勇者の人生相談 ~3度目の正直~
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俺はいつものバーにヴァルゴとレオ2人とで飲みに来ていた。
「人生相談があるんだ…」
梅酒のロックを飲み干して俺は口を開いた。酔わなければ言えなかったことだ。カウンターのテーブルに両肘をつき、両指をクロスさせて重大そうな悩みな雰囲気をかもし出す。
俺は酔いも回ってか、深紅の瞳から少し涙がこぼれそうだった。本当に辛い相談なのだ。
「あっそ…」
両隣の2人は酔って楽しそうにしていたが、急に俺に落とされた爆弾によって真顔になっ……ていなかった。
左右の2人ともなんかすごくどうでも良い顔をしていた。
これは逆に俺が動揺した。悩みを言うべきか少し悩み口をつぐんで、少しの間テーブルを見つめていた。
時間が経ちグラスの氷が解けて水になった。このままではいけないと思い俺は意を決していう事に決める。
「じ……」
それを言わせないと、レオが先に先手をうってきた。
「はぁ、魔王スペルビアを倒した勇者アルタイル様の悩み事とか、たいそう大きな悩み事なんだろうなぁ!!」
レオは大ジョッキのビールを飲み干し俺を睨みつけ言った。
いつも通り左隣の人間が、スゥゥーっと俺のそばに近付き耳元で囁く。
「で、悩みは何なの?」
普通の人間だったら動揺してしまう、ヴァルゴの妖艶な囁き……ではない。
-ん?声が低く野太い…
俺はふと左隣の人間を見る。
俺はこれに動揺するしかなかった。なぜならその声の正体は…
「プロキオン王?」
-え、いつの間に…
レオも動揺している。トイレから戻ったヴァルゴも、自分が席に座っている王の姿に驚愕していた。
「やっほ!!」
いつも通り軽いノリの王様だ…
-いつの間に…いや国の仕事どうしたの?
「あっ、このカクテル美味しいね。マスター、これ2つ。一つをそこの綺麗な女性に!!」
プロキオン王は決め顔でそう言った。
ヴァルゴも綺麗な女性と言われてまんざらでもない表情をした。
-この王様、本当に夜のお店慣れているなぁ…
「で、悩みと言うのを話したまえ。王の命令だ!!」
-え、アナタの娘に関係している事なんだけど…良いの?
「ちなみに君がイン〇なのはもう知っている。」
「ブッ」
王の急な爆撃にレオとヴァルゴの2人は思わず吹いてしまう。
パリンッ
王の軽い発言にバーのマスターは動揺してグラスを落とす。
-マスター驚きすぎ…
と言うか、マスターこの件知ってるよね…
俺は恥ずかしさで顔が赤くなってしまう。なんかこの空気で言えないくらいの重たい話なんだが…
「俺の婚約者ベガがまた寝取られているかもしれない…」
その場にいる人間は皆凍り付いた。
先程までの明るい空気の中、急に暗い爆弾が落とされたのだ…
王はこちらを「え、今その話する?」みたいな目で見ていた。
沈黙した時間が流れる…
「で、本当にそれは確かなのか?」
王は両肘をテーブルに置き、両指をクロスして少し深刻そうな表情をして聞き返す。
先程までの俺みたいに大問題を抱えてそうなオーラを出す。
「はい。以前プロキオン王と飲んだ後、ベガが全裸で他の人間と夜の営みをした痕跡がございました…」
「俺がギルドの依頼で家にいないのを見計らって、致しているような痕跡もございます。」
「マジか…」
ヴァルゴとレオの二人は少し驚いた顔をしていた。予想を反して深刻な悩みだった事に驚いているようだった。
「ハァ…この忙しい時にあの子は…」
王は溜息を吐き小声で小さく呟いた。
「そう言えば…いや、ううむ…」
王は考えを言おうとしたが、核心が無いのか言うのを止める。
「あの子が何をしようがあの子の自由だ…だが大人として責任は取らせねばなぁ…」
王様は少し思い詰めた表情でつぶやいた。
「セバス…我が娘と家周辺に見張りを数人…」
「御意」
バーの隅で静かにたたずんでいた執事・セバスチャンは敬礼をしてバーを出る。
「娘に見張りをつける。その間アルタイル君には王の勅令として任務を与える。」
王がここに来たのはそれについてか…けどこのタイミングでか…
「それは…今アルがすべきことですか?」
ヴァルゴはそれを聞く。
「あぁ、俺達だけでも十分やれるぜ!!」
レオも俺をなんとかベガのそばにいさせようとしてくれる。
2人は実は悩んでいた俺の負担を軽減してくれようとしていた。
確かに魔物討伐依頼であれば、この2人がいれば100人力だ。
しかし王はその提案を受け入れるでもなく、深刻そうな顔をした。
「君達だけではちと力足りず、不十分やもしれんな…」
この言葉に二人は少し驚いた顔をする。
-この2人で不十分とか、そんな事あり得るのか?
「不十分とは…?」
ヴァルゴは俺と同じような疑問を抱いたようだった。
レオは今の王の発言が気に入らなかったのか、大ジョッキのビールを一気に飲んだ。
「あぁ…シリウス国の精鋭を集めねばならぬ特殊な敵なんじゃ…」
俺、ヴァルゴ、レオはただならぬ雰囲気にゴクリと生唾を飲み込む。
「ペテルギウス山脈に集っている、邪竜たちをはじめとした魔物の討伐にあたって貰う。」
-邪竜か…
それは確かに厄介な敵だった。
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