~天下無双のハルベルト~
第2撃 トネリコ
ハルベルトは街の武器屋を出て、街はずれに居た。
そして、声を出す。
「男よ。」
「おっ?おれの尾行に気づいたのか!」
そうして、トネリコの槍持つ男、さっそうととびかかる!
ハルベルトは思った。この者、良い男かもしれない。
—――まずトネリコ男の1撃、ハルベルトの頭を狙うが、ハルベルト、偶然にそれをよけられる。
―――さらにトネリコ男2撃、すばやい男、ハルベルトの頭に入れ込むが、ハルベルト、見切り、すんでのかわし身。
—――だがトネリト男は諦めぬ、諦められぬ!1撃!狙いは胴!だが完全に態勢を整えたハルベルト、大きくかわして優勢!
—――ハルベルト、返しの1撃!トネリコ男のトネリコの槍は、完全にふきとばされる!
そして—――ハルベルトの返す刃の1撃が、トネリコ男のクビにせまった。
ここまで—――6撃。
「あああっ!なんでだ!?俺のトネリコが!!」
「おちつくと良い。」
「あああっ!おれ、死んじまうのか!?」
「死なないさ。」
「なんでだよ!?」
「それは、俺の名前がハルベルトだからだ。」
「オレは、トネリコ。トネリコ槍の男さ。俺の自慢のトネリコの木の槍!ふきとばすなんで、あんまりじゃないか!」
「トネリコよ。」
「なんだい?」
「始めの1撃。」「何か違えば。」「死んでいたぞ。」
「俺の—――仲間になれ。」
「えええ!?いいのかい?うれしいなあ、あのハルベルトの仲間になれたぞ!」
「なぜ俺に攻撃を?」
「それは、あの投槍男に、お金を貰えると聞いたからさ。俺は、金持ちになりてえんだ!金をたくさん手に入れれば、やりたい事がなんでもできる!」
「そうか。ところで、トネリコよ。」
「何か言いたい事でも?」
「金を得る代わりに、俺は死ぬわけだが、それはいいのか?」
「それはいいわけさ!それはそういうもんさ。俺だって、死ぬかもしれない。俺だって、槍を持っているのさ。俺は、そう思っている。」
「ナンジ。」
「ああ。」
「男だな。」
ハルベルトは、トネリコ男のトネリコの槍を持ち、こう話した。「良い槍だ。俺のハルベルトとは、違う良さがあるな。」槍を受け取ったトネリコはこう返した。「ありがとうハルベルト、俺、仲間になるよ。ハルベルトの槍は、俺のより大きくて、長くて、強いと思うが、俺のトネリコの良さっていうのは、どういう物なんだい?」ハルベルトが言う言葉があった。「ナンジのトネリコの良さは、普通のことだが、素早いことだろうな。」トネリコはこう返した。「ははは、俺はチビだからな、トネリコは小さい槍さ。ハルベルトは、大きい槍をものすごい速度で振り回すようだが?」
ハルベルトは思ったことをこう告げた。
「ナンジ。」
「うん。」
「俺は、槍が好きなのさ。」
「ははは、そうかい、俺もさ。よろしくな!ハルベルト!」
「ああ。運命的さ。」
ああ、この大男、6撃で決める男。
その名、ハルベルト。この物語の、主人公。そして、運命の大斧槍男。
こうしてハルベルトは走り始めた。
第2撃 トネリコ —終—