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SPARK CHANGE!!  作者: 0:02
6/19

レオの意志と朝の血祭り


夕食は、今日入学式が行われた講堂で取る。 

私は楽器庫の事が気になって、豪華な食事も喉を通らなかった。 

明日から授業も始まる事もあって、私は食事もそこそこに自分の部屋に戻った。 

寮の部屋は一人部屋で、必要最低限の家具が置いてあり、壁には制服と自分のクラスのエンブレムが飾ってある。 



「はぁ。私、しっかりしなきゃ。」


ボフッとベッドに横たわり、窓の外を見上げる。


写真でしか見たことの無い母。 私を生んだ後、死んでしまったと聞かされていた。 

その名前がどうして、…どうしてこの学院に残っているのだろう。 

「やぁ、今日はお疲れ。」

「ひぃぃっ!!」





いきなり空中から姿を表したレオに、私は普通にビックリしてしまう。 


「な、何でレオがこんなとこうむぐ!」 

「静かにしろ!」


つい大声を出してしまった私にレオは、ぐいっと手を私の口に押し当てる。


「女子寮に入った事がバレたら、鬼の生徒指導員に十字架の刑を処される。」

「あらおっかない。でも何で私の部屋に来るのよ!しかもいきなり空中から現れて…」

「まぁまぁ。」


レオは私の目の前で掌を前後させた後、図々しくも私のベッドに寝転んだ。おい。 


「ちょっと人のベッ…」

「今日楽器庫で何を見た。」

「うっ」


ぎろりと睨まれて押し黙ってしまう。


だが、レオに言ってどうする?

心配をかけるだけだし、しかもあまり関係ない。 


「霖、よく聞け。」


レオはそういうとベッドに転がったルーシィを片手で掴み立ち上がる。 

そしておもむろにゴールドバーグのエンブレムに近寄り私の正面に立った。 


「いいか、悩んだ時や思い詰めた時が来たら、迷わず俺の所に飛んでこい。」


レオのエメラルドグリーンの瞳が私を真っ直ぐに射ぬく。 


「俺が、全部受けとめてやる。」「・・・・・・・レオ。」


いつもは冗談を言っている口からこんな言葉を聞かされて、私の胸は自然と熱くなる。 

そして目も。


「いきなりこんな世界に来て、不安なのは解る。けど、決して苦しい事ばかりじゃないんだ。」


レオとその後ろのエンブレムがぼやけて見える。 


「こういう時は俺を頼れ。」


力強く言われたその言葉が、あまりにも優しかったから、涙がぽろぽろ出た。 


その夜は、普段から蓄まっていたものが出てしまったのかもしれない。ずっと泣いていた。 




*** 



「ん、…」


朝、私は自然と目が覚めた。 

昨日さんざん泣いたせいか目が腫れている感じがする。 


まだ眠たい体を反転させる。 

……おかしいな、何故レオの顔がどアップであるのだろう。


「やぁ、おはよう。」

「いや、おはよう、じゃねぇよ。」


私のベッドで、しかも隣で、まるで当たり前かの様に寝そべっているレオ。 


「ったく、寝顔はあんなに可愛いかったのに、どうしてこうなる?」

「いいから、さっさと出ていってよ!支度するから!!」

「へぇ、そりゃぁいいね。ここに居るよ。」


私は枕をレオの顔に押し当てる。 

「何訳の解らない事言ってんのよ!いいからさっさと出ていきなさいよ!」


だが簡単に枕を退かされる。


「つれないなぁ。霖、昨日の()の事憶えてないのかい?あんなに可愛い顔で泣いて。」


ハイ、血祭り執行。 


「誤解招く様な事言ってんじゃねーよ、はげぇぇぇえ!!!」



ちゃぶ台返しならぬベッド返し、自分の腕力に感心致しました。






こんにちは!

ここまで読んで下さりありがとうございます! 

次回は主人公達が通うキャンベリー学院の説明文を更新したいと思っています。 

その内キャラクター設定、魔法都市設定文も更新するつもりなので、よろしくお願いします♪ 




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