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「手紙でのやり取りはしてたけど、こうやって会うのは社交パーティ以来ね。椿ちゃんとは一度ゆっくり話してみたいと思っていたから、今日会えて嬉しいわ」
「私もです」
同性とのおでかけは、椿も随分と久しぶりだった。年下の椿のことを何かと気にかけてくれる百合子は、同じ「特務部隊所属の夫をもつ」という共通点もあり話が合い、二度目ましての今日も会話は弾んでいた。
「で、最近、千歳君とはどうなの?」
頼んでいたお茶と団子が来ると、早速と言わんばかりに前のめりになる百合子。そんな質問を投げかけられ、椿はきょとんとして「どうとは?」と首を傾げた。
「だって、この間『これからは積極的に愛情表現を』とか何とか千歳君が言ってたじゃない〜。あれから何か変わったことはあったの?」
にこにこと笑顔を向けながら尋ねる百合子に、椿は少し恥ずかしそうに、はにかんだ。
「『椿さん』と名前で呼んでくださるようになりました。あと、時間が合えば一緒に朝食や夕食を食べるようになったり……」
それを聞いた百合子は、ありえないという顔で椿を見た。
「嘘でしょ……⁈今までは、どんな感じだったの?」
「『貴女』と呼ばれていました。食事は別々で……」
椿がそう答えると、「何てこと……」と、頭を抱える百合子。
「……もう、女心に疎いとかそういうレベルじゃないわね。千歳君には教育が必要だわ」
そう言って呆れた様子の百合子に、椿はきょとんとした表情を浮かべていた。




