表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

46/148

5

「うちのような地味な家に、なぜご縁談を……と、ずっと不思議に思っておりましたが、そういうご事情だったのですね」


 微笑みを絶やさない椿に、静華をはじめ周囲の令嬢たちも唖然としていた。嫌味に全く椿が動じていないのを見た静華は、頬を引きつらせている。


 しかし、すぐに表情を整えると「どんな理由で選ばれたとしても気になさらないとは、さすが院瀬見様の奥様ね」と、優雅に扇子を仰いで体勢を立て直した。


「でも、やっぱり結婚するなら、愛してくれて、うんと甘やかしてくれる殿方が一番ではなくって?結婚したら妻はほったらかしなんて話もありますけど、 女は愛されて綺麗になるって言いますし。特務部隊に所属されている方が夫なら、尚更家を空けがちで寂しい思いをされているでしょうに」


 静華が頬に手を当て、わざとらしく大きなため息をつくと、周りの令嬢たちもうんうんと大きく頷いている。


「椿さんはいかがですか。そうは思いませんこと?」


 そう問いかけた静華の言葉は、たとえ「院瀬見千歳との結婚」を手に入れたとしても、愛されずにいる結婚生活など惨めなものだと言いたげである。


「確かに……白鳥様のおっしゃる通り、そういう結婚生活は理想的かもしれませんわ」


 椿の言葉に、静華はあからさまに喜色を浮かべた。


 今度こそ、さぞ惨めな気持ちになっただろうと椿の顔を覗き込もうとした静華だったが、椿は「でも」と微笑みながら、静華の目をまっすぐ見つめる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