第40話 真髄
ディバインスラスター。
確かそういう名前だったはずだ。その魔道具を俺は欲していた。
それさえあれば世界が変えられる。
そう思っていた。
ばしゅん! どかん。
俺の一撃でゾンビどもが蒸発する。
クソゾンビどもが。
何もしないくせに。
何もできないくせに。
俺を不愉快にばかりさせ腐りやがって。
これじゃ駄目だと思っても無意味だ。
世の中はクソだ。
何もかもがゴミだ。
どうせ死ね! 何もできないのなら。
俺は違うぞ。
俺はミッドハルト。
伝説の戦士だ。
たかがゾンビなんかに負けてたまるか。
燃え盛る都市を俺は駆け抜ける。
最近俺のコピーがやられたらしく、少しだけ警戒指数を上げる。
だがいずれにせよ、だ。
孤独?
なんてこった地獄のざまだ。
へへっ、クソが、偉そうにしてた連中を血祭りにあげてやったぜ。
何ができるっていうんだ? たかがゴミに。
俺は違うぞ。
絶対に違う。
クソが! どうすればいいってんだこんな社会で俺に何ができる?
この眠気に勝てる方法なんかないんだ!
俺は眠い! 限界なんだ!
休めば、畜生、チーレムだ、チーレムじゃないと駄目だ!
うわああああああああああああああああ
どいつもこいつも地獄を見ろ! 他人事だと笑ってろ!
いまに分かるぜ、てめえらの、その日和見主義がどんな後悔を作り出すかが。
俺は生きる、お前らは死ぬ。簡単な摂理だ!
馬鹿どもが、なんにもできやしないくせに、偉そうに、ええ?
俺に勝てると思うのか。
馬鹿が。
いま思い知らせてやる、この俺の火炎魔法、その真髄を!
都市すべてを燃やし尽くして黒ずんだ灰に染め変える我が永遠の極楽炎!
バーニリアス・ディス・アガイアス!!!!!!!!!!!!!
ずどっかあああああああああああん
くっくっく。
はっはっは。
何事もなく、世の中はクソだ。




