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台本風シリーズ

呪われた神(台本風改変版)

作者: 尚文産商堂

注意…実際は、状況を目で確認するため、文章は入れていないが、本作品するに当たり、その文章を[ ]で挿入してある。


凡例/

ナレーション…ナ/

人名…登場時以外最初の一文字|(但し、兄弟姉妹がいる場合は姓名各一文字)

(もし括弧がある場合は、その中を略して表示)/性別/


[何もない空間。ただ、一人の男だけが、歩いている]

ナ/この世界とは、まったく別の世界…上位神、ジョイ神がいた。

ジョイ神/あ〜あ、なにか、いい事なんてそこらに転がってないかな〜。

[ジョイ神、突然思いつく]

ジ/そうだ!俺と同じような物を作ればいいんだ。

[ジョイ神、無の空間より、宇宙を取り出す]

ジ/なんでこんな事を思いつかなかったんだろう!

[ジョイ神、宇宙に空気をいれ、膨らます]

ジ/そうだ、そうだ、そうだ。

ナ/こうして、新たに宇宙が生まれた。


[一人の少年が道を歩いている。不意に、空を見上げる]

クリコル・ジョイ/あ〜あ、なんで、こんな世界に生まれたんだろう…。

[足元の石を蹴りあげる]

ク/こんな世界、なくなればいいのに…。

ジ/さて、それは違うぞ。

ク/誰だ!

[クリコルの目の前で、ジョイ神が実体化する]

ジ/安心しろ。俺は、エキトラ神ではない。あいつから分化した、まったく別の神、お前の名前の由来になっている、ジョイ神だ。

ク/ジョイ神、上位神のジョイ神か!なぜ、あなたが、ここに?

ジ/お前がつまらなそうな顔をしていたからさ。なあ、お前、エキトラ神に会いたくないか?

ク/誰が、会うもんか!昔は、唯一の神として崇められていたかもしれないけど、いまじゃ、立派な祟り神だよ。

ジ/おいおい、他人の悪口は言うもんじゃないぜ。なあ、いいだろ?

[クリコル、少し悩んでから言う]

ク/まあ、そりゃ会ってはみたいけど…

ジ/じゃあ、決まりだな。ちょっと目をつむっとけ。

[言われたとおりに目をつむる。そして、風を感じた後、再び目を開ける]

ジ/着いたぞ。ここが、神の宮殿と呼ばれている場所だ。通常は、恩寵を賜る場所になる。お前は、今何歳だ?

ク/17歳だ。

ジ/恩寵を賜るのは、通常なら20歳だが、今回は特別だ。お前に、この俺が、恩寵を賜らせてやろう。

ク/本当?

[クリコル、半信半疑の目でジョイ神をにらみ付ける]

ジ/ああ、本当だとも。さあ、こっちだ。


[クリコル、ジョイ神につれられて、暗い部屋の中に入れられる]

ク/なんなの?この部屋は。

ジ/その部屋は、恩寵を賜る部屋になる。お前の性格、感覚、力に作用して、最も同調しやすい神の力を、お前に与える事になる。

ク/同調?何と同調するんだ?

ジ/神の力だよ。何物にも代えがたきあの力。何者も手が届かない力。全てを超越する感覚を得られる力だよ。それを、お前に特別に与えると言っているんだ。

ク/何か、企んでいるんじゃないの?

ジ/いや、何もないよ。さあ、ほら。

[ジョイ神、無理やり、前に進ませる。クリコル、何かの存在に初めて気付く]

ク/なんだ?この感覚は…

エキトラ神/我に恩寵を授かりに来たのか。

ク/あなたが、エキトラ神…なんて、強い感覚…これまで感じたことがないぐらい強い…

エ/久しぶりだ…恩寵を与えるのは。ジョイ神。おぬしが仕組んだ事なのか?

ジ/おいおい、仕組んだなんて言うなよ。俺自身は、お前のことを思って、こうして連れてきているんだ。さあ、早く…

エ/心の気持ちは?

