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マドレーヌ13歳、秋。~学園祭がしたいです~

 学園祭。


 それは乙女系ナンタラの世界では定番中の定番で、要人の子女がわんさかいるところに不特定多数の人間が出入りする、警備担当者にとっては地獄のようなイベントである。

 そんな裏方の事情はさておき、多くの人間に刺繍や裁縫、新たに開発した加工品などを披露する機会があれば今後に有利に働くのでは?と思ったのだが。


「あの、コメルシー様?ガクエンサイというのは?」


 そう。学園祭など王立学院には存在しない。理由はもちろん先に挙げた警備上の問題だ。空壕を挟むとはいえ、同じ敷地内に要人の子女がいる場所で人を呼び込むイベントなどできるはずがない。


「わたしたちが学院で学んだ成果を、たくさんの方にお見せする催しです」


 そう言うと、マドレーヌは思いつくままにノートにペンを走らせた。自領の食材を加工して販売するカフェや模擬店。食材以外の特産品があればお土産品に加工して、裁縫が得意な人達はタペストリーやドレスを作って展示・販売。せっかくならファッションショーもしたい。騎士志望の男の子達は体つきもしっかりしてるから見栄えがしそうだ。年若い夫人やご令嬢はガチムチの護衛を嫌がると聞くから、上手くやればスカウトされるかも。


「なるほど。学院で得た学びを現実に活かした形で披露するわけか」


「アイデアが形となって目に見えると支援を集めやすいかもしれないな」


「わたしが作ったドレスをみんなに着てもらえるなんて素敵!」


 わぁわぁきゃあきゃあ盛り上がり、夢は大いに膨らむ。そう、あくまで()だ。満足な伝手も資金もない身では絵に描いた餅。実現できっこないことを、皆がよく知っていた。たとえばドレス一着作るのに掛かる費用にしてみても、人を呼ぶための宣伝広告費にしても、カンパで賄える額ではない。けれど、もしかしたら。


「うーん…わたし、ちょっと考えてみるね」


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