第5話意味が解らない幼馴染 瑛太視点
「瑠奈、気持ちはわかるが廊下は走っちゃ駄目だろ」
「ごめんごめん、つい……」
瑠奈は苦笑いを浮かべながらそう言った。
彼女の気持ちもわかる。
流石に何度も来られては怒るのも無理はない。
僕等は、共に練習場へ向かう。
そうして練習場へ向かうと、互いに着替えて練習場へ向かい練習を開始する。
「今日はここまでかな、後は軽いランとストレッチね」
「うん、わかった!!」
19時になり、瑠奈がストレッチをしている間に僕は整備を済ませ、彼女と軽くランを済ませる。
そうして20時前に終わりもう一度ストレッチを終え、着替えるといつものメロンパンを買い帰路に着いていた。
「なぁ瑠奈」
「うん?」
「本当に部活に入らないのか?」
「なんでそんなこと言うの?」
「いや、以前は部活は言ってたから入らないのが不思議だなって思ってさ」
中学時代は部活に入り一生懸命やっていた。
楽しそうだったし、入らない理由が僕にはわからなかった。
彼女ならインハイに届く可能性だって十分にあるはずだ。
「なんでだと思う?」
そう言って彼女は前屈みでこっちを覗き込むように上目遣いで見てくる。
こういうの、本当にやめてほしい。
ドキッとするから!!
バレてないよな?
バレないように必死に平常心を作るが、もしかしたらバレているのかもしれない。
言われたら死にたくなるけど。
「わからないから聞いてるんだけど?」
近いからよくわかる。
彼女はめちゃくちゃ可愛い。
こんな子に近づかれたら誰だって惚れるに違いない。
っというか彼女は実際にモテる。
可愛いのに加え明るく誰にでも気さくに接する彼女は男子の中で物凄く人気なのだ。
そんな子からこんな仕草をされたならドキッとしないのは失礼にあたるだろう。
そう思っていると、少しずつ風船のように頬を膨らましていた。
あ、なんか怒らしたようだ
「そう」
そう言う彼女は背を向け歩き出した。
喜怒哀楽が激しすぎる。
「何を怒ってんだよ」
「さぁ? 自分の胸に手を当てて聞いてみたら?」
……う~ん、全くわからん。
胸に手を当て考えてみるが、全くといっていいほどわからん。
そう思いながら彼女を送り届けると僕は自分の家へ帰宅するのだった。
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