ク/複雑だけど…他の人よりも早くもらえるのなら、それに悔いは残らない。

エ/だったら、行くぞ…

[エキトラ神、気合と共に、両手を前に突き出す。クリコルの頭の上で、なでるような動作。光がクリコルを包む]


[光が消えた時、クリコルは、さまざまな感覚が、研ぎ澄まされたことに喜ぶ]

エ/これで、恩寵を与えた。おぬしは、エキトラ神と共にある事になる…

[クリコル、手の先を見て喜ぶ]

ク/これが、恩寵…

ジ/どうだった?素晴らしいだろう?

お前は、お前の同年代の誰よりも早く、この恩寵を受け取った。さあ、この能力は、お前しかない能力と思え。つまりは、お前は、魔法を使う事が出来る。但し、エキトラ神の力は、未だに誰もが知らない。どのような力になるかは、お前次第だと言う事を憶えとけ。

ク/はい!

[クリコル、敬礼して、その場を去る。クリコルの背中を見ながら、つぶやく]

エ/これでよかったのだろうか…

ジ/当たり前だ。世界で最初にエキトラ神の力を受け取った人として、世界で長く語り継がれることになるだろう。まあ、最初って言うのは間違いかもしれないが、それでも、この時代に生きていないわけだから?

エ/そうだが…それでも、我は考えてしまう…果たして、彼の運命を変えて、それが正しかったのかと言う事を…

ジ/恩寵を取り消すには、全ての神々の許可がいる。そもそも、この恩寵は、無許可の恩寵を与えたわけだから、お前自体の存在が消され、オメトル送りになる可能性もある。それはいやだろ?

エ/当たり前だろ?あんな空間に、戻る事自体がいやだろうが。だが、それでもだ。彼の運命は、彼が決めるべきだと思うんだ…

ジ/そんなふうに事を考えているからこそ、お前は、いつまで経っても、あの事件のことをきっかけに、名づけられたその名前で呼ばれる事になるんだ。呪われた神、エキトラ神ってな。誰もが、完全なわけじゃない。神ですら、何もかもわかっているわけではない。だからこそ、複数の神がいるんだ。さまざまな事を複合させて、ようやく、全ての事が分かる。それですら、危い事だがな。

エ/神々の宮に行くのは、気が引ける…

ジ/だー!もう。お前はいつもそれだな。時には、シャキッとしろよ。それだから、呪われた神って言う名前が消えないんだよ。ほら、大丈夫だからさ。この俺以上に高位の神は、今のところ、この世界にはいないんだからな。

エ/そうだが…それでもだ、この事がばれた時…我自身の事を考えたら…

[エキトラ神、寒気がして、身を震わす]

ジ/大丈夫だ。ほら、行くぞ。

[ジョイ神、無理やりエキトラ神を連れて行く]


ナ/所変わって、ここは、公用道路。一般道とは違い、公用車のみが通る事が出来る特別な道だ。但し、人は、どこを歩いても構わないから、半分歩行者天国化しているところがあった。

[ふらふらと歩いている]

男A/テメッ、ぶつかってくんな!

ク/あ、すいません…

男A/チッ。

[男Aそのまま、去っていく。それを見たクリコル、そのまま、歩き出す]

ク/(そう言えば、自分は、何をしにここまで来たんだろう…ジョイ神に言われて、エキトラ神の恩寵を受けたところまではよかったけど…なんだか、頭がボーとしていて、何も考える事が出来ないや…)

[クリコルから見えない道端。後ろ側からクリコルの姿を見続ける]

男B/おい、あいつ、なんだかオカシクね?

男C/確かにな。ちょっと、ヤルか?

女A/それいいかも〜?

