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手紙  作者: Pー龍
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相談

 この前訪ねてきたおじさんの姿を最近よくママの病室で見かけます。

 おばあちゃんにあの人誰? って聞いたらママの学生時代のお友達だと聞きました。なんかアヤシイ。

このおじさんが来てるときのママの顔は私のこれまで知らなかったママの顔。ちょっとだけ悔しいんだけど、ママがすごく幸せそうなのでこれはこれで仕方がないのです。

冴木さんでしたっけ、このおじさんは仕事がとても忙しいようなのですが、ほぼ毎日ママの病室に来ています。そしていつも同じお菓子を持って来てくれているようです。最近の私のおやつは毎日ママの病室で頂いています。

 今日もおばあちゃんと一緒にママのお見舞いに来てみれば、やっぱり居ました。


「こんにちは。お2人さん、私はお邪魔でしたかね?」

「陽夏ちゃん、こんにちは。お母さんもこんにちは。毎日ご苦労様です。」

「陽夏、今日もお見舞いに来てくれてありがとう。」

「おじさん、あんまり仕事サボってママのところに入り浸ってると、上の人に怒られるんじゃないの? さすがに心配しちゃうんだけど。」

「うん、そうだね。よく怒られてるよ。毎日謝ってる。心配してくれてありがとう。」

「タツくんはここに仕事のストレス解消しに来てるのよね。 そんなに私を見てるのが面白いのかしら?」

「そうだね。すごく面白いよ。」

「ママを見てて面白いのは私も賛成するけど。

 ――――そうだ、ママ、昨日先生が書類を持って来てくれてたんだけど、(わたし)来週までに志望校を決めなきゃいけないんだって。それでどうしようかと思ってて、ママに相談しに来たんだけど。」

「高校かぁ、陽夏も、もうそんな時期なのよね。」

「志望校? 陽夏ちゃんはもうそんな年頃なのかぁ。」

「一応、中3かな。全然学校には行ってないけど。」

「陽夏ちゃんは将来希望する職種ってあるの?」

「はい。ママと同じカメラマンになれたらいいなって思ってます。」

「そうかぁ。陽夏ちゃんのママさんからプロカメラマンとして、なにか陽夏ちゃんに助言できることがあるんじゃない?」

「え? 私? 私は陽夏の好きなようにすればいいとは思うんだけど、やっぱり人並みに高校は卒業しておいて欲しいかな。陽夏が希望する学校ならどこの高校でもいいわよ。学費のことはそんなに心配しなくてもいいのよ。頼めばこのおじさんが何とかしてくれるはずだから。」

「そうなの?」

「あぁ、陽夏ちゃんの学費くらいなら俺にまかせてくれて大丈夫さ。」

「何言ってんのよ。これ冗談よ。あなたに陽夏の学費出してもらうわけないでしょ。」

「なぁ、それくらい出させてくれよ。」

「そんなわけにはいきません。あなたは陽夏のパパじゃないのよ。」


 おじさんとママは本当に仲がいいみたいだ。

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