第3話勉強会と熱
「兄さん、駄目ですか?」
「ん~、僕は別に構わないよ」
実際、何度も泊ってるし慣れてるっていったら他の男子に殺されそうだが、事実何も起きたためしがないので期待はしていない。
っというか、彼女達は実質家族みたいなものなのでそういう対象としては見ていない。
否、見てはいけないと己を常に洗脳している。
「よかったです、それじゃ先にお風呂どうぞ」
彼女にそう言われ浴槽に向かい風呂に浸かる。
お風呂は命の選択というがまさにその通りだ。
心の芯まで暖かくなる感覚が心地いい。
なんかすべすべする。
何か入れているのか甘い香りがする。
「兄さん、着替えおいとくね」
「あぁ、ありがとう」
そうして風呂から上がると、「うぅ~」ッと涙目でリビングで瑠奈は璃奈ちゃんと勉強をしていた。
璃奈ちゃんも受験勉強真っただ中だ。
ただ、勉学は瑠奈と違って優秀で学年上位の成績だ。
どこの高校でも選びたい放題だろうに、志望校がなんと僕らの通っている高校なんだから不思議だろ?
うちの学校は馬鹿とは言わないが、中の中程度の学校だ。
璃奈ちゃんの成績なら上の上も夢ではない成績だというのに僕達と同じ学校に行きたいとの理由で下げるそうな。
「兄さん、少しここを教えてください」
「どれどれ」
そんなこんなで椎名姉妹と共に僕も宿題を進める。
瑠奈の方を見ると、頭から湯気が出ていた。
勉強より運動の脳筋だ仕方ないと言えば仕方ない。
「わからんなら聞け」
僕は彼女の隣へ行き、勉強を教える。
そうして勉強会が始まって少しして……瑠奈に限界が来た。
「うにゅ~うにゅ~」
限界の彼女が発する言葉だ。
まだ始まって三十分もたっていないが、仕方ない。
「璃奈ちゃん、休憩しようか」
「……そうですね、少し休憩にしましょうか」
瑠奈の方を見て、璃奈ちゃんは察したのか深く溜息を吐き立ち上がる。
「何か飲みますか?」
「僕は緑茶」
「私はリンゴジュース炭酸割~」
机に突っ伏しながらいう瑠奈に対して璃奈ちゃんは呆れたような顔をして飲み物を取りに行ってくれた。
そうして戻ってくると、飲み物の他にお菓子や瑠奈専用の氷袋を持ってきた。
彼女は勉強になると熱が出る為、勉強を行った際もアイシングを行っている。
「生き返るぅ~」
そう言って額に氷袋を当て、気持ちよさそうな顔をして飲み物を飲む瑠奈なのだった。
この話が少しでもいいなと思った方は、コメント戴けると励みになりますのでどうかよろしくお願いします!!