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No.1553.曖昧な陽炎
爽やかな冷たい風を
木造りのベンチで浴びて
背中に感じる暖かい陽射し
パッと一斉に羽ばたいた鳩の群れ
綺麗な円を描いて旋回を繰り返す
ふと見上げれば白昼夢
現実ではない君が微笑む
奇妙な責任感を感じ
我を忘れてしまいそう
握り締めた拳に血が滲む
共に過ごした時間は曖昧な陽炎
あっさりと消えてしまうだろう
穏やかな夜空の星を
ベランダで静かにみつめて
微かに震える肌寒い夜
遠くに見える山々は何処までも真っ白
なだらかな稜線を目でなぞってゆく
ふと見上げれば白昼夢
現実ではない君が微笑む
奇妙な責任感を感じ
我を忘れてしまいそう
握り締めた拳に血が滲む
共に過ごした時間は曖昧な陽炎
あっさりと消えてしまうだろう
共に過ごした時間は曖昧な陽炎