命を廻ったグング二ル

鬼――それは人を本能のままに喰らう化け物。無論、我らの世界にそれは存在しない。しかし、彼らの＜世界＞には存在する――。
矛盾だらけの＜世界＞で、鬼を狩りたるは九人の戦士。鬼の力を以て鬼を征す姿から、人は彼らを征鬼士と呼ぶ。

肉体と名を借りて異世界転生した陽希は、同じく異世界転生したかつての恋人である小白と再び廻り合う。（ちなみに転生の瞬間は彼らの都合で意図的にカットされている）
　恋人との再会に喜びを隠せない両者であるが、徐々に前世では痛々しい決裂をしていたことを認識していく。
　今度こそ幸せを掴み取るため闘う二人だが、それを拒むように彼らは物語を残酷な方向に進めていくのだ。
　物語の方向性を決める者、名を定める者、物語をまとめる者、モブキャラを司る者、彼らの計画を掻い潜り、陽希と小白は幸せを勝ち取ることはできるのか。
　これは、“鬼と人間の戦い”という物語の主人公とヒロインに仕立て上げられてしまった二人のお話。

さァ、迷える魂たちが、肉体と名を借りて三度目の恋を始めたようだ!!