2-4 AI 高校 動くの面倒くさいを克服!習慣化が最強の武器!
「もう面倒くさい・・・。動きたくない・・・」AI高校の学期の終わりも、毎日暑くて…。
全てをサボりたくなる怠惰な気持ちに、瑠華は小説を読みふけっていた。
「目標設定もいいけど、もっと毎日を自然体で過ごせる方法はないのかな?」と、彼女はぼんやりと考えていた。
本当は勉強なんてしたくない。でも、将来のことを考えると… 葛藤する日々が続いていた。
そんな朝、夏風邪が長引いた後、瑠華は左耳の違和感を覚えた。
「あれ?… 聞こえない…!キーンと耳鳴りがする!」(パニック!)
最初は軽い詰まりかと思っていたが、やがて左耳は全く聞こえなくなってしまった。慌てて両親を呼び、近くの病院へ行った。
医師は様々な検査を行ったものの、原因は特定できず、「入院してステロイド剤を投与しましょう。効果がなければ、精密検査が必要になります」と言われた。
(ステロイド… 副作用が心配…)
数日間のステロイド治療も効果がなく、CT スキャンや平衡機能検査など、検査は続くばかり。 医師から告げられたのは「突発性難聴」という診断だった。
「突発性難聴は原因不明で、内耳の血流障害が原因と考えられています。完治を保証できる治療法はありませんが、早期治療で聴力の回復を期待できます」
(原因不明… 治る保証がないの?)
医師は血流改善を促す薬を処方してくれた。「これは粘膜の修復を促進し、内耳の炎症を抑えることで、血流改善を促す効果が期待できます」
(ちゃんと治るかな…)
その日の夜、瑠華は病院のベッドでソフィアに相談した。「ソフィア、私、突発性難聴になったみたい…。左耳が全く聞こえないの…。勉強に集中しすぎて、疲れてたのかな…」
「瑠華さん、辛いでしょうが、まずは落ち着いてください。突発性難聴は、ストレスや睡眠不足などが原因で発症することがあります。期末テスト対策に集中しすぎて、生活のバランスを崩していたかもしれませんね。心身ともにリラックスし、十分な睡眠と休息を取りましょう。そして、運動も大切です」
ソフィアは、生活習慣の改善を提案してくれた。瑠華自身もインターネットで調べ、難聴は内耳の血流停滞が原因の1つであることを知った。(血管と筋肉を強くすれば… もしかしたら…)
瑠華はAI高校の保健の先生からクラブ活動を勧められた。AI 高校ではクラブへの参加日数の決まりはない。複数クラブの掛け持ちが一般的で広い視野を持つことを推奨されていた。
(どんなクラブにしよう?)
最初は「ガンダムクラブ」を考えた。理系と体育系の要素を融合し、オリジナルのガンダムを開発・製作し、その操作技術を競うクラブだ。(楽しそう!でも…)
ソフィアから「これは運動量が不足している」と指摘された。
(運動は苦手で面倒だけど・・・。もっと運動しないと!)
次に瑠華が目をつけたのは「忍者同好会」だった。「忍者は体幹を鍛えられるし、分身術も魅力がある」と考えた彼女は、早速「忍者同好会」に参加した。
しかし、最初の活動は多摩丘陵を走るクロスカントリー。走るのは想像以上にキツく、1km でダウンしてしまった。(全然ダメだ…) それでも、彼女は諦めなかった。体を上下動させない忍者走りは安定する。少しずつ距離を延ばし、走り続けた。(絶対に耳を治してやる!)
――――――――――――――――――――――
8月 15 日:2km、目標タイム 15 分、実際 18 分、反省:後半息切れが激しかった。対策:呼吸法の練習を行う。
9月 1 日:3km、目標タイム 25 分、実際 23 分、反省:ペース配分がうまくいった。対策:時計を見ながらペース配分を意識して練習を続ける。
三ヶ月後、秋の風が吹き抜けるグラウンドに瑠華の姿があった。 最初は 1km 走るのもやっとだったクロスカントリーのコースが、今では 5km 走れるようになっていた。
「あの時、本当に辛かった… でも、ここまで来れた! 難聴は残っているが、耳鳴りはもう気にならなくなっていた」
忍者同好会のリーダー格、凛さんは一緒に走り、瑠華の成長を認めていた。
「瑠華、君の忍者走り、すごく軽やかになったね。最初の坂道でへばってた君は、想像もできないよ」
「忍者の修行は、これから技に入るよ。集中力、忍耐力、そして強い意志が必要なんだ。君は、それらをすべて備えているよ」
この成長の秘訣は、AI コーチのアドバイスと、そしてクラブで一緒にする習慣化にあった。ソフィアは、筋肉増加には約 2 週間かかると予測。目標達成までの日数を数えて記録することで、彼女のモチベーションを維持できた。
さらに、瑠華は常にノートを持ち歩き、自らもPDCA サイクルを駆使してトレーニングを管理。毎日のトレーニング内容、目標タイム、実際にかかった時間、反省点、改善策を記録した。 コーチのAIソフィアも応援してくれる。
「計画、実行、チェック、そして改善… 絵本作家さんの教え通り!」
最初は怠けて休みがちだった忍者の剣術の基本。朝の素振りも、朝食前に最初の週は、5分だけ!
こちらも習慣となって20分しても疲れなくなった。
そして、夏休みを通して、走りと素振りを止めることなく、秋を迎えることができた。 これは、人と合わせて行動するのが面倒くさい彼女にとって大きな成果だった。この時間を決めた運動習慣によって身につけた継続力は、これからも活きてくるだろう。
しかし・・・、分身術までは何年かかるのだろう。まだ課題が多い。
現在、こちらの「小説家になろう」で続けてアップロード中です。
別サイト「note」では少し進んでいます。先読みもできます。
https://note.com/jud/n/n6bb165f74490