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1-12 生と死の狭間

 セリナは、指先を軽やかに動かし、異世界人が導入した端末を操作する。

「よし、完了。電話回線、セキュリティ、 全てハック済み。これから2時間、この倉庫への侵入は、外部に一切感知されないわ。ただし、直接の人間には注意が必要ね」

彼女は、満足げに微笑み、アグニに視線を向けた。


 アグニとセリナは深夜2時。夜陰に乗じてセキュリティを切断。倉庫に侵入した。 彼女の動きは、まるで影のように静かであった。しかし、大型犬が吠え出した。


 倉庫の薄暗い空間を、警備の4人の影が支配していた。 彼らは、闇に紛れて、まるで幽霊のように、アグニとセリナの動きを監視していた。 彼らの顔は、闇に隠され、その表情は、読み取ることができなかった。 しかし、彼らの体から発せられる殺気は、アグニとセリナにも、はっきりと伝わってきた。 彼らは、それぞれが、鋭い刃物を携えており、一瞬の隙も許さない鋭い眼光で2人を睨みつけていた。

 

 中央には、巨大なステンレス製の作業台が置かれ、その上に、意識を失ったソフィアのパートナーが横たわっていた。

 

 ギルバートは、警備員たちの様子を、じっと見つめていた。 彼の心の中には、複雑な感情が渦巻いていた。 恐怖、不安、そして、罪悪感。 彼は、この仕事に嫌悪感を抱いており、できれば、この場所から逃げ出したいと思っていた。彼は、葛藤しながら、自分の運命を受け入れた。彼の手に握られた日本刀は、闇の中で不気味に輝いていた。

 

「なんだ、お前たち泥棒か。邪魔をするなら、覚悟しろよ!」

 警備員の叫び声と同時に、倉庫内は修羅場と化した。倉庫の警備員たちは、それぞれが持つ武器を構え、アグニとセリナに襲いかかった。

 ギルバートも、少し後ろで恐ろしげに刀を振った。 長刀は、鋭い音を立て、空気を切り裂いた。


 アグニは軽快に下がりながら、矢を雨のように降り注いだ。 彼女の矢は、正確無比で、警備員たちの動きを封じ込め、次々と倒していった。 その動きは、まるで、熟練の狩人が獲物を仕留めるかのようだった。


 セリナは、影のように素早く動き回り、忍刀で警備員たちを斬りつけた。 彼女の動きは、あまりにも速く、警備員たちは、彼女の攻撃をかわすことすらできなかった。 彼女の忍術は、まるで、魔法のようだった。


 最後に残ったギルバートは、日本刀を構え、アグニとセリナに襲いかかろうとした。 しかし、アグニの矢が、彼の腕を貫いた。 激しい痛みと、麻痺が、彼の体を襲った。 彼は、刀を落とし、膝をついた。


 彼の目は、恐怖で、大きく見開かれていた。 アグニは、その隙を逃さず、とどめの矢を……。

「助けてくれ。お前たちを出す!」

 矢は、ギルバートの目の横を抜けた。

 

「今、この女を動かすと死んでしまう。俺がギルドの荷馬車で、俺の村まで運んでやる。おれは好きでやっていなかった」

 アグニとセリナは、呆れて硬直した。だが、瑠華は、冷たさに固まった身体で意識を失っていた。

「運んでもらおう。そして、この女を歩けるようにするんだぞ。もしできない場合には……」

「わかった、女の回復は闇の医師にやらせる。助けてくれ!」

 

 アグニが、瑠華を抱き上げた瞬間、彼女の意識が戻った。 冷たい金属の感触、そして、アグニの温もり。 その対比が、彼女の心に、激しい衝撃を与えた。 彼女は、この状況から、ようやく解放されたのだ。


「……大丈夫……?」 瑠華は、かすれた声で呟いた。 アグニは、優しく頷いた。


「大丈夫だ、瑠華。 もう、安全だ」 アグニの温かい声が、彼女の心を癒した。 彼女は、アグニの腕の中で、ゆっくりと、涙を流した。 それは、恐怖と、絶望からの解放の涙だった。 そして、かすかな希望の光が、彼女の心に灯った。


 アグニは、瑠華を抱き上げ脱出した。 倉庫にはまだ人がいたが、ギルバートはそれを避けて馬車についた。アグニは瑠華を安全な場所に運び、闇の医師を確保し治療を施した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「あなたは…… 一体誰なのですか?」

「わたしはアグニ。こちらセリナ。これから、君と一緒に働くことになるだろう」

 アグニには王国の仲間がいた。瑠華に、王国の奴隷の解放派閥のメンバーとして、共に活動することを提案した。

 それは、アグニが、瑠華を単なる救助対象としてではなく、仲間として受け入れた証だった。 これは、世界を変える序章、奇跡的な出会いだった。


1章、読んでくださってありがとうございました!

何か読みづらいところや、もっとこうしたらいいのに!っていうところがあったら、ぜひ教えてください。 ノート(手帳)が皆さんのお仕事や勉強のお役に立てると嬉しいです。


2章も、よろしくお願いしますね!


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