表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/40

因果の壁

 ここまでご覧いただきありがとうございます。


 4/9は18時19時20時21時22時と5回更新予定です。


 お手数おかけしますが何卒よろしくお願いいたします。

「アルタイル…因果の壁って知っているか?」


 父は俺に話しかける。だが俺から父の顔は見えない。


「何、それ?」


「時間を操って過去や未来に行こうとしても、同じ存在は拒絶する壁のことさ。」


「よくわかんない…」


 俺は父が何故こんな事を話すのかよく分からなかった。


「例えば俺が死んだアルのお母さんを、死なない様に助けに行こうとしても、過去に俺がいたら同じ俺はそこには行けないのさ」


「じゃあ同じじゃなければ良いの?」


「分かんね。まぁよほどの覚悟が無ければ時間を超えるなってことさ。世界の因果から拒絶されるとどうなるか俺にもわかんねぇからな。」

 そう言って父は左腕の傷を撫でた。


-------------------------------------------------------------------------------------


「アルタイル…アルタイル…」


 俺はベッドで眠っていたようだ。どうやら回復が行われたようだった。


 ここは…どこか病院の様だ。という事は、あの後シリウスの街まで運ばれたのだろう…


 レオ・ヴァルゴ・ベガは3人とも心配していた。


 起き上がった俺を見てベガが俺に抱き着いた。


「アル…私心配していたんだよ?起きてくれてよかった。」


 ベガの緑色の綺麗な瞳から涙があふれた。


 俺は抱き着くベガを抱き返す。それを二人は見守っていた。



 しばらく時間が経ち彼女を離し、2人に聞いた。

 

「インキュバスは?」


「あいつは跡形もなく消えたさ。たいていの魔物ならば、浄化されても姿は残るはずなんだがな…」


 レオは深く考える事は苦手だが、それでも何かを考えていたようだ。


「アルがあそこまで苦戦するなんて…魔王以上じゃない?んんん。」


 ヴァルゴも何かを考えていて言葉に詰まっていた。



 まったく利益の無い戦いだった。唯一利益があったとすれば、俺が弱かったことが分かった事だろうか?

 いや俺以上の強い奴がまだいるって事が分かった事だ。


「ベガは大丈夫なのか?」

 俺はベガを心配している。俺だと思っていた奴がインキュバスで、魔力を奪われていたのだ…


「私は大丈夫ですわ…ただアルの怪我の方が心配ですわ…」


 優し気な婚約者の声…魔法にでもかかっているかの様に、その声を聴くだけで安心してしまう。



-ベガが無事で何よりだ…無事?いや


 俺は少し聞きたくないが聞かざるを得ない質問をする為口を開ける。


「ちなみに………いつから昼間から……その…裸で…」


 俺は言葉に詰まりながら…聞くべきではないと分かりつつも、魔力をどれだけ奪われたかが気になってしまう。


 ベガは顔を赤く染めて恥ずかしそうにする。

「その……あの………1ヶ月前から……ほぼ毎日……」


 顔が真っ赤のベガの姿は凄く可愛らしかった。


-この姿をこんな質問した時じゃない時に見たかった…


 俺がいない間に1月の間、魔力を奪われてた…


 俺は唖然とした。そんなに長い期間気付く事が出来ていなかったからだ。



-クソ、俺は何でもっと早く気付かなかったんだ?もっと早く気付いていたら…


 魔力を1ヶ月も奪った相手は強かった。だがここまで苦戦することは無かったかもしれない…


「とりあえずプロキオン王に報告しましょ。うんうんうん。」

 ヴァルゴの提案は最もだった。皇女の魔力が奪われ、最悪の場合殺されるところだったのだ。


「アルも無事だったんだから、あんまり考えすぎないの…考えると知識熱で再入院することになっちゃうわよ…」


-ヴァルゴは優しいな…


「今日は一杯飲む雰囲気じゃあねぇな…」

 レオは強敵と戦えて満足はしているようだった。しかし後味が悪く、どんよりする空気の中バツが悪そうにつぶやいた。


-レオとは勝利の美酒を味わいたかった。


 

 話が終わるのを待っていたかのように、部屋に医者と看護師が入って来た。

 そうして回復魔法をかけてくれる。


「この貫かれた場所、少し傷が残るかもしれないねぇ…」


 医者の言葉に俺はインキュバスの腹のあたりに傷があった事を思い出した。


「先生程の名医であれば、きっと傷は残りませんよ。きっと…」

 俺は優し気に微笑んだ…


 この時不安だったかもしれない。あのインキュバスの事が頭から離れなかった。



「じゃあ怪我が良くなったらまた飲みに行くぞ。」


 そう言ってレオ達は一通り俺達をに付き添ってくれた後、日が暮れて2人は帰って行った。


 ベガはシリウス城に帰る事になり、衛兵たちが迎えに来た。





 一人になった寝室で俺は考え事をしていた。


「俺はこんなにも無力だったんだな…」

 魔王を倒せたからとおごっていた…魔王を倒し平和にしたはずなのに、まだ強い魔物は存在したのだ…

 それを知れてよかった…


-愛する人を守れなければ、強さなど意味がない…

 インキュバスの言ったあの時の言葉がやけに頭の中に残っていた。


「本当にその通りだよ…」


 もっと強くならなければ、ベガや仲間、国を守れない…

最後まで読んで頂きありがとうございます。


初投稿である為、改善の余地は多々あります。


もし少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、


差支えなければブックマーク・いいねを頂ければ幸いです。


あなたが神であるならば、

↓の☆☆☆☆☆から評価をつけて頂ければ幸いです。

(読んでくださった人は自分にとっては神様です。)


評価ポイントはモチベーションになります。

頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張ります。


これからもどうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