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何を言っているか分からないと思うが『俺の婚約者』が『俺』に寝取られた  作者: 社畜マー
『俺の婚約者』が『俺』に寝取られた。
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『空間操作』対『時間操作』

「やっぱ一筋縄ではいかないか…」


 カースドは呟いた。


「クソ…」俺は呟く。右腕からはポタポタと血が流れる。


 俺はカースドに斬られる直前に右手のツクヨミを使って空間移動する。だが間に合わず、右腕が斬り落とされてしまった。


-ギリギリかわせたが、もう空間移動は使えないか…


「お前がヘマをしたせいで、俺が自分を呪った意味もなくなった…配下の魔物が全滅した事でサキュバス・クイーンがシリウス国に攻め込むだろう…もう終わりだよ…」


 カースドは憎々し気にそう言った。ヴァルゴが目立ち過ぎてしまった…


俺に再び斬りかかって来る。カースドはこの世界が救えないと思い、全てを諦めて八当たりをしているのかもしれない…


「時を駆けろ、アマテラス…」


 左腕があれば十分だ…俺は近くの空間をアマテラスで斬りつける。


-左手でアマテラスを使うのは久しぶりだ…


未来のカースドがアルドラと戦っていた時のスタイル…

その速さはアルドラでさえ凌駕出来る可能性がある。


 アマテラスを使い時を圧縮した。つまり俺は時の圧縮を用いて、高速移動が出来る。



 アマテラスで時間を裂き、そこを通りながらカースドに向かう。


-今の俺は…


時の圧縮による加速は段階的に速くなる。ツクヨミを使うウノバレットとは比べものにならない程に…


 俺はカースドの左腕を斬りつける。その瞬間、カースドは左手に持っているツクヨミを落とす。


「クソ、油断した。」


 カースドは片腕の俺に余裕で勝てると思ったようだ。だがこれは俺自身がデネブを失った時に封じた姿…


俺が制御しきれず、周りを傷付けてしまう力…


 カースドは右手にアマテラス、俺は左手にアマテラスを構えている。


『空間操作』と『時間操作』の戦い合いになろうとしていた。


「空間を裂け、アマテラス」


 カースドは空間を裂き、空間移動を用いて俺に攻撃しようとする。だがもう攻撃は俺には当たらない。


「時間を駆けろ、アマテラス。」


 俺は空間移動を超える速さでカースドの攻撃をかわす。


-もっと…もっと加速しろ。


 俺が時間を圧縮することで、その圧縮した時間を使い俺はどんどんと加速することが出来る。


-音を超えたか…


 それは俺の無数の分身が出来る程…肉眼では追えないレベルの速さ。


 カースドは俺の残像を攻撃し始める。もはや彼自身にはこの速さは追えないようだ。


ガキンッ


 俺の攻撃はカースドに防がれる。


「いくら残像が残ろうが、俺に攻撃するのは一人だけだ!!」


 なるほど、しっかりと攻撃の仕組みを覚えているようだった。だが


 俺はカースドに攻撃しようとする俺の残像を無数に作る。


「これで終わりだ!!」


 カースドを行動不能にするために攻撃を仕掛けようとする。


「空間を裂け、アマテラス。」


「は…」


 俺はカースドの空間操作の力で罠を張られ、地面に自ら突っ込んだ…


 空間操作の力で地面とつなげる事で、俺は自らの高速移動で自滅した事になった。


「お前の右腕を斬っといて良かったぜ…じゃあな…『俺』」


 カースドは俺に向かってアマテラスを振りかざそうとする。


 彼は天に向かってかかげた刀を俺の首目掛けて振り下ろそうとした。


 しかし俺はそうなる事を想定して、無数の分身をブラフとしてカースドの周りの空間をゆっくりと進む様に時を拡散していた。


 つまり俺の進む場所だけ圧縮した時間で加速し続け、カースドの周りは拡散した時間でゆっくりと進む様にしていた。


