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掌編小説集1 (1話~50話)

魔法のランプ

作者: 蹴沢缶九郎

この世に魔法のランプという物が存在し、ランプの精霊がどんな願いも一つだけ叶え、ランプに戻っていくという。


私は長く魔法のランプを探し続け、やっと、その魔法のランプを発見する事に成功した。


叶えたい願いならいくらでもある。


お金持ちになりたいし、美しい女性とも付き合いたい。そして不老不死…。


さっそく私は精霊を呼び出す為、ランプを三回こすった。


するとランプからは煙と共に、身の長3メートル程の、まるで「アラジン」の世界から飛び出してきた様な風貌の男が出現した。


彼がランプの精霊である事はすぐに分かった。


精霊が言った。


「ご主人様、願いを一つだけ叶えましょう。」


私は迷わず、


「不老不死にしてくれ。」


と願いを告げる。精霊からすれば、そんな願いは容易いらしく、私に向かって何やら呪文を唱えると、私の体は光に包まれ、やがてその光は徐々に消えていった。


体には何の変化もなかったが、おそらく私は不老不死になったのだろう。


自分の仕事を終えた精霊がランプに戻ろうとした瞬間、私はあらかじめ立てていた作戦を実行に移した。


精霊がランプに戻るよりも早く、ランプの注ぎ口にしっかりと蓋をしてしまったのだ。


ランプに戻る事に失敗した精霊は情けない声で嘆いた。


「ああ酷い、なんて事をするんですか…。」


「まあそう言うな、このランプはしばらく私が預かっておくよ。」


帰るべき場所さえ奪ってしまえば、精霊はこの世に居続ける事になる。この世に居続ける限りは私がご主人だ。長くいれば、その内精霊の気も変わり、叶えられる願いも増えるかもしれない。


気長に待とうじゃないか、時間はたっぷりあるのだから…。

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