おとうさんといっしょ
「とりあえず飲みなよ、ドンペリ…」
プロキオン王が俺にドンペリを勧める。普段ならば喜んで飲むのだが、凄く気まずい。
更に王は先程の高いテンションから一変し、物凄く静かになっている。普段でさえもっと話すのに…
「王様ぁ…私達も飲んで良いですぅ?」
「あぁ、すまんすまん。ルビーちゃん、エメラルちゃん好きなもの飲んでくれ…」
-俺の隣の子の名前知ってるんかい…相当遊びに来てるなこの人…
嬢が気を使って、開けたドンペリを俺達のグラスに分け注ぐ。
だが気まずくてドンペリに全く口をつけない俺達を見て、赤髪のルビーちゃん?は先にお酒を飲んだ。
「うわぁドンペリ美味しいなぁ。勇者様も飲もうよぉ。」
ルビーちゃんは上目遣いで俺に言う。
「あぁ…」
俺はドンペリの入ったグラスを持ち口元に近付ける。その時だった。
プロキオン王はいきなり立ち上がりリズムをとり始めた。
「はい、何で持ってるの?何で持ってるの?飲み足りないから持ってるの!!」
プロキオン王は先程の静かなテンションから一変、急に高いテンションで一気飲みのコールをかけた。
手拍子までしている。
その手拍子に合わせて嬢も全員手拍子を始めた。
-え、一気に飲むの?
やるしかない俺はその場に立ち上がる。そして口元のグラスを傾け、ドンペリを一気に飲み干した。
「ふぅ…」
何とか飲み切った。
「あれれぇ…ごちそうさまが聞こえない…聞こえない。聞こえない。」
プロキオン王は開けられたドンペリの瓶を俺に持たせる。
そして再び手拍子を始めた。
「はい、一気良い気で頑張ろう!!」
-連続で一気飲みか…ノリがヤバい…
「いただきます。」
覚悟を決めてドンペリの瓶を口元に着けて一気飲みを行う。だが注意して飲まねば…
もし粗相があればまだ開けられていないドンペリを丸ごと飲まされるかもしれない…
ゴクゴクゴクゴク
「ごちそうさまでした。」
なんとか飲み切った…少し酔いが回ってフラフラだ…
ふらつく為、ソファーにもたれるように座り込んだ。両隣の嬢は心配そうな顔をしている。
「魔王スペルビアを倒した勇者、討取ったりぃぃぃ。」
プロキオン王は本当に敵将の首を取ったかのような大きな声を出して宣言した。
-テンション高いな…
「お水…」
俺は嬢に呟く。
「え、ドンペリまだ残ってるよ…」
王はテンション高めに言うが、VIP席の隅で待機しているセバスチャンがコホンと咳をする。
悪ノリが過ぎた様だ…
「悪ふざけが過ぎたな…エメラルちゃんお水を持ってきてくれないか?」
王は元に戻り、緑色の髪の嬢に水を頼む。このようなお店の水は高いが、命には代えられない…
お水を一気に飲み干して少し軽くなった俺に王が話しかけて来た。
「さて、勇者アルタイルよ…本音で話そうか。我が娘ベガはそんなに魅力がないか?」
「いいえ。ベガはとても美しく魅力的で、俺は彼女の事を愛しています。」
嬢たちは他の女性の話をされてムッとなるが、王は話を続けた。
「では何故このような夜のお店にいるんだね?」
-あなたこそ何故ここにいるんだ?めっちゃ慣れてるし…
そう言いたい気持ちを押し込めるが、この場で言って良いものかどうか迷い口をつぐむ。
「いやいや、別にこのようなお店に来るのが悪いと言っている訳じゃない。私も君くらいの年には夜の街を遊び呆けて、親をよく泣かせたくらいだ!!」
-いやそれはダメだろ…
王はまだ開けられていないドンペリの瓶の栓を開けてそのまま持ち、口元に付ける。王らしからぬワイルドな飲み方だ。
-え、ドンペリ一気飲みですか?
呆気にとられる俺に王は話しかける。
「飲み方か?城にいるんじゃあるまいし、窮屈なマナーなど守らなくて良いだろう?」
「プロキオン王がこのような方だと思っていませんでした…」
「ハハハ。がっかりしたか?だがどんな人間でも表に出す顔と出さない顔がある。君もだろ?」
-俺の本当の顔か…
「お酒で君を酔わせれば、立派ではない部分の勇者と腹を割って話せると思ってな…」
-そう言えば、プロキオン王とはお酒を飲み交わして腹を割って話した事はなかったな…
これがプロキオン王だった。不真面目に見えてもどこまでも何かを考えて行動していらっしゃる。
「その今日俺がこの店に来た理由ですが…」
俺は意を決したように一息ついて
「この前の一件以来、ベガと夜の営みをしようとしても勃たなくなってしまって…それを改善する為にレオに連れられて…」
素直に俺が打ち明けると王は少し気まずい表情をしていた。と言うか、この話をした瞬間その場にいる全ての人間の視線は俺の下の聖剣の方に向いていた。
先程までとは打って変わり、王様は急にしゅんとした。
「えっと…すまん…イン〇になった事に気付いてやれなくて、本当にすまん…」
-いや、本当に恥ずかしいのでそういう謝りは止めて…
「イ〇ポなら私達が脱いで試してみますか?」
-ここ普通のキャバクラだよね?もしや東の島国の北海島って所にある様なキャバクラなの?
「ただ脱ぐのはつまらないので、負けたら脱ぐゲームをこれからしまーす。」
プロキオン王はゲームを提案する。そしてキャバクラらしく王様ゲームが始まった。
ゲームの最中、王が俺の耳元で
「君が真面目で良かった…。イン〇の件は私に任せなさい。」
と言ってくれたのを覚えている。
と言うか、それ以外の記憶がない…ただ俺が素っ裸で王様達に連れられて自宅まで帰った事は覚えている。
帰ったのは早朝だった。少し太陽も登り始めていた。
「ベガ、帰ったぞぉ…って寝てるか…」
寝室まで行き、ベガがベッドで眠っている事を確認する。
ベッドに軽く座り、すやすやと眠るベガの髪を優しく撫でる。
「今日もベガは綺麗だなぁ…」
頭を撫でながら、ベッド近くに散乱しているパジャマに気付く。パジャマだけじゃない…
俺はベッドの掛け布団を少し上げて中を確認する。
「下着も脱いでいる…」
驚愕の事実に俺は驚いた…下着まで脱いでいるのだ…
-つまりベガは今全裸と言う事だ…
普通ベッドで眠る際はパジャマを着て眠る。だが全裸で眠るという事は…
-浮気かもしれん…
-だが馬鹿には見えない透明な服を着ている可能性も…
本当に全裸か確かめる為に、俺はベッドに入り込みベガと眠る事にした。
勿論だが俺の聖剣は…
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