天国?
俺らは船から降りた。
その後からぞくぞくと出て来る。
看板には「三沙羅島」
島はまるでハワイのような島だ。
「すご~い」
里沙がはしゃいでいる。
分からなくもない。
"ここから先へ進んで下さい"
と書かれた標識があった。
ホテルだ、しかも大きくて豪華そうだ。
みんなそこへ向かった。
しかし、ホテルには受付の人も居ない、とにかく人が居ない。
「信司、やっぱりおかしいくね」
「同感」
ホテルの中の地図に一人一人の部屋が示されている。
俺は305室、信司が301室、里沙が502室、穐田先輩は801室。
それとパンフレットを見た。
ここの島には、コンビニ、ショッピングセンター、遊園地、プール、温泉、映画館、スポーツセンターなどの施設がある。
「一応、各自の部屋に行こう。今は2時だから、30分後に305室に集まれ。分かったか?信司、里沙」
「分かった」
二人は各自の部屋に向かった。
俺も部屋に行こう。
ガチャ
豪華だ。
何もかもが豪華だ。
机に弁当が置いてある。
ん?何だこのアタッシュケース?
カチッ
「うわっ!」
中には銃と弾が入っていた。
SIG P210と書いてある。
何で!?
ここ日本だよ!?
…………………………
怪しい………………
机に置いてある弁当を食べた。
コンコン
来た。
「入っていいよ」
「勇平~風呂借りるよん♪」
「いいよ」
俺と信司だけになった。
「信司、見たかアタッシュケース」
「見た」
信司はポケットからマグナムを取り出した。多分S&W M19だ。
何で詳しいかって?
俺、意外とサバイバルゲームとか好きでしてね~。
「かっけぇ~」
リボルバー系はかっこいい。
「何で銃なんかがあるんだよ。ここ日本だよ!?」
俺と同じ事言ってる(笑)
「おかしいよな」
「そうえば里沙のアタッシュケースの中身は何だったんだろう?」
「里沙が風呂出たら聞こう」
「ふぅ~。お待たせ♪」
「よし、来たか」
「里沙。部屋に何かあったか?」
「アタッシュケースがあったよ」
俺と信司は目をあわせる。
「中身は?」
「まだ見てない」
「取って来て」
里沙は頬を膨らませ、睨みながら部屋を出た。
「信司、一緒の部屋を使おう」
「怖いのか~」
「いや、なんか嫌な予感がする」
「まっ、いっか」
「勇平、景色綺麗だよ」
信司はベランダを見て言った。
俺はベランダに行った。
「本当だ」
緑がいっぱいに広がっている。
うえっ
男が男に抱きついてる。
あっ。
倒れこんだ。
あれをゲイと言うのか。
「ただいま」
里沙だ。
「よし、早速中身を」
カチッ
あっ、コンパウンドクロスボウた。
銃だけじゃないってことか?
「な~んだ。オモチャか…」
「違うよ」
信司が説明した。
「里沙、景色綺麗だよ」
里沙はベランダに行ったが、すぐに戻ってきた。
「勇平、あんなのが綺麗なんて、趣味悪~い」
えっ?
俺はベランダに行った。
あちこちで人が抱き合ってる。
「何やってるんですか~」
その時から、俺は気付いた。
天国そじゃなく…
地獄だということを…