〜ハートレスラブ無しコメディ〜 【女医 四之腹佐乃 哀の病院日誌】
【女医 四之腹佐乃 哀の病院日誌】 #4 実はこう見えて、患者のちびっ子たちにチヤホヤされたいんです
【欲しかった感謝の証】
「センセ、治してくれてありがとう」
何事か、と佐乃は隣の診察スペースに目をやった。
小児科医の同僚がちびっ子の女の子から折り紙で作った飾りをもらっていた。
おそらくはちびっ子がヘタだが気持ちを込めて作った感謝の飾り物。
ありがとう〜、と受け取った同僚医師は嬉しそうに笑い、ちびっ子はもっと嬉しそうにはにかんだ。
「ふう、いいな‥‥‥」
ボソッとつい漏れてしまった佐乃のつぶやきが診察中の男の子に当然聞こえてしまった。
「センセイ、ゴメンなさい。いつも診てもらってるのにボク何もできなくて。折り紙とかニガテで」
「ああ、いいのよ。気持ちがこもっていればなんだって嬉しいんだから」
「ええ、ホント⁈ じゃあじゃあ!」
男の子は肩かけバックから小さな紙箱をいそいそと取り出し、
「コレ、もらってください! 交尾してるカナブン。きっとセンセイよろこぶと思って」
こーゆー時、喜怒哀楽のドレを出せばいいのか。
あたしってそーゆー風に見られてんの?
まだまだ、患者といいお付き合いができない佐乃っちゃんだった。