3
体のラインが強調された葡萄酒色のドレスに、ねじって結い上げた髪には、煌びやかな宝石が埋め込まれたヘアアクセサリー。きゅっと目尻が吊り上がった瞳は凛々しく、真っ赤な紅を引いた口元には、にこりと美しい笑みを浮かべている。
後ろにいる令嬢たちも、みな彼女と同じように扇子を口元にあて、にこにこと椿のことを見つめていた。
「わたくし白鳥静華と申します。父は異国とも交流をもつ商人で、特務部隊の方々とは古くからの付き合いがありまして。院瀬見様のこともよく存じあげてますの」
「そうでしたか。初めまして、白鳥様。わたくしは院瀬見椿と申します。いつも夫がお世話になっております」
何度も繰り返すうちに、「院瀬見椿」と名乗るのも板についてきた。静華は千歳の知り合いと聞き、一層身を引き締めて挨拶をする。
「夫は今、席を外しておりまして。すぐに戻ってくるとは思うのですが……」
椿はそう言って千歳を探そうとしたのだが、静華が椿の視界を遮るようにそっと手を添えた。
「あら、私がお話したかったのは、椿さんの方よ。あの院瀬見様の奥様だもの、みんなどんな新婚生活を送っているのか、気になるわよね?」
静華の言葉に、周りにいたご令嬢たちも頷きながら椿のことを見た。




