出会い
超一流の闇魔法使いの悠斗だが、馬鹿で、おちょこちょいそんな悠斗は、依頼を、達成するため雪山に行った。そこであった者とは
俺は今洞窟にいる。火に当たって居なければ凍え死ぬかと思う程寒い。どうしてこうなったのか…
遡ること数時間前、俺事、黒川悠斗は、街をさまよっていた。
首には、「冒険者必要ですか?今なら格安で雇えますよ!」と書かれた看板を掛けている。
服装は、元は長袖であっただろう物の、袖を切り落としたシャツに、元は長ズボンであったであろう物の、裾を切ったズボンを、着ていた。その姿は、誰が見ても冒険者には見えなかった。
どの時代にも、二種類の人がいる。強者と弱者、勝者と敗者。
どの時代も、強者は働く事ができ、弱者は働く事ができないのである。それでも飽きらめ無いと頑張る物もいるが、その先に待つのは、飢えか、異種属の殺害だった。
だが、悠斗はけして弱者では無かった。ただし、悪い方に有名過ぎで依頼が無い日々だった。
例えば、異種属の裏を取って倒そうとすればいきなり突っ込んでバラしたり。例えば、シリアスな雰囲気でも、ポテアゲを食べていたり。等々挙げれば切りが無い程ある。
そんな事を繰り返していると、当然だがPTには入れなくなってしまうだろう。
と、そんな時、ある一人の女性が話しかけて来た。
「あの、すみません。依頼してもよろしいですか?」
「はい!どんな事でも、頑張ってやりますよ!」
「ありがとうございます。実は、夫が雪山に行ったきり帰って来ないのです」
「なるほど、夫の捜索をすればいいのですか?」
「はい。頼めますか?」
「任してください!ちなみに特徴はどんな感じですか?」
「それが、よくわからなくて」
普通の人なら、特徴も無しに、探しに出かけるなど無謀な行為はしないだろう。だが、悠斗は、違った。
「わかりました。頑張って探して来ます」
「いいんですか!ありがとうございます。雪山はあっちの方です」
「わかりました。必ず見つけて帰って来ます」
と、言う訳で、現象にいたる。
自分は、馬鹿だとは思っていたが想像以上だった。
雪山に行くと言うのに、半袖半ズボンの格好で、来てしまった。
「ちくしょう。こんな事なら、ホットココアでも、持って来ればよかった」
と、その時、後ろで物音がした。
「あっ!夫さんですか?もう、心配して、たん、です、よ?」
それは、見るからに夫さんでは無かった。大きな姿に毛むくじゃら、鋭い爪を持ち、二足歩行の、化け物だった。
「うわぁー!ここ、熊人種の住処だったのかよ!」
熊人種は、強い冒険者でも、一人で相手をするのは厳しい。
ましてや、作戦を考える事が出来ない悠斗には勝ち目が無い。
「こ、殺される!」
と、その時、熊人種が静かに倒れた。
「うるさいのは、お前か?それともお前か?」
聞く前に、熊人種を殺したのは、赤い髪を靡かせ、ルビーのような目をした異種属の、吸血種の少女だった。
「まあ、熊人類の血はまずいから、人類のお前の血を吸わせてもらう」
吸血種に、血を吸われると、吸い付くされるまで返され無いと言われている。だが、そんなことを。悠斗が知っているはずも無く。
「まあ、命の恩人ですし、どうぞです」
そう言って手首を差し出した。
「おぉ、潔いいのはありがたい。抵抗されるのが一番めんどくさい」
そして、手首にキバを刺して血を吸った。
「おいしい!おいしい過ぎる!お主本当に人類なのか!濃ゆいぞ!」
そう言いながら、ぴちゃぴちゃ音をたてながら吸っていた。
「おいしいならよかったです。吸血鬼に満足して貰えるなら最高なんですね」
「おう、誇っていいぞ!それにしてもお前の血無くならんな?何かしてるのか?」
それもそのはず。悠斗は、影を血に変える術を使っていたのだ。
「血を作って無くならないようにと、貧血にもならないからいい事だらけだよ♪」
