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斜読三国志  作者: amino
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呉蜀大戦

 220年、曹操が死去した。曹丕が魏王の後を継ぎ、さらには皇帝に禅譲を迫って魏の皇帝となった。221年、曹丕が皇帝となったのに対抗して、劉備は蜀帝となった。これを機にして、劉備は呉征伐を宣言した。この時、趙雲は真正面からこの出兵に反対した。「今呉を討つのは私事であり、国家の目標は魏の打倒です。魏相手の出兵とあれば例えどんな苦難が待ち受けようとも喜んで出撃いたします。お考え直しください」。劉備はこう答えた。「荊州は中原を狙うのに必要な地であり、ここを奪い返すのは国是につながる。また孫権の違背は許すわけにはいかない。功臣の仇も討たねばならぬ。たとえ子龍の意見といえど採用するわけにはいかぬ」。孔明は何を言っても止められないと諦めており、無言のまま敗戦時の兵の収容や外交的用意を整えることにした。

怒りに燃える劉備と指揮下の蜀軍5万は一気に荊州へと侵攻した。これに抵抗する呉軍は、友好関係を破って大義名分を失い、地元豪族たちの支持基盤を築けていない為に連戦連敗した。正規軍の実力だけで歴戦の劉備軍に勝たねばならない呉軍は、若き指揮官陸遜の下で持久戦へと移行する。しかし、当初は都督に任じられた若い陸遜の命令を部下が聞かなかったこともあり、蜀の先鋒呉班、馮習は、巫、秭帰に陣を構えていた李異、劉阿を連破する。劉備は秭帰に駐屯し、陳式らを夷陵に駐屯させた。この大軍と勢いを見た荊州南部の土豪や蛮族は、馬良の宣伝によって続々と劉備軍の傘下に入ってきた。

この間に呉は外交的に事態を解決しようとした。劉備軍から逃げ込んできたり裏切ってきた武将を送り返し、講和の使者として諸葛亮の兄諸葛瑾を送ったりしたが、激怒している劉備には無意味だった。仕方なく呉軍は魏に臣従し、皇帝曹丕から呉王に任じられて北部の憂を絶つと、本格的に蜀との対決に備え始めた。逆に、外交的にも軍事的にも効果が挙がらない事に業を煮やした劉備は、河沿いの各所に補給拠点を設けて陸路のみで急侵攻した。河の戦には呉軍に利が有るのだが、陸遜は退却を指示した。土地を奪わせて、戦場の力関係を変化させた。その結果、河沿いに陸路で進軍した劉備軍は主力部隊を夷道、猇亭、夷陵に三分し、長江南岸の河沿いに補給拠点を点々と築くことになり、それらの守備に大幅な兵力を割かねばならなくなった。劉備軍の兵力が分散したと見た陸遜は、劉備軍の先陣に対して火計を実行して打ち崩す。前線が混乱に陥った劉備軍は突破を許した上、水上戦闘の練度に勝る呉水軍が行動を開始した。後方の補給拠点まで呉の水軍に突破された劉備軍は、それぞれが補給もなく孤立した。孤立したにもかかわらず各地の軍は奮闘したものの、まさに孤軍奮闘の状態であり、それぞれ敗れ、敗死し、降伏していった。この一連の戦いを夷陵の戦いと言う。蜀軍は40余りの陣営と、3万近くの兵士、馬良、馮習、張南らの軍の歴戦の指揮官を多く失った。蜀軍は馬鞍山で再起を図るも、呉の猛追は止まらず、一気に益州国境にある白帝城まで敗走した。この大敗で物質的にも心理的にも大きな衝撃を受けた劉備は、後事を諸葛亮に託し、223年に心労による病死、いわゆる「気死」した。劉備は諸葛亮にこう言って後事を託した。「私は功臣たちの力によってここまで来られたにもかかわらず、諌めを聞かなかったために多くの功臣を失ってしまった。今、周りを見回して後事を託すに足るのは先生お一人です。先生の才能は曹丕に10倍し、魏征伐を行えるとしたら先生しかいません。我が後継者の劉禅が君主として不適格で、曹魏討伐のために必要とあらば、彼を廃して先生が皇帝となり、権力を握ってください。お願いします」。諸葛亮はこれを聞くと涙を流し、拝復した。蜀の五虎将軍も趙雲、馬超のみとなり、歴戦の将軍も多数失われた蜀軍は一気に弱体化する事となった。そして呉軍にはそれ以上追撃する余力は無かった。諸葛亮の防衛策もさることながら、関羽からの圧力がなくなったことで、北の魏が動き始めたからだ。

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