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200話記念SS

 ルーファス=ローゼンベルクだ。人気投票で1位だったらしい。礼を言う。これでいいか?



 天然め!父に喋らすと進まないので、さっそくお話にいきましょう!



「父様!お願いがあります!」


 我が家の天使…ロザリンドが愛らしくキラキラと瞳を輝かせておねだりに来た。


「なんだ?王を絞めてくるのか?」


 ロザリンドの願いなら、世界征服でもなんでもしてやろう。そう思ってロザリンドを見つめると、なぜか驚いていた。


「違います!絞めないで!王様になんか恨みでもあるんですか!?」


「仕事をこっそり横流ししていた。しかも、あのオーバーワーク時代にだ」


「…それは絞められても仕方ないですね…ではなく!父様と母様のなれそめが聞きたいです!通訳(アーク)も確保しました!」


「…ふむ。かまわん」



 私は、公爵家長男として産まれた。母がローゼンベルクの生まれで、父は婿養子だった。父はもと下級貴族だったらしく、それもコンプレックスだったらしい。


 私は毎日つまらなかった。機械的に仕事をこなす日々…まぁ、多少やんちゃはしたがな。


通訳(アーク)からの補足】

 多少?聖獣様の口に頭つっこんだり、家抜け出してガルーダの卵盗んでおやつにしたり(そしてそのガルーダが公爵邸に襲撃に来た)家抜け出して盗賊狩りまくってたのが多少!?やんちゃで済むレベルでもないわ!




 ふむ。なら、私としては退屈しのぎだったが、他から見ればはっちゃけていたらしい。

 そんな毎日はシンシア…妻との出会いで一変した。私は彼女に出会った瞬間、動けなくなった。そして気がつけば彼女に求婚していたのだ。


通訳(アーク)からの補足】

 いや、あん時はびっくりしたわ。固まって親の仇かってぐらい睨みつけてると思ったら求婚だもんな。





 結局求婚は断られてしまったが私は諦められず、何度も心を込めた贈り物をしたが、逆効果だったらしい。


通訳(アーク)からの補足】

 まあ、飾りきれないぐらい花を贈られたり、ナイフ贈られたり、大量の魔物の肉贈られたら、微妙だよな。え?お嬢様はわりと嬉しい?親子だな…




 正直、シンシアが何故私に嫁いだかは解らん。ただ、彼女の態度が変わったひと言があったな。


『私は貴女に天啓を使わせない。貴女だけが欲しい。身一つあればいい。仕事も私がする。貴女は私の隣に居てくれるだけでいい。約束を違えたならば、私のナイフで殺してくれてかまわない』


 誠意が通じたのか、以降はよく話し相手をしてくれるようになった。


通訳(アーク)からの補足】

 当時の奥様は立場が微妙でな。精神に作用する天啓を持っていたから、外交とかに利用されててただでさえ体が弱いのにさらに弱ってたらしいんだわ。

 多分この会話でうちのバカ主は天啓じゃなく奥様にだけ興味があるんだと解ってもらえたんじゃないかな。





 順調に愛を育んだのだが、父が反対して無理矢理別の婚約者をあてがおうとした。私は怒ってしまい、城を半分氷漬けにしてしまった。私は意に沿わぬ者と結婚はできない。子も作れない。私は去勢するから、ルーミアを当主にしたらいいと言った。


「きょせい?」


「ちょ!ま!俺もそれ初めて聞いたぞ!?つーか城を半分氷漬けにした理由、それだったのか!」


「シンシア以外に反応しない。不要なら捨てるべきだ。あるから利用される」


「「そういう問題じゃない!!」」


 ロザリンドとアークに叱られた。しかし、去勢しなかったから可愛い娘に会えたわけだ。確かにはやまったかもしれない。


 父は私の本気を感じとり、シンシアの家にシンシアを私の嫁にと土下座までして頼みこんだらしい。


通訳(アーク)からの補足】

 だから旦那様、いきなり方向転換したわけか…奥様んちは格下だったから、大騒ぎになったらしいぜ。




「そして、今幸せに暮らしているわけだ。もし父が生きていたなら、きっともっと幸せだっただろうな」


「なんで?」


「ロザリンドがもし居たなら、ルーミアもかけおちをせず暮らせていただろう。きっと花嫁姿も見せてやれた」


「そうかもしれませんね。お祖父様がご存命でしたら、土下座してでも結婚式に参加させました」


「そうか。残念だ。だから、私はロザリンドが選んだ相手を否定しない。思ったより少々早かったが、婿殿は私が安心してロザリンドを任せられる男だ。誰よりも幸せにおなり」


「はい!父様大好き!」


 私のロザリア。あの子が何かに悩んでいたのは理解していたが、私は仕事で手いっぱいだった。もう1人の我が娘、リン。あの子が現れて、世界は変わった。



 私はロザリンドが言うにはめぢからが強いらしく子供や動物に敬遠され、怯えられていた。

 だが、リンが現れてから我が子が怯えず近くにいるようになり、終わらないオーバーワークから解放され、甥になつかれ、我が子以外にも怖がられなくなった。特にマリーなど、本を読んでいると膝にのっかり遊びをせがむのだ。この間はポッチが肩たたき券とやらをくれた。

 小さな子供達ともうまくやれるようになったのだ。


「ロザリンドには感謝をしている」


 私は万感の思いをこめて、可愛い娘を撫でた。


「え?私も父様に感謝してます。いつも無理を聞いてくれてありがとう」


「あ、ロザリンドずるい!父様、僕も!」


「あ、じゃあ俺も」


「マリーも!」


 血は繋がっていないが、ロザリンドが連れてきた子供達も我が子のように思っている。


「嬉しそうだな、御主人様?」


「ああ、幸せだ」


 私は、とても幸せだ。最愛の妻に、可愛いたくさんの我が子達。


 最近はシンシアの体調もいいし、もう1人ぐらい居てもいいかもしれない。そんなことを考えながら、今日も幸せに過ごすのだった。

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