴィアタンは腕で受け止める。
(これは……!魔力強化……!)
その腕が切れることはなかった。
「付与系のスキル使いが直接叩くのか……時代も変わったな」
その顔は笑っていた。
「火竜の鉄拳!」
レヴィアタンにこうきが殴り込む。その拳は虚しくも受け止められる。
「……黒桐」
こうき達の目の前に黒い渦が現れる。
「……やばい!?」
────────────
「やっと追いついた………」
シンが息を荒げて言う
「随分と遅かったな、憤怒の器……さぁ続きを始めようか」
「なんだ……これ」
続いて追いかけていたりょうたが驚愕する。その場には倒れているひびき達がいた。
「……破壊」
シンは怒りを押し殺して冷静に技を出す。しかし、一度通用しなかった技を撃ったシンは既に冷静では無かった。
「戦いにおいて冷静を失ったものから死んでいく………破壊」
2つの魔力が衝突する。
すると、レヴィアタンの背後にりょうたが姿を見せる。
(奇襲……!!)
レヴィアタンはりょうたに切られる。
「カハッ……!!」
レヴィアタンは血を吐く。
「ブレインショック!!」
シンは自身の指に走る電撃でレヴィアタンを気絶させようとする。
「暗影領域」
レヴィアタンを中心に地面が黒く染っていく。
(なんだ…?何をされ…)
その瞬間シンは血を吹き出す。
「ゴフッ……!?」