簡単に言っているが、酷い程の努力と才能があっても足らないであろう事をやってのけているのだからすごい事なのだろう。
「お前天才なのか!これ程の事をしてのけるならPTに引っ張りダコなのだろうな。今日は何しに来たのだ?」
「う〜ん今日は行方不明な夫探しで、PTにはこの最近入って無いかな」
「ふ〜むお主何やら訳ありだそうだな。よし!儂が仲間になってやるぞ!」
吸血種が仲間なるのはうれしいけど、太陽が弱点なのは痛い。だけど、仲間増えるのは…
「う〜ん」
「悩みまくりじゃのさっきみたくスパッと決めてくれたまえ」
もうどうにでもなれ
「じゃあ僕の仲間になってください!」
「よし!儂の力できる事はすべてやろう!報酬は1日1回血を儂に渡す事じゃ」
「わかった。約束します」
「うむ!契約成立だな!なら儂に名を付けてくれ!」
「う〜ん」
ちょっとの間悩み決めた答えは、
「クレンってのはどうかな?」
「ほぉ、クレンとな?良い名ではないか!儂はその名気に入ったぞ!」
「それはよかったです。僕の名前は、悠斗、黒川悠斗です」
「悠斗か、中々良い名だな。儂にはおよばんがな!」
「そうですか、それはそれとして僕は凄い寒いけどクレンは大丈夫?」
「人はこの位で寒いのか。やれやれじゃの」
そう言いながらクレンは手のひらに小さな火の玉を出し悠斗の体に、押し付けようとした。
「危ないよ!」
とっさの判断で躱したがあと数秒遅れてたら当たっていた。
「動くな。お主にとっめ悪い事は無い」
そう言いながら悠斗の体に、火の玉を押し付けた。
「あったかい」
押し付けられた火の玉は、悠斗の体の中に入って行き、さっきまでが嘘みたいに悠斗の体を暖かくさせた。
「そうか、それはよかったのう。さて、夫を探すのか?」
「あっ、すっかり忘れてた」
「お主よ、儂はこの先が不安になったぞ。本当にお主が儂の主になってよかったのかのう」
「えへへ〜って主って何の事?」
「お主はそんなことも知らずに儂に、名を付けたのか!?お主は本当に冒険者なのか!?」
吸血種は、名付け親を主とし、主に力の限りを尽くすと言うのは、都市伝説として、冒険者全員が知っていた。一部を除いて。
「知らなかった!えっ!主って僕でいいの?」
「仕方ないじゃろ!もうなるようにしかならんのじゃ!」
「あの〜すいません」
「「うわぁー!」」
突然クレンの後ろから声が聞こえた。
「お主は誰じゃいつからそこにおったのじゃ!」
「いつからかは結構前から。」
その姿は、これと言って特に特徴の無い人だった。
「この山で遭難していた人ですか?」
「はい、そうですが?」
「あなたの妻に捜索依頼を受けたので探してたのですよ。よかったです見つかって」
「それはどうもご迷惑おかけました」
「さて街へ帰りますか」
「待て、儂をどうする気じゃ」
あっそうだった完全に忘れてた。日光に当てない方法を、考え無くては。
「そうだ。影で覆ってみるので、ちょっと陽に当たって下さい」
そう言って悠斗影でクレンに薄く覆った。
「本当にお主の魔法はすごいのぉ」
そう言ってクレンは洞窟の外に出た。外は太陽の日差しが眩しい程降り注いでいた。クレンは燃えてはいなかった。
「成功じゃ本当に天才じゃの」
「そんなに褒められると照れますよ。あと、夫さんにも僕にやったやつやって上げてください」
「お易いごようじゃ」
「ありがとうございます。さて帰りましょう」
そして、街に着き。
「夫を助けて頂きありがとうございます!」
「いえ、無事で何よりです。また困った事があったら頼んでください。では」
こうして悠斗を仲間に加えた悠斗の1日は幕を閉じた。
読んでくれた方ありがとうございます!
初めての投稿で、変な所がいっぱいあったと思います。心優しい方は、どうかコメントでしてきしてください。また、続編はいつでるかわかりません。読んでくれた人が多かったら頑張って書きます。10人くらい読んでくれたら嬉しいです。