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第11話 俺が外にいるときに雨なんか降るな!!

好きなものを書いていると気持ちいい・・・!

感想お待ちしております!


 嵐が吹いている。

 エリア天気が壊滅的状態だった。

 俺はケステスと協力して、シタンの洗脳を完了していた。

 単純な状態異常魔法を何度もかけるのだ。

 シタンはすっかり俺たちに従順な盗賊ジョブの一人と化した。

 斥候にはちょうどいい。

 あれからウォデスが戻ってこなかったので、シタンは新しい斥候にすることにした。

 雨の中、

「がんばります!!」

 と出て行くシタン。小気味いいことだ。俺は暖かな毛布に包まりながら戦車を岩棚の下に休ませた。

 眠気がひどい。


「なんらかのデータ異常ですね。眠り状態がよくならない」

「なんだと。クソ神め」

「神?」

「なんでもない。とにかく、いまは、お前らが俺を守れ」

「はい、当然ですとも」

「ふんっ、何をえらっそーに!」

 フェルとケステスはそれぞれの表情をしながら、ハッチを見張っている。

 俺はモニターに映っている景色をぼおっと眺めていた。

「む。あれはゾンビじゃないのか」

 モニターにゾンビがいた。

「倒さなければ」

 俺は戦車を発進させた。

 ゾンビを踏み潰した。

「外へ出て掃討したほうがいいな」

「あたしやだよ」

「わがままを言うな。みんなのことを考えて行動しろ!」

「じゃああんたがいけば?」

「ふざけるな、大将が出て行く戦場がどこにある。お前らは歩卒のつとめを果たせ」

「はいはい」

「いきましょうフェルさん。では言ってまいりますハルトさん」

「最初から素直にそういえばいいんだ」

 二人は出て行った。


「くそが」

 俺は毒づいた。俺の疲労を考えれば、俺を大事にするのは当然のことだ。

 だが、何かいやな予感が消えなかった。

 こんな安全な場所で何が。

「ぬっ」

 俺の足にゾンビが絡み付いていた。

「テレポート魔法で飛んできたのか! 敵は魔術師!?」

 俺はゾンビの頭を蹴り抜いた。すると背後から別のゾンビにしがみつかれた。

「ぐ、ぐあーっ! 貴様ら、貴様らごときにいいいいいいい」

 噛まれる前に俺はマギルヌスを振り回した。が、戦車ごと両断してしまう。

「な、なにやってんのハルト!?」

「うるさい、俺は悪くない!!」

「この馬鹿、戦車なんかブッ壊して!! どーすんのよどーすんのよ!!」

「黙れ、黙れ黙れええええええええええ」

「もう、馬鹿ああああああああああああああ」

 俺とフェルが怒鳴りあっていると土石流が戦車の成れの果てを押し流した。

 俺たちは猿のように木にのぼってそれを眺めていた。


「戦車が」

「あんたのせいよあんたの」

「まあいいじゃないですか。土石流のおかげでゾンビたちも全滅しましたよ」

「ふん」

 俺は木にのぼりかけていたゾンビの最後の生き残りを持っていたハンドガンで撃ち落した。いくつかの重火器を戦車に積んでいたのだが、結局はこの拳銃一丁しか残らなかったわけだ。

「俺の計画が台無しだ」

「元気を出して、ハルトさん」

「ありがとうケステス。おいフェル、このあたりに宿はないのか」

「ないわよそんなもん」

「いいえ、ありますよ。ここはマップによれば」

 ケステスが左手を振ってウィンドウを出した。

「メペルクルオス街道。南西に少しいくとボロロニアン宿場がありますね。宿と、小さな商店がいくつか並んでいるだけの街道町です」

「そこがいい。そこへいこう」

「都合いいんだから」

「あぶないっ!」

 フェルに襲い掛かった敵を俺はマギルヌスで貫いた。

「油断するなよ、赤毛」

「っ! か、感謝なんてしてないんだからね!」

 フェルは顔を真っ赤にして、そっぽを向いた。


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