女B/どうしようか…

女C/ちょっと、誰かぶつかってよ。そうして、イチャモンつけて、そのまま…

[女C、殴る動作をする]

男C/それいいね〜。じゃあ、俺がぶつかってくるわ。

[男C、道に出る。クリコルに近づいて、後ろからぶつかる]

男C/あ、コラ。テメ〜。ぶつかってくんじゃねえよ。

[上からの威圧的な視線]

ク/すいません…

男C/すいません、だと〜?お前、ちょっとこっち来いや。

[男C、仲間の下へ、クリコルを半ば引きずって連れてくる]

男C/ちょっとさ〜、お前、マジでムカつくんですけど〜。ちょっと、どうしようか。

男B/こりゃ、やっぱり、アレッきゃないでしょ。

女ABC/ヤッちゃえ〜。

[男BC、女ABC周りを取り囲む。それぞれが、殴ろうとする。クリコル、体の中から何かの力が出てくる。男B、クリコルに殴りかかる]

男B/ソリャ。

[クリコル、男Bのわき腹に、ストレートを決める。続けて、男Cの首筋に、手刀を入れる。男BC、声も出ずに、道路に倒れこむ。それを見た、女ABC、悲鳴も出ずに、ただ、クリコルを見つめる。クリコル、女ABCを見て、凄みを利かせて言う]

ク/逃げるなら、3つ数える。それまでに逃げろ。

[すぐに男BCを見捨てて、逃げ出す]

ク/ひとーつ。

[間隔を置いて、言う]

ク/ふたーつ。

[さらに、一拍入れてから言う]

ク/みっつー。

[周りは、男BCが寝ている。クリコル、頭をかいて、家に帰る事にする]


ナ/一人暮らしをしているクリコルは、家に帰っても、誰もいなかった。ただ、この日は違っていた。

ク/…誰だ?

[クリコル、誰かがいる事を玄関で察知する。中から、楽しそうな声がする]

女D/こらっ、やめなさい!

男D/え〜、なんで〜。ここって、クリコル叔父さんの家なんでしょ?

[クリコル、鍵を差込み、玄関を開ける]

ク/ただいま〜。

男D=サリウド・ジョイ/お帰りなさい。叔父さん。

ナ/彼は、サリウド・ジョイ。クリコル・ジョイの甥にあたる。現在の歳は、5歳だ。そして、こちらの女性は、クリコルの姉に当たる、サビルエ・ジョイ。夫は、婿養子として結婚したため、名前は、そのままになっている。

女D=サビルエ・ジョイ/ごめんね。急に押しかけたりして…

ク/いや、大丈夫。姉さんならね。

サビ/しかし、いつ見ても、きっちりしているわね〜。サリウドも、見習って欲しいわ。

[サビルエ、ため息混じりに続ける]

サビ/実はね、今年、恩寵を賜りに行く歳になったから、行かないといけないの。それでね、帰ってくるまで、この子を預かってくれない?

ク/いいけど…父さんと母さんは?

サビ/それがね、二人とも、海外に旅行に行っちゃっていて、ちょうど、家にいないの。私も誕生日過ぎちゃったし、恩寵を賜るのには、もう時間がほとんど残されていないの。だからね、よろしくね。

[サビルエ、サリウドを押し付けながら、クリコルの家を後にする。クリコル、サリウドに対して言う]

ク/さて、何して遊ぼうか。

サリ/テレビゲームしたい!ここ最近流行ってるやつ!

ク/う〜ん、ここ最近はやっているのは…ああ、あれか。ちょっと待っててね。

[クリコル、テレビの下から、ゲーム機本体とコントローラーを取り出す。サリウド、すぐに、セットを勝手に始める]

ナ/ちょっとしてから…

[クリコル、ソファーに座り、サリウドを見る。サリウド、ずっと、さっきからゲームをしっ放し]

ク/(そう言えば、今日絡まれた時、なんであんな力が出たんだろう…やっぱり、エキトラ神の恩寵のおかげなのかな?)

[クリコル、サリウドが勝手にゲームを始めていることについて苦言を呈する]

ク/おいおい、あまり激しくしすぎるなって、説明書にも書いてあっただろ?

