始まり
20XX年、11月1日。
高校バスケットボール大会決勝戦。
体育館に響きわたる大歓迎。
後半残り15秒、73対72で負けている。
俺がボールを持っている。
俺も必死だ。
残り5秒。
ノーマークのやつにパスした。
俺が走り、マークを振り切りパスを貰う。
3Pラインからシュートを打った。
それと同時に試合終了のブザーが鳴った。
リングでボールが回っている。
入らなかった。
俺のせいだ…俺のせいで…
結果は2位で、小さいトロフィーと銀メダルと賞状を貰った。
閉会式が終わった。
俺は二宮勇平、17歳。181㎝ある。
バスケではエースの次と呼ばれている。
「俺の…せいで…負け…た」
俺は自分のせいで負けたことが悔しかった。悔し泣きした。
「お前だけのせいじゃない」
「そうだ、お前はよく頑張った」
そう言ったのは、穐田先輩と同級生の信司だ。
穐田勇士、19歳。189㎝
バスケのエースでありキャプテン。
みんなからは恐れられている番長。
恐れられている理由が分からないくらい優しい。
狩野信司、18歳。178㎝
バスケではDFがNo1で、今回の試合でも活躍した。周りからはうるさくて嫌われているが、顔はジャニーズ系だ。こいつも全然いいやつ。
「よし、俺のおごりでレストランに行こうぜ!」
「さすが先輩」
信司がはしゃいでいる。
「お願いしま~す」
俺は涙を拭いて、先輩に言った。
大体育館から出ようとした時、変な匂いがする。
「眠い」
信司がポツリと言って倒れた。
それに続いて、次々と人が倒れる。
「何だあいつら」
穐田先輩の目線の先には、ガスマスクをした人が次々と、倒れている人を運ぶ。
「助けか」
気付いたのかこっちに向かって来る。
穐田先輩が寄る。
ガスマスクをした人は、穐田先輩の口にハンカチを当てる。
「穐田先輩!」
穐田先輩が倒れた。
俺もだんだん眠くなってきた。
ちくしょう…ここで終わりか……
「おいっ………起きろ」
穐田先輩の声………
ん!?
「ここは?」
俺は体を起こした。
「気付いたか」
「穐田先輩……ここは?」
穐田先輩は周りを見回している。
「多分、船だな」
言われて見れば揺れてる。
ずいぶんでかい船だな。沢山の人が寝ている。
「ん?ここはどこ?」
信司が起きた。
周りも次々と起きだした。
「勇平、穐田先輩。何が起きているんですか?」
「分からない」
「勇士~」
穐田先輩を読んだのは、3年の藤木 亨だ。穐田先輩とよく一緒にいる人だ。
「亨」
穐田先輩は「じゃあ」と言って、亨先輩の方へ行ってしまった。
学校の人がいるってことは………
「勇平~信司~」
やっぱり居た。
「里沙」
同級生の西川 里沙。俺と幼馴染み。俺、信司とよく遊ぶ。
「学校で何か起こったのか?」
「うん。急にガスが出てきたと思ったら眠っちゃった♪」
「俺たちと同じだ」
各地で起こっているのか
「決勝戦どうだった?」
「信司………」
俺は言えなかった。
「1点差で負けちゃった」
信司は笑顔で言った。
さすが信司。
「そっか………でもすごいじゃん♪」
里沙は笑顔でそう言った。
癒されるよ、里沙の笑顔は…
そう時、放送が流れた。
「皆さ~ん。おっはよ~う。いよいよ着きましたよ~、夢の島へ。ではお楽しみ下さ~い」
放送が終わった。
「夢の島?何で?抽選とかに当たったのか?」
俺はわけが分からない。
「まぁいいじゃん♪」
里沙がワクワクしている。
俺は首をかしげた。
「そうだ、気にするな」
信司はそんな事を言っているが、怪しんでいる顔をしている。
放送がまた流れた。
「そうそう、言い忘れた。気おつけて下さ~い」
俺と信司で目をあわせる。
嫌な予感がする。
"気おつけて下さ~い"
何を気おつけるんだ?