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SPARK CHANGE!!  作者: 0:02
10/19

自分の持つ力



夕食が終わり、私はシャワーを浴びたが、就寝時間まで大分時間があったので、明日の授業の予習でもしようと図書館に向かった。


図書館は静か、と思っていた私だがそれは大きな間違いだった様である。

奴が居やがった。


「やぁ、どうしたんだい?マヌケ面さげて。」


しかも大量の本に囲まれて。


フード付きの黒マント羽織ったキショい奴、レオが難しそうな本を片手ににんまり笑ってる。

ついさっきまで一緒にいたとは思えない。


「どうしてこんなところに居るのよ。」

「ふん、俺はここの図書委員なんだ。君こそ何故こんな所に来たんだい?君の解る様な本は無いよ。」


相変わらずムカつくやつだ。


「暇だったの。明日も授業あるし、何か勉強しようと思って。」

「へぇ、勉強か。教科によっては教えてやるよ。」


何だこいつ偉そうに。


「予言術」

「あぁダメダメ、俺その類いのもの無理だから!」


レオは本に視線を戻した。

早読みが出来るのか凄まじいスピードでページを捲っていく。


「じゃぁ何が得意なの?」

「ん?得意な魔法かー…。これとか?」


ボッとレオの手から火の玉が出た。


「わっ♪」

「これ超能力だけどね。………お前、随分楽しそうに見るな。」

「だって凄い!」


それから次々とレオは魔法や超能力の力を見せてくれた。 

魔方陣出したり、直接手を付けずに本を棚に戻したり、髪の色や体型を変化させたりもした。 


「何か、本当に魔法学校に来たって感じ。」

「明日予言術なんだろう?きっと言われるぞ。<貴方は何々の力が有りますよ!>ってな。」

「ぷっ!何それ!?」

「一年の一番最初の予言術では、自分にあってる魔法や超能力の力を先生が予言してくれるんだ。」

ちなみに俺は発火能力、と言って炎を自分の周りに出した。 


「へぇ、私は何だろう?」

「怪力じゃないか?」

「何か言った?」

「いいえなんでも。」



***



予言術の先生は変な(なま)りのある女の人で、ベラ・アシモフと名乗った。


「ジェシカ・オークウッド、可愛らしいお嬢さんじゃの。貴方、カード占いが好きですね?」

「ええ!大好きだわ!」

「うむ。カードは貴方をきっと守ってくれるじゃろよ。貴方は『風』の力がありまする。」



「おや、コニー・レオンハート、はてー何処かで聞いたことの有るような無いような……。」

「僕、レオンハート財閥の一人っ子ですよ。」

「そうじゃ!そうじゃそうじゃそうじゃ!!サリンジャークラスの、そりゃ悪戯好きな奴等じゃった。その目、両親にそっくりじゃ。」

「えへへっ!」

「うむ、君は両親と同じ『音』の力じゃな。」



「む。楠木霖?」

「よ、よろしくお願いします。」

ベラ先生は灰色の目を私に向ける。 


「貴方、母親の名前は何と言う?」

「え………。えっと、楠木霞(かすみ)です。」


ベラ先生は一瞬目を開く。だが直ぐにもとに戻り、私の手を握ってくる。 

そして、小さな声でこう呟いた。 

「貴方の母親は本当によくできた人だった。」

「………それって」


ベラ先生の手を握る手が強くなる。


「貴方のその濁りの無い真っ直ぐな瞳、母親譲りですな。……貴方の力は母親と同じ『空』じゃ。」

「空…?」


いまいちピンと来ない。 


「昼は大きな光となり皆を照らし、夜は持つべき宿命を司る。」


ベラ先生の手が離れた。 


「頑張るのじゃぞ。」





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