サリ/説明書なんて、読まないもん。ゲームは、やっている間に身についていくものなの。

[やりながら言う。クリコル、ため息をつく]

ク/なるほどな。でも、ほどほどにしとかないと、サビルエから怒られるぞ。

[サリウド、一瞬動きを止めて考える。そして、再び、ゲームを続ける]

サリ/大丈夫だもん。お母さんは、怒ったりしないもん。

ク/(姉さんも、自分の子供には甘いんだな。いっつも、こっちは怒られっぱなしだったって言うのに。あ〜、なんだかイラついてきた)

[クリコル、何回か深呼吸をする。心を落ち着けてから、言う]

ク/とにかく、ほどほどにしとけよ。怒られるのは、こっちなんだからな。

サリ/はーい。


ナ/数時間後、サビルエが帰ってきた。

[玄関を開ける音。サビルエ、サリウドがいる部屋にすぐに向かう]

サビ/ただいま〜。どう?何か変わった?

ク/チャンテル神の所に行ったの?

サビ/そうよ。夫と合わせたくてね。夫は、21歳で、去年、チャンテル神の所で恩寵をもらったの。それよりも、なんですぐにチャンテル神ってわかったの?何か分かるような事でも、私、した?

[クリコル、ちょっと悩んでから言う]

ク/いや、直感的に。

サビ/なんだ〜、で、どう?姿とか変わった?

ク/若返ったような感じだな。全身から、生命エネルギーがダダ漏れって言う感じ。

サビ/ちょっと〜、それって褒めてるの?

ク/ああ、一応な。それよりも、サリウドを止めてよ。さっきから、トイレに行く以外、ゲームをし続けているんだから。

[サビルエ、サリウドに近づいて、耳元でささやく]

サビ/こら、やめなさい。やめないと、アレをしちゃうわよ。

[サリウド、瞬時に保存してゲームを終わらす。クリコル、先ほどの言葉に突っ込む]

ク/アレってなんだ?

サリ/気にしないで。さあ、帰るわよ。ありがとうね。見といてくれて。

ク/このぐらいだったら、自分がいる時にならいつでもどうぞ。でも、高校の勉強も忙しいから、時々は、相手してやれないと決まるかも知れないけどな。


ナ/それから、数年の月日が経ち、実際に、クリコルが20歳になった。しかし、彼は、この時まで、17の時、誰よりも早く恩寵を受けたことを黙っていた。

[真っ暗の部屋。クリコルとエキトラ神が話している]

エ/しかし、20歳になって、正式に恩寵を賜りに来たといったが、それは、本当なのか?

ク/なにせ、ここまで隠して来ました。そして、法令上の年齢として、正式に20歳になりました。それを考えると、もう一度、恩寵を承りたいと考えました。

エ/そうか。だったら仕方が無いな。恩寵を上塗りといこう。

[エキトラ神、それだけ言って、クリコルの頭に手を当てる。クリコル、なにをされるか分からず、怖がる]

[エキトラ神、呪文を詠唱し始める。とりあえず、17の時のとは違う呪文]

ナ/呪文の詠唱は、何分間も続いていた。しかし、クリコル自身は、意識が飛びそうになっていた。そして、最後の瞬間、ついに意識は、体を飛び出した。

[幽霊のようにクリコルの体は半透明になる。したには、クリコルの肉体が転がっている]

ク/エキトラ神、何をしたんだ?

エ/正式な恩寵を与えた。もう少しすると、肉体に戻ることが出来る。それだけだと、魔法は使えるが、それだけだ。他には、何も無い。

[クリコル、ゆっくりと、肉体の中に魂が入る。ゆっくりと、肉体が立ち上がる]

ク/これで…中に戻れたのか…

エ/ああ、その通りだ。だから、お前は我らの仲間になる…

[周りから、さまざまな姿形をした人たちが集まってくる]

エ/ようこそ。クリコル・ジョイ。お前は、これから、エキトラグループに入り、活動をする。

ク/活動?何の活動だ?

