血塗れのアビス
ここまで読んで頂きありがとうございます。
ここから数話、ちょっとエグいのを挟む為、苦手な方や心が疲れている場合は余裕がある時に読むことをお勧めします。
「ん?」
俺はいつの間にかシリウス城の地下にある大牢獄にいた…
「どこに行っていたんだよ!!」
レオやヴァルゴ、キュアリスとスカルは皆牢獄に収監されていた。
-ん?
更には先程見当たらなかったメイドやシェフ、城の従者たちも牢屋の中にいた。
-衛兵の姿は見当たらないな…
「お前達なんでここに…?」
街中で見当たらないと思っていたら、まさかの牢屋の中にいるとは…
「プロキオン王に今回の件を報告をしようとしたら、衛兵にここに連れられて来て…」
「少しお茶とお菓子を用意してるから、ここで待ってほしいと言われて…」
衛兵はいるのか?いやでもさっきは見当たらなかったぞ…
ハァっと溜息を吐いてヴァルゴは教えてくれる。
「で、後から空間操作を使ってここに来たお前に、今はここから出るな!!と言われておとなしくしていたところだ。で、そろそろ出ても良いのか?」
レオは退屈そうに俺を睨みつける。
-俺が来ていた?偽物か?
「そうじゃそうじゃ。ワシもお菓子が食いとうて食いとうて、手が震え始めておったところじゃ。」
-俺の偽物がこの状況を放置した理由は何だ?無意味に時間を稼いでいるのか?
俺は口元に右手を当てて考える。
「俺のやるべき事は…」
牢屋に入れた人間を放置してでも、俺一人でやるべきこと?
このままではベガの偽物が王位を得てしまう事…つまり王を護衛し王位継承の際に相手の正体をばらす事か?
牢屋の中で考え事をしていたら誰か地下に降りて来る足音がする。
「隠れて下さい…」
スカルは俺に小声で言う。右腕も再び無くなって『死』の力は発動しないでいるようだった。
-確かに俺は今この牢獄にいない人間だからな…
衛兵が数人来て、メイド達の収監されている牢屋のカギを開ける。
「今からお前たちにやって貰う事がある!!」
そう言って10人ほどのメイドに少し乱暴に手錠をかけて上に連れていく。
-サプライズパーティーの用意か?
だがそれなら手錠までかけるだろうか?
「何が起きているんだ?」
俺は少し嫌な予感がしていた。
先程衛兵がいなかった事といい…何かがこの城で起きている可能性がある…
いや、これから起きる可能性もある…
「ヴァルゴ…俺にハイド&シークを頼んで良いか?」
透明になる魔法をかけて貰い、俺は後をつけて確かめに行く。
城の一階に上がり…
門の近くにある衛兵たちの小さな宿舎にメイド達は連れられて行く。
そのまま宿舎に次々と入れられていく。
-メイド達だけで宿舎が一杯になるぞ?
まさかこれからメイドさんたちとあんな事やこんな事でもするのか?
と疑問に思いつつ、俺は窓の外から中を覗いた。
中には誰もいなかった。
-あれだけの人数、一体どこに消えたんだ?
俺は更に外から中を探る。するとテーブルの下に穴らしきものが存在していた。
地下室なんて宿舎にあるはずないのに…
胸騒ぎがしていた。この国に良くない事が生じている予感…
俺は誰もいないか確かめ、宿舎に忍び込み穴の中に入って行く。
-長い時間かけて作った穴の様だ…奥深くまで繋がっている。
そうして進んでいくと、王都の下水道にたどり着く。
-うわ…私のシリウス城欠陥ありすぎ?
どこかの広告みたいにふざけていなければやっていられない予感がしていた。半分やけだ…
先に進むと女性達の声が響いている…
「止めてぇ…私には婚約者がいるのに…」
「誰か助けてぇ!!」
先程のメイド達は沢山いる衛兵たちに襲われていた。
服を無理やり脱がされ、慰めものにされている…
「誰もここになんて助けに来ねぇよ!!」
「大丈夫。お前らも俺達みたいにすぐ気持ち良くしてやるから…」
衛兵たちの胸糞悪い笑い声が響いている。
-俺のやるべきことはこの子達を助ける事か…
「あああああぁぁん」
とある女性の断末魔の様な大きな声が響く。
「いや、いや、いやいやだぁ…」
その女性の体は青色の体に変色していく…翼が生えて角も生えていく…
-あの姿は…
女性はあっと言う間にサキュバスに転身した。
-という事は、あいつらの正体はインキュバスか?
インキュバスとサキュバスは人間の魔力と精力が枯渇した時、淫魔の魔力が空っぽの体に入り込み魔物へと転身する。
女性ならばサキュバス、男性ならばインキュバスといった風に。
彼らは淫魔となった後も、相手の魔力を吸って淫魔の魔力を注入することで、他の淫魔を増やしていく。
「なぁ気持ち良くなっただろう?」
衛兵たちは笑いながらサキュバスとなった女性に話しかける。
「んんん。もっとぉ」
そう言ってサキュバスとなった女性は、うっとりとした目をして衛兵の男性たちを襲い始める。
-つまりこの場にいるインキュバス達は皆、元は城の人間達…
俺はまだ淫魔となっていない女性を助ける事にする。だがこれは…
-元々は志が一緒だった同士を殺すという事だ…
盗賊ならば殺したことはある…だが元々罪のない人間を殺す事にためらいが生じる…
-今困っている人間を救うためだ…
淫魔となってしまえば、俺の時間操作とツクヨミでは元の人間に戻せない。不可逆なのだ…
ザシュ…
その音と共にアマテラスによって斬られたインキュバスは地面に倒れ込む。
透明になっていた俺が姿を現わした瞬間、インキュバス達は驚き逃げる者がいれば俺に向かって来るものもいた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
ただただ右手で刀を振るい、左手の銃で弾丸を放つ。
何回も何回も何回も何回も…
下水道はそのたびに赤く染まっていく。
衛兵に連れてこられたメイド達は、その惨状を見ない為に、目を閉じた指を組んでだひたすらに祈っていた。
-許してくれとは言わない…俺を恨んでくれて構わない…
今無事な人間を助ける為だ…
ごめんなさい
こうして俺は下水道を真っ赤に染め上げた…
涙で目が見えなくなっていた…
「俺は………」
ただ虚しさだけが残っていた…
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「あぁん、気持ちいぃぃ。」
ベガがベッドの上で喘いでいる。
アルタイルはベガに口付けをする。ベガもアルタイルも気持ちよさそうだ。
「ベガ愛しているよ…」
「私もよぉ…勇者アルタイルゥゥゥ」
ベガはアルタイルの首元に少し長い犬歯で嚙みついた。
アルタイルの首元から血が少し流れる。それと同時にアルタイルの体が赤く変色していく。
「これは?何が起きている?」
アルタイルは自らの変化をただ眺めている。
「淫魔側にようこそ!!勇者アルタイル様?」
ベガはニヤリと笑う。
アルタイルの体から大きな翼と角が生える。彼はインキュバスと化した…
「さぁて、これから人間達を滅ぼしましょうか?勇者様ぁ」
ベガは両手を顔に当て、妖艶でうっとりとした表情でアルタイルに向かって言った。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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