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手紙  作者: Pー龍
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プロポーズ

「陽夏ちゃんの勉強は相変わらず順調だよ。試験当日になって突然の病気にでもならない限り合格できるさ。いつも来てくれてる学校の先生も、陽夏ちゃんはもっと上が狙えるのにって残念がってたくらいだよ。」

「まだ、試験の最中に解答欄全部間違えちゃうって可能性もあるんだけどね。」

「陽夏ならそれやりそうね。当日は気をつけてよ。時間が余ったら何度も何度も見直しするのよ。わからない問題があっても、とにかく何か答えて埋めておくといいわ。」

「うん、気をつける。」

「これからは過去問を5年分くらい解いてみて、あとは塾がやってる模擬試験受けて試験の雰囲気に慣れてみるのがいいと思うよ。」

「そうね、陽夏、模擬試験を受けとくといいわ。あなた最近、試験なんて受けてないでしょ。ママも雰囲気に慣れておく必要があると思うわ。」

「わかった。それ受けてみる。」

「陽夏の高校の入学式のこと、ママ楽しみにしてるわね。」

「うん。そこの制服がすごく可愛いの。私も楽しみ。」

「(冴木さん、勇気出して頑張って。)」

「ママ、えっとね、おじさんが何だかママに話があるみたいなのよねぇ。聞いてあげてよ。(ほら、おじさん言っちゃえ。)」

「(あぁ。)

 ―――白田さん、これから少しまじめな話をしようと思う。どうか真剣に受け止めて聞いて欲しい。」

「え? タツくん、突然どうしたの? お母さんも陽夏も急にどうしたのよ。」

「昨日の夜、陽夏ちゃんにはOKをもらった。お母さんにも前々から相談していてこれについて了承してもらっている。」

「だから一体なんなの?」

「――――俺たち結婚しないか?」


 おじさんは指輪を用意していました。ポケットの中からそれを取り出してママに差し出しています。おばあちゃんの顔はニヤニヤ。私もニヤニヤ。


「タツくん、それ本気なの?」

「もちろん本気だ。俺にこんな冗談が言えるか。」

「ママ、私もおばあちゃんもこの件についてはおじさんの味方だから。ママには拒否権が無いと思ってもらって構わないわ。」

「ふーん、外堀はもうしっかりと埋めてあるってことなのね。タツくん、私もうそんなに・・・・・・」

「どうかな? 黙って指輪を受け取ってもらえると俺としては嬉しいんだけど。」

「でも、タツくんはそれでいいの?」

「ママ、さっきおじさんは黙って受け取れって言ってたわよ。あんまり煩いようだとママの口、おじさんのキスで塞いじゃってもいいのよ。どうかしら? おじさん。」

「もう、わかったわよ。ありがとう。これもう返さないからね。あとで返せなんて言わないでよね。」

「言わないよ。どうかこれより先、幾久しく俺と共に在ってくれ。」

「よろしくお願いします。」


 おじさんは悩んでたみたいだけど、最後は私が背中を押しちゃいました。 2人はいま、娘の前で抱き合ってキスしています。コノヤロー。

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