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手紙  作者: Pー龍
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決意

「それじゃ白田さん、また明日も来るよ。」

「タツくん、今日もありがとう。気をつけて帰ってね。事務所の皆さんによろしくね。あなたの貴重な時間を奪っちゃってゴメンナサイって謝っといて。」

「あぁ、職場のみんなには俺から謝っとくよ。陽夏ちゃん、あとお母さんも、それじゃ失礼します。」


 ママの友達は帰って行きました。

あのおじさんが帰った後には私のおやつがテーブルの上に残されています。


「ママ、高校のことなんだけどね、私高校には行こうと思うんだ。できれば大学にも進みたい。写真のこと、ちゃんと勉強したい。」

「そうね、そうしてくれるとママは安心だわ。」

「先生が言うには公立高校の全日制は長期不登校が続いてるから難しいんだって言うの。だから公立の定時制か私立になるらしいんだ。他には通信制とかもあるみたい。」

「そっか。ごめんね、ママのせいで公立高校の全日制はダメになっちゃったんだね。」

「違うよ。ママのせいなんかじゃないからね。これは全部私が選んだことの結果なんだ。これは私の責任なの。だからママには譲れない。

それでね、私立高校はお金がたくさんかかるみたいだから公立の定時制を受けようかと思うんだ。」

「さっきもママ言ったけど、陽夏はお金のことなんて全然心配することないのよ。」

「お金のことも確かにあるんだけど、それだけじゃないの。いろいろと調べてみたら定時制だと午前中でほとんど授業が終わるみたいなの。定時制って夜のイメージがあったんだけど、昼間の定時制高校もあるんだよね。中学に行ってない私が午前午後通して1日6時間も教室に座って高校の難しい授業受けるなんて考えたらもうそれだけで行きたくなくなっちゃうから、ちゃんと通って卒業するためにも定時制の方が私には向いていると思うの。ちゃんと通えば3年で卒業できるんだって話だし。通信制を併設している学校だともう少し楽になるんだって。」

「受験はあるのよね?」

「公立だからね。でも今から準備始めれば何とかなるって先生は言ってた。」

「ママは陽夏がこうと決めたんだったらただそれを応援するだけよ。頑張りなさい。でも時々は受験勉強の進み具合がどうなってるのかママにも報告してね。手伝えることがあったら手伝うわよ。ママこう見えても国語と社会は得意なの。わからないことがあったら聞いてね。」

「わかった。ママ頼りにしてるね。でも社会はその高校試験ないらしいよ。英語は先生が週に1回家に寄った時に毎週1時間だけど見てくれるって約束してくれたの。後は数学。ねぇ、ママどうしよう?」

「しょうがないわね。タツくんに明日陽夏の勉強見てもらえるようにお願いしとくわ。」


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