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第29話 兄さんに相談 璃奈視点

「その、私って今度受験じゃないですか?」

「いい所見つけれた?」

「う~ん、まぁそこそこいい所は先生から言われてますけど……」

「そっか、璃奈ちゃんは成績もいいし、結構いい所行けそうだよね」

「璃奈ちゃんはどうしたい?」

「どうしたい、ですか?」

「うん、迷っているには理由があるんでしょ?」

「理由ですか」 

「そもそも、璃奈ちゃんはどうして瑠奈や僕のいる高校へ行きたいんだ?」 

「う~ん」


(理由ねぇ~)


 正直な話、兄さんや姉さんと仲良く登校できるというのが本音だ。

 ほとんど知らない人の多い所より知っている人が多くいる方が心強いというのが本音だ。

 

「兄さん達と一緒に登校したいからでしょうか?」

「そうなんだ……」 

「はい、姉さんを兄さんだけに任せるわけにはいきませんから!!」


 一瞬、兄さんが戸惑ったような顔をしたのは気のせいだろうか?

 だけど、その言葉には何も間違った事など何も言っていない。


「答え、出てると思うんだけど?」

「え?」

「だって、瑠奈と一緒に登校したいって言う明確な理由があるじゃん」 

「でも、これは将来の事でもありますし、そんな理由で……」 

「ないよりはいいと思うな。 僕だって瑠奈、君の姉さんを応援したいっていう単純な理由だし」

「言ってましたね、最初聞いた時は正気を疑いましたが」


 私は揶揄うように言うと、兄さんは少し苦笑いを浮かべる。

 正直、彼の気持ちは私もわかる。 

 姉さんは危なっかしくて私が見ていないといけないと思っている。

 恐らくだが、庇護欲というものだろう。

 小鳥を守る親鳥の様に姉さんを私と兄さんで守らないといけないのだ。


「あの時の璃奈ちゃん、怖かったなぁ~」 

「そうですかね?」

「最初僕に言った事覚えてる?」

 

 正直、覚えている。

 今になっては笑い話だが、彼に言った事は中々に酷い。

 思い出すだけで申し訳ない気分になるが、まぁ終わった事だ。


「う~ん、確か……兄さんの事、好き……でしたっけ?」

「……違うけど、まぁこの話はいいや」


(ドキドキしてくれてもいいのになぁ~)

 全く動揺していない彼に不満が出てくる。

(私ってそんなに魅力ないのかなぁ~?) 

 自分で言うのもなんだが、私はクラスの男子にモテる。

 何度も告白されているし、人望だってある。

 ただ、最も来てほしい人は来ないという一点を除いては私はモテていると言える。

 それなのに、この人は私の勇気を振り絞って出した言葉に表情一つ変えないのだ。

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