さっきカースドに攻撃を防がれた時に…


 俺はカースドがゆっくりと行動している隙に、その場から一瞬で立ち退く。


 勝負は拮抗していた…


「影魔法・ハイドラ」


 カースドは動きを止めた。透明になっていたヴァルゴが姿を現わした。


「ヴァルゴ…助かった…」


俺はカースドが拘束され、一息ついた。


「クソ、なんでだ…何で俺は頑張ったのにこんな奴らに邪魔されなければいけない…」


 カースドは悔しそうにしている。


「最後に教えろ。何故地下の魔物をあんな大規模な方法で殲滅するように言ったんだ?」


 カースドは俺に質問した。


「それは…」


俺が口を開く前にヴァルゴが口を開く。


「あれは私が独断でやったのよ…アルタイルが何かを隠していたから…」


「はぁ…意味が分からんぞ。スカルが地下に魔物がいると忠告していた時に、スカルに任せればよかっただろう?」


-あぁ…そう言うことか…


「なぁ…地下の魔物の正体を知っていたのか?」


「魔物の正体だと?」


 カースドは恐らくはスカルの忠告を聞いた際に、スカルに地下の魔物を殲滅に行かせた未来の俺だったのか…


「あいつらの正体は…」


 俺は地下で魔物を殺した時の事を思い出した…昔人間だった人…俺が助けられなかった人…


 俺は過去を思い出して涙を流す…そして口をつぐんでしまう。


「地下の魔物は、全てこの街の人間が魔物になった姿よ…」


 ヴァルゴが俺に気遣った様に、俺の代わりに魔物の正体を明かす。


「何故私が独断で行ったか…アルタイルが街の人間だった魔物を殺そうと…自ら汚れ仕事を率先してやろうとしようとしていたからよ…」


「アルタイルに街の人間を殺すと言う罪を背負わせたくなかった…だって貴方達は恐らく…」


 ヴァルゴは不安そうな顔をしながら俺達に事実を告げる。


「貴方達は今を変える為に、未来からやって来たアルタイルなのでしょう?」


 ヴァルゴは俺が…いや『俺達』が未来から来た事を見抜いていた…

目的は分からないにしろ…


「だったら協力し合えば、良い未来を作れるんじゃないの?」


俺は出来ればカースドと協力したい。だが…


「そうか…下水道の人間は街の人達だったのか…スカルには本当に悪い事をしたな…」


 カースドは絶望したように、アマテラスを地面に落とし、膝を落とした。


 カースドは大粒の涙を流していた。彼の未来ではスカルは魔物になった街の人間を殺し、ベガを殺してカースドに殺されると言う、悲惨な未来だったからだ…


「俺は…スカルに一番辛い役回りをさせたのかもしれないな…」


 俺は絶望したカースドに対してスカルの最後の言葉を告げる。これが良いかも分からないが…

「お前の知らない、俺が未来で経験した話だが…」


「スカルは『俺は貴方達に助けられて幸せでした。だから苦しんでいる人達を助けて下さい。』って言ってた。」


きっとスカルが俺に言いたかった言葉、それを伝える。



「今ベガを助けにトーラスとレオに魔王城に向かわせている。」



「俺はこれからアルドラと邪竜を何とかしに向かう。だからお前は俺の代わりにシリウスを守ってくれ…」


 ヴァルゴは心配そうに俺を見る。

「アルドラを…メンバーは?」


「俺一人でアルドラ達を制圧する。だからお前達が街を守ってくれ。」


 俺が考えていた皆が幸せになれる未来…


 俺がアルドラと邪竜の被害を止める為に、あいつらを制圧する。


未来のカースドでさえギリギリだった戦いだ…


 一人ならそれはきっと命掛けだ。でも『今』に戻る時に誓ったはずだ。


 ベガの隣に立つのが自分ではなかったとしても、彼女に幸せになって欲しいと…


邪竜達さえなんとかできれば、クイーンはきっとこいつらが何とかしてくれるだろう…


だから俺は俺が信じる最善の未来へ命を賭ける。


みんなが幸せな未来を生きるために。

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