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第34話 迷宮都市



 気がつくと俺は地下迷宮にいた。俗に言うダンジョンというやつだ。

 何か激戦を繰り返していたような気がするが思い出せない。

 何があったのだろう。

 何がいけなかったのだろう。

 何も分からない。

 とにかく、頑張らないと。

 俺は俺のまま。

 ありのままで。

 復元されたマギルヌスを片手に俺は木の扉を開ける。

 ゾンビだらけだ。

 俺はゾンビどもを一撃の下に粉砕しながら、先へ進む。

 地上へ出なければ。

 頑張らないと。

 ふらつきながら前を向く。

 疲労困憊。満身創痍。

 疲れてしまった。

 がんばるとか。がんばらないとか。

 そういうレベルじゃない。

 大丈夫? そう声をかけてくる美少女。

 かわいい。

 群青色のワンピースがよく似合っている。

 俺は彼女に手を引かれながら歩いていく。

 少女はゾンビをハンドガンで蹴散らしながら進んでいく。

 このダンジョンは一体なんなんだろう。

 俺には何も分からない。

 とにかく眠くて仕方ない。

 少女のアジトだという部屋につき、そこで休んだ。

 ほっと一息。

 苦しいことはもう済んだ。少女は言う。

 サンドイッチとコーヒーで、元気を出してと。

 そうだ。元気を出さないと。おいしいものを食べて。あたたかいものを飲んで。

 幸せな気分を噛み締めながら、頑張るんだ。

 俺は。

 槍を異次元に放り込んで仕舞い、休息を取る。

 ベッドの中にもぐりこみ、漫画を読む。週刊漫画だ。

 時々、ゾンビを倒しに外へ出て行く少女。

 ゾンビハントでお金がもらえるらしい。

 ここはゾンビ退治と背中合わせになった迷宮都市。

 いろいろ大変なのだ。

 俺は偵察用の使い魔を放ったりして、様子を見ていた。

 小型のガンを備えた使い魔でたまにゾンビを倒したり。

 いってしまえばゲーム感覚。

 ポシャってもリトライ簡単。

 それでいい。それこそが安定した仕事を惹起する。

 わかったのだ、俺はもう。

 元気を出さなきゃ駄目なんだってことを。

 落ち込んでる意味なんてない。

 元気に明るく前向きに。

 何も考えず。

 そう。それがよい。

 俺はいつの間にか眠り込み、ゾンビ退治に集中し切ることができなかった。

 それでも生活は変わらない。

 いいことだ。とてもいいこと。


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