エ/世界に必要な事だ…とても名誉なことだと思うべし…お前は、魔力がこの場にいる誰よりも高い。もっとも、俺自身は別としてだが…

ナ/こうして、クリコル・ジョイは、呪われた神、エキトラ神の恩寵を受けて、エキトラグループの一員として、活動をする事になった。


ナ/あれから、30年後。彼は、結婚し、子供を授かり、孫も出来た。しかし、20歳になった時に、サビルエと分かれてから、1度も会っていなかった。

エ/おはよう。クリコル君。

ク/おはようございます…エキトラ神…

エ/どうした?憔悴しきった顔をしているが?

ク/昨日、ゲームしすぎたから…

エ/ハハハ!なるほどな。まだまだ若いな。さて、今日は、ジョイ神、チャンテル神、コロワイ神の、4柱神が、勢揃いする日だ。お前に、そのことで頼みたいことがある。

ク/なんでしょうか?

エ/神を皆殺しにしてくれ。

[クリコル、かたまる。周りにいた人々は耳を疑う]

ク/今、なんと?

エ/神を、全員、殺してくれと頼んだんだ。実際問題として、この世界は、成立してから長い。もうそろそろ、循環の時期になる。全ての神々は、一旦滅ぼされて、オメトルに送られる。その後、再び戻れたものは、誰ひとりとしていない。だからこそ、前の世界から、今の神々は連れてこられたのだ。元々は、寿命ある、生命体だった。君達と同じような。だが、最愛の者を向こうの世界で無くしてから、俺自身、何かが吹っ切れたように、壊れたのだ。それを引きずって、何をしても、最終的には崩壊しか待っていない、それで、人呼んで、呪われた神、エキトラ神。そう言われるようになったのだ。だが、もう、長生きしすぎた。もうそろそろ、我らも、向こうに行かなければならない。

ク/…分かりました。いつすればいいでしょう。

エ/本日、13時に4人の神々が一ヶ所に集まる。今回の集合場所に、お前も連れていく。従者という事にすれば、間違いなく連れて行ける。それを利用する。

ク/どうやって殺せばいいんでしょうか。

エ/爆破だ。神といえども、元をたどれば、人間だ。だからこそ、これを渡す。

[エキトラ神、クリコルに、カバン型の何かを渡す]

ク/これは…?

エ/俺の合図と共に、その胸の部分についている、その赤いスイッチを押せ。それだけで構わない。

ク/分かりました。


[時計台、13時になった事を知らせる。エキトラ神とクリコル・ジョイ、どこかに飛ぶ]

ナ/13時になった時、この世界の運命は、たった一人の人に託された。彼のスイッチによって、この世界は、吹っ飛ぶことになる。


[暗い部屋、神々が全員集まると、その細部まで分かるぐらいに急に明るくなる。神の後ろに従者を立たせる]

チャンテル神/では、やりましょうか。

コロワイ神/ああ、そうだ。全員そろっている事だしな。

ジ/では、これより、神族会議を開催する。みんな、着席を。

[クリコル、神々の後ろに立っている従者を、ぼんやりと見る]

ナ/議題は尽きずに、議会は、深夜遅くまで及んだ。そして、終わる直前、エキトラ神が、指示を出した。


[小声、エキトラ神がクリコルに対して指示を出す]

エ/もうちょっとしたら、鐘がなる。そうしたら、スイッチを押せ。

ク/分かりました。

[クリコル、自分を除く3人の従者を見回す]

ク/(この人たちと共に、自分はどこに向かうんだろうか。地獄?それとも、天国?いっその事、このまま、魂ごと消滅すればいいんだ。そうだ。それが一番だろう。何もしないよりも、何かして消滅する事が、一番だろうからな)

[遠くの方で、鐘の音が聞こえる。クリコル、自分の鼓動を耳の横で聞こえてくる。エキトラ神、小声でクリコルに言う。]

エ/どうした?鐘はもう鳴ったぞ。

[クリコル、思いつめた顔をして、普通の声量で言う]

ク/神よ。何もかもを言わせていただきます、エキトラ神。あなたには、確かに死ぬ理由があるかも知れない。しかし、自分にはその勇気が出ない。それに、他人を巻き込んでの自爆は、自分の主張に合わない。だから、自分は、出来ない。

[他の神々とその従者。驚いた顔をして、こちらを向く]

エ/そうか…だったら仕方がないな。

[エキトラ神、クリコルのカバンを、強制的に起動させようとする。ジョイ神の後ろに立っていた人が、邪魔をする]

エ/誰だ!貴様は!

