第6話幼馴染みの部活に入らない理由 瑠奈視点
しつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいくたばれくたばれくたばれくたばれ……。
私の中で呪詛の言葉を繰り返している。
理由は明白だ。
勧誘がしつこい。
こんなに勧誘するなんて暇人なのだろうか?
普段こんなことは思わないが、あまりのしつこさに苛立ちが最高潮だ。
部活はいるかはいらないかは私の自由だ。
なのにはいるべきだとか入れとか何様なんだろうか?
「瑠奈、気持ちはわかるが廊下は走っちゃ駄目だろ」
追いかけてきたのは幼馴染のえ~ちゃんだ。
「ごめんごめん、つい……」
そう言うと私達は、共に練習場へ向かう。
私はこの時間が好きだ。
彼と一緒に居れる時間が好きなのだ。
部活になんてはいるわけがない。
この時間を犠牲にしてまでやるというのは私にとって解読不能だ。
そうして練習場へ向かうと、互いに着替えて練習場へ向かい練習を開始する。
メニューは彼がコーチと共に考えた私専用のメニューでこのコートも私が所属している限り自由に使っていいと言われているのだ。
そうして19時に練習を終えると、ランとストレッチをして20時には練習が終わる。
帰り道でメロンパンをかって頬張り、私は帰宅する。
「なぁ瑠奈」
「うん?」
「本当に部活に入らないのか?」
またその話か。
いくらえ~ちゃんといえど、私の機嫌が悪くなる。
「なんでそんなこと言うの?」
「いや、以前は部活は言ってたから入らないのが不思議だなって思ってさ」
そりゃ、前はえ~ちゃんもやってたから……なんて言えるわけがない。
邪な入部理由だが、え~ちゃんと一緒に出来るからという理由で入部したのだ。
え~ちゃんが部活に入らないに加え入ったとしても練習が別なら私が入る理由などないに等しいのだ。
私の最優先はえ~ちゃんの隣にいる事なのだ。
まぁ、私の事を意識してくれないのは不満ではあるが、まだ時間はある。
璃奈が若干狙っている節があるが、彼女も苦戦しているようなのでまだ大丈夫だろう。
迫りすぎてもよくないので、ゆっくり彼を堕としていこうと思っている。
「なんでだと思う?」
私はアニメで学んだ前屈みになって顔を近づける作戦を実行した。
これは美少女や気になる人ならドキッとする仕草らしいのだ。
「わからないから聞いてるんだけど?」
逆に近づき、何も反応のない彼の見て恥ずかしくなってきた。
私がアピールしてもいつもこれなのだ。
流石に腹が立ってきた。
「そう」
「何を怒ってんだよ」
「さぁ? 自分の胸に手を当てて聞いてみたら?」
そういって私は歩き出した。
この話が少しでもいいなと思った方は、ブクマ、コメント戴けると励みになりますのでどうかよろしくお願いします!!