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斜読三国志  作者: amino
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密勅と曹操の排除

 皇帝は曹操討伐の密勅を書き終えたものの、これを誰に渡すか考えた。周りは曹操の回し者に取り囲まれている。本来、皇帝が使える勢力は3つある。宦官、近衛兵、外戚である。軍閥である曹操はこのうち近衛兵を取り込んでいて、宦官勢力は何進や董卓、袁紹らによって排除されている。頼れるのは外戚のみであった。そして、外戚の中でいまだ権力を保っていたのは国舅の董承であった。董承は董大后の甥にして献帝の董貴妃の父であり、天子のもっとも信頼する外戚であった。皇帝は曹操討伐の密勅を董承に託した。

董承は、宮中に出入りしている長水校尉 チュウシュウ、昭信将軍 呉子蘭、工部郎中 王子服、議郎 呉碩らと曹操討伐の血判状を作成し、来る日に備えた。曹操を排除して再び官室の栄華を取り戻す日の為に義の同士を集めたのではあるが、王允の時の二の舞にならないよう、今度は慎重が期された。董承は考えた。決起において問題なのは軍事面であろう。地方を押さえるにも中央を押さえるにも軍事力が必要だ。現状、曹操ですら各地の豪族も押さえられないのだ。地方の現状と軍事に精通した人物が必要である。多少信用できずとも、また出自があやふやでも、軍事力は乱世には不可欠であった。そこでもう2人選ばれた。西涼の大守 馬騰、非常に遠い血縁の皇族で左将軍 劉備の2人である。2人とも反乱の中を生き抜いて来た叩き上げであり、謀略に対処する力も宮廷人に劣らないものと予想された。こうして、連判状に加わる人士が増えていった。彼らの心は密勅と連判状で晴れ晴れとした。心が晴れると顔に出るものである。反曹操派の朝臣の顔が晴れ晴れしていることに気が付いた曹操は警戒した。そして曹操は、反乱が起こった際に最も危険となる男、劉備玄徳を酒宴に呼んだ。

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