男E/神に対して、そのような言い方は無しだろ?

エ/お、お前は…!

[他の神々も驚く]

エ・ジ・チ・コ/ホムンクルス神!

男E=ホ/やっと気付いたか。この世界の事が気になってな。ちょっと見に来たんだ。そしたら、運よく、30年に1回の神族会議に出られる機会が巡ってきた。それで、見に来たら、この調子だ。お前には、失望したよ。エキトラ神。前の宇宙の時、いろいろと目をかけてやっただろ?

エ/し、しかし…この者さえやる気になれば、あの作戦は、神族皆殺し作戦は成功していたのです。

[ホムンクルス神、エキトラ神に迫りながら言う]

ホ/本当にそうか?この、腰抜けめ!お前は、オメトルにすら来る資格はない。この場で、消滅せよ!

[雷が轟き、その瞬間にエキトラ神は消滅する。ホムンクルス神、笑いながら言う]

ホ/さて、エキトラ神の代わりは、誰がするのかな?確か、神族会議の条項には、代理神を立てれると言う事だったな。誰かの推薦によって。

ジ/ええ、その通りです。

ホ/俺自身、こう言うことは気が進まないが、クリコル・ジョイ。お前を、クリコル神として、エキトラ神の代理神として推薦する。

ク/自分ですか?なぜ、自分なんでしょうか?

ホ/単純な事だ。あいつが一番目をかけていたのが、お前だったからだよ。さて、これで終わったな。もうそろそろ、帰るとしよう。

[ホムンクルス神、その場から霧となって消滅する]

ジ/…では、これで神族会議を終了する。なお、次回以降は、上位神に与えられた権限により、クリコル・ジョイをエキトラ神の代理神として、この会議に参加する事を許可する。では、解散…


ナ/こうして、世界は、神が換わっただけで済んだ。エキトラ神は、今、どこにいるか分からない。しかし、この世界ではない、どこかに消えたことだけは、確からしい。


(以降全てナレーション)/制作は、清正美高等学校300回生2年5組でした。


[自分の名前が呼ばれるたびに、舞台の袖からでてくる]

キャスト紹介。

男A…宇木金平。

男B…宮野瑛久郎。

男C…国照由菅。

女A…長島麗。

女B…丹国シュアン。

女C…媛洲歓喜。

女E|(コロワイ神の後ろに立っている人)…石之森楓。

女F|(チャンテル神の後ろに立っている人)…鷹中凛。

チャンテル神…興国空。

コロワイ神…平泉ミサト。

ジョイ神…諏訪来瑛。

ホムンクルス神…西田桜。

クリコル・ジョイ…鱸鰹。

サリウド・ジョイ…嘉永清水。

サビルエ・ジョイ…(姿)嘉永徳鋭/(声)焼森乾。

エキトラ神…イフニ・スタディン。

照明…斉東顕子/竿灯佐和子/麻井正平/伊口康平。

照明総合|(照明監督)…和彦結城。

音楽制作…美月剛健/西間緑。

音響効果作成…大前カリン/海街要子/神田山一。

音楽総合|(音楽監督)…蜩還。

音響チェック…安藤孝明。

照明チェック…天龍裕香。

現場監督…池田義男/中村夕菜。

撮影…エア・アダム/佐和泉水/師走正之助。

撮影総合|(撮影監督)…佐倉友美。

雑用・事務一般…桜井山都/武居豆鮎香。

ナレーション…手谷一郎。

総監督…成和也好。

原作…尚文産商堂「呪われた神」。

制作・著作…清正美高等学校第300回生2年5組。


これで、2年5組、自主作成映画、「呪われた神」を終わります。みなさん、見ていただいてありがとうございました。

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