第31話 変態さんな義兄とうっかり者な私
「兄さん、わかってますか?」
「はい、すみません」
「本当にわかってますか?」
「はい、重々承知しております」
「全く、兄さんにはほとほと呆れます……はぁ~」
「これからもう少し気をつけます」
「よろしい、わかればいいんです」
そう言って私は彼の横に座ると、「わかっていますよね?」といった感じでじっと顔を見続ける。
(わかってなかったら、もう一度説教なんだから)
「それで、決めたって言ってたけど、どうするの?」
流石の鈍感な兄さんでも理解したみたい。
「はい、それなんですけど……兄さん達のいる高校に行こうと思ってます」
「そっか」
「嬉しいですか?」
「まぁ、そりゃね」
兄さんは頬を掻きながら照れくさそうに言った。
嬉しいなら嬉しいとはっきり言えばいいのにと思う。
「はっきりしてください、全く」
(全く、素直じゃないんですから)
「それじゃ、そろそろ帰りましょうか」
「そうだね」
公園の時計を見ると、一時間ほど経っていた。
「兄さん、相談に乗ってくれてありがとうございます」
「力になれたかな?」
「はい!! そりゃ、ちょっと頼りなかったですけど」
「あはは、すみません」
「冗談です、とっても力になりました……どうしたんですか?」
「んや、何でもない」
「あ、もしかして私の胸の事を思い出してましたか?」
「そんなわけないだろ、純粋に璃奈ちゃんの笑顔が可愛いなぁ~って思っただけ」
「ふぇっ!?」
(はははははい!?)
全くもって兄さんは偶にとんでもない攻撃を繰り出してくるの、本当にやめてほしい。
冗談で言ったつもりだろうが、その破壊力は私を恥じらわせるには十分な破壊力だ。
彼の言葉に私は普段出ない声が出てしまった。
(あっつぅ~)
恥じらいで身体中の血液が沸騰して漏れ出るのではないのかと思う程全身が熱かった。
本当に、こういうのやめてほしい。
「そ、そうですか」
今、私の顔を兄さんに見られたくないので、背を向ける。
自分でも酷く動揺しているのがわかる。
私はそのまま歩き出し、そのまま彼の顔を見ることも出来ぬまま帰路に着く。
「兄さん、今日は本当にありがとうございました。 それじゃ、また明日」
「あぁ、また明日」
そうして家に着き、そう言うと私は背中越しにそう言って家の中に入っていくのだった。




