season1 1話初恋
〜2021年〜
「よかったら……花火、行かない?」
中学生の鳥島 こうたは、1人の女子を花火大会に誘った。名前は「江川ゆうり」という。
「い、いいよ………」
返ってきたのは意外な答えだったこうたが驚いていると、ゆうりに「なんで驚いてんのー?」と笑われてしまう。こうたは人生初のデートになった。そして当日。待ち合わせ場所に行くと、浴衣姿のゆうりがいた。その姿を見てこうたはドキドキしていた
「めっちゃ似合ってる!」
「ありがとう!」
「それじゃあ行くか」
「うん!」
2人は花火大会の会場へと向かった。会場に着くと人混みで溢れていた。
「凄い人だね」
「そうだな……ってあれ?」
「どうしたの?こうた」
「ゆうり……なんか距離近くない?」
その通り。2人の距離は肩が触れ合うくらい近いのだ。
「えっ!そ、そんなこと無いと思うけど……」
ゆうりは顔を赤くしながら答えた
「まぁいいや……とりあえず花火の場所取りに行こっか」
「う、うん」
しばらく歩いて行くとこうたはちょうど良いスペースを見つけた。そこにシートを敷いて座った。すると、ゆうりが口を開いた。
「ねぇ……こうた」
「ん?」
「手繋いでもいいかな?」
「あ、ああ……」
そう言って2人は手を繋いだ。こうたが触れたゆうりの手はとても温かかった。二人はそれから花火が始まるまで色々と話をしていた。しかし、途中でハプニングが起きた。
なんとそこにはクラスメイトのシンがいた。
「おっ!こうたじゃん。それに…」
シンはニヤッとして言った。
「ゆうりも…あー…そういう事ね。まぁお二人さん楽しんでや」
そう言いながらシンはどこかへ行った。そして2人だけになり気まずい雰囲気になるとゆうりは立ち上がり
「そ、そろそろ他のところ行こっか」
「お、おう!」
こうたがついて行こうとした時だった。ゆうりが足を滑らしてしまったのだ
「きゃっ!!」
「危ない!!!」
ゆうりが転びそうになった所をこうたが抱き抱えた。
「大丈夫か?」
「う、うん……」
「気をつけろよな…」
こうたが少し頬を赤らめて言う
「もう平気……は、離してもらっていい?」
「あっ……悪い!それより足怪我しなかった?」
「うん。大丈夫」
「良かった……」
「心配してくれてありがとね」
その後2人は花火を見終わった後一緒に帰って行った。帰り道の途中こうたは思った。
(いつか……必ずゆうりに気持ちを伝